VRで閲覧可能な360度写真・動画を撮影できる、360度カメラ。ここ数年でかなり安くなってきており、一般消費者でもじゅうぶんに手が届くものとなってきています。
ニコンやリコーのような老舗メーカーから、新進気鋭の中国ベンチャー企業まで、多くのメーカーから質の高い360度カメラが発売されており、360度カメラの勢いはとどまるところを知りません。
360度カメラで撮影した360度写真・動画は、Facebookのタイムラインに貼り付けてシェアしたり…
弊社Spacelyのようなサービスを使ってシェアしたり…
動画なら、このようにグルグル見回せる動画としてYouTubeにアップロードすることもできてしまいます。面白いですよね。
しかし…いざ購入しようと思っても、発売されている360度カメラの数と種類があまりに多すぎて、どれを買えばいいかサッパリわからない!という方も多いのではないのでしょうか。
今回の記事ではそのような方に向け、一般消費者でも購入できる価格帯の360度カメラを、カメラの特徴・価格・性能などの情報と共にまとめてみました。
これから360度カメラを購入しようと思っている方、もしくは、今どんな360度カメラが発売されているのか、360度カメラのうちどのカメラが安いのかに興味のある方に、参考にして頂ければ幸いです。
【目次】
2017年9月に発売された、RICOH THETAシリーズのフラッグシップモデルがこのRICOH THETA Vです。
リコーは2013年に初代THETAを発売して以来360度カメラに投資を続けており、この分野における第一人者といっても過言ではない企業となっています。
そんなリコーのフラッグシップモデルであるTHETA Vは、カメラの性能はもちろん、スマホアプリやPCソフトの使い勝手においても、とても完成度の高い360度カメラです。
THETA Vでは、最大で5376×2688の解像度で静止画撮影が可能。発売から1年が経過していますが、まだまだ最新機と呼んでかまわないスペックです。
非常に高品質な写真の撮影が可能で、発色も綺麗です。
また、暗い場所での撮影も、360度カメラの中では得意な部類です。
以下の写真は、手持ち撮影のためオートで撮影しましたが、一脚などを使える状況であれば、HDR合成モードでさらに綺麗に撮影することができますよ。
アプリを使えばシャッタースピードやISO感度など、しっかりと設定をいじって撮影が可能です。
THETA Vは、静止画だけでなく動画撮影も超得意です。最大で4K 29.97fpsでの動画撮影、およびYouTubeなどへのライブストリーミングが可能となっています。
上の動画でおわかり頂けると思いますが、THETA Vは加速度センサーに加えてジャイロセンサーも搭載しているため、天頂補正と手ブレ補正の精度が非常に高いです。手持ちで動画を撮影しても、ブレのない綺麗な動画が撮影できます。
また、本体には4chマイクを内蔵しています。これによって立体的な音声記録を可能にしており、動画を再生した際の臨場感がかなり高まるようになりました。
以下の動画は空間音声のデモビデオです。ヘッドフォンやイヤホンに繋いで、視点を動かしながら観ていただくと、飛行機の音の方向性や臨場感を感じて頂けると思います。もしVRゴーグルをお持ちでしたら、VRで観ていただくと、かなり没入できますよ!
さらに、THETA VはAndroidベースのOSを搭載しており、プラグインと呼ばれるアプリのようなものを追加して、後から機能を増やすこともできてしまいます。このプラグイン機能については、以下の記事で詳しく説明しています。
・リコーシータの写真を簡単に管理。容量無制限にアップロードできるプラグイン「File cloud upload」
幅・厚みともに小さく、どこでもさっと取り出して撮影できるTHETA V。荷物がかさみがちな海外旅行に持っていっても全く問題ありませんでした。
抜群の安定感と性能の高さを誇るTHETA Vは、誰にでも自信をもってオススメできる名機です!
参考リンク:
・リコーシータ最新機種 THETA Vの静止画をTHETA SCと比較してみた
・【比較】RICOH THETA Z1情報まとめ!最新5特徴とは?
・【RICOH THETA SC2】シータSC2の最新使用レビュー公開!
・Insta360 One Xを使ってみた!開封、撮影からスティッチングまでの流れまとめ
上で紹介したRICOH THETA Vの弟分的存在が、このRICOH THETA SCです。より安価で軽い、入門者向けの廉価モデルであるといってよいでしょう。
静止画撮影における画質は、THETA VやTHETA Sといった兄弟機とほとんど変わらない点がポイント。非常に安価に、高画質な360度写真を撮ることのできるカメラです。
しかし、動画撮影においては、連続撮影時間が5分まで、4K撮影とライブストリーミングに非対応であるなど、THETA Vとの性能の開きが明白です。
静止画撮影のみに用途を絞るのであれば、抜群のコストパフォーマンスを誇る機種であるといえるでしょう。
参考リンク:
360度カメラ入門。リコーTheta SとSCの3つの違い。
2月25日に発表されたリコーシータシリーズの最新作がRICOH THETA Z1です。
「品質への追求」をテーマにシリーズ最高画質を実現したもので、最上位機種としての位置づけになっています。
静止画は約2300万画素相当のものが撮影可能。Z1はISO感度が80〜6400に対応しているほか、他段階の絞り機構を搭載し、F値をF2.1、F3.5、F5.6の3段階で設定することができます。
ダイナミックレンジが大幅に向上しているとのことで、明暗差のある場所でもシータV以上に綺麗なコンテンツを撮影することができるようになっています。
撮影した静止画は、RAW+JPEGでの保存も可能となっており、プロ向け360度カメラという印象が強いです。
またこれに合わせて、RAWのスティッチングに使うAdobe「Lightroom Classic CC」用プラグインが無償提供されるとのことです。
動画はシータVと同様、3840×1920(4K)@29.97fpsでの撮影が可能。
更に、内蔵された4chマイクによって上下6方向を含めた全方位の音声を記録することができるので、より臨場感のあるVRコンテンツの制作ができそうです。
カメラ本体に有機ELディスプレイを搭載しており、電池残量や撮影モードの確認がカメラ単体でできるのもポイント。これまで何度もシータVの急な電池切れに困らされてきた筆者にとって、このアップグレードはとても魅力的です。
また、シータVと同様Andoroidベースのシステムを採用しているので、ファームウェアアップデートによる機能拡張・性能向上や、プラグインによる機能拡張も予定しているとのこと。
リコーシータZ1は3月下旬に発売予定。
2月28日からはパシフィコ横浜で開催される展示会「CP+2019」のリコーイメージングブースにて先行展示されるので、興味のある方はぜひ触りに行ってみてはいかがでしょうか。
360度カメラブームの火付け役である、THETAシリーズの最も代表的な機種がTHETA Sです。2015年に発売され、爆発的にヒットしました。
もともと入門機として発売されたのがTHETA Sなのですが、THETA SCの登場によって存在感が薄れてきているのがこのTHETA Sです。
静止画の撮影機能はTHETA SCと全く変わりがなく、動画も25分までの撮影が可能ではあるものの、解像度はTHETA SCと同じフルHDと、なんとも微妙な立ち位置にいます。
今後は、高級機のTHETA Vと、入門機のTHETA SCの2つに絞っての商品展開になることが予想されますので、その意味でもこれから新品で買うべき機種ではないように感じます。
参考リンク:
【2018年最新】プロによる360°カメラRICOH THETAシリーズの比較と使い方
360度カメラ入門。リコーTheta SとSCの3つの違い。
シータSはこれから生産されなくなる?
THETA m15は、2014年に発売されたTHETAシリーズの2代目機種です。カジュアルな見た目と手に入れやすい価格で、360度カメラの普及に一役買った1台といえます。
ただ、カラフルな見た目がかわいいカメラではありますが、何世代も前の機種とだけあってスペックは高くありません。
例えば、4Kは超えていないとイマイチになりがちな360度動画において、フルHDかつ15fpsでの撮影しかできないなど、明らかにスペック不足を感じてしまいます。
ただ、新品が1万円台で入手できる360度カメラは貴重ではあります。興味はあるけど、何万円も出せない、ちょっとお試しで360度カメラを使ってみたいという方には(あまりおすすめはできませんが)向いている機種なのかもしれません。
上で紹介したTHETAシリーズと並んで人気なのが、AndroidスマホのGalaxyシリーズで有名なサムスンが発売する、Gear 360シリーズです。
Gear 360には2種類あり、こけしのような形をしたこのモデルは、2017年6月に発売された最新モデルとなっています。2016年モデルでは対応していなかったiOSに対応したことで、iPhoneユーザーの多い日本でも売り上げを伸ばしています。
カメラ性能はカメラメーカーに引けを取らない高レベルな出来となっています。
静止画撮影においては、HDR機能によって、暗い場所や逆光でも、5472×2736という高解像度な写真を撮ることができます。
また、動画撮影においても、4K動画を24fpsで撮影することが可能。256GBまでのマイクロSDカードが使えるので、4K動画も容量を気にすることなく撮影できますね。FacebookやYouTubeでのライブストリーミングにも対応しています。
参考リンク:
新型Gear 360を一足早く入手してみた! ー 旧モデルとの比較、スマホ接続方法のまとめなど
Gear 360を使ってFacebookやYouTubeで360°動画をライブストリーミングする方法
IP53の防水防塵にも対応しているので、野外に持ち出すときも安心です。撮影した360度写真や動画をシェアする方法も豊富に用意されていて、事業者向けというよりも、若者などアクティブな一般層に向けた商品かもしれません。
このGear 360は、2016年に発売された旧型のGear 360です。この2016年モデルは、iOSに対応しておらず、GalaxyS6以降のサムスン製Androidスマホでしか使えない点に注意が必要です。
2016年と2017年モデルは、開発コンセプトがそもそも異なっていると思われる部分も多くあり、用途によっては2016年モデルを購入した方が良いと思われます。
結論から述べると、Androidユーザーで、長時間の動画撮影を行う予定の方には、2017年モデルよりも2016年モデルを検討することを、個人的にはオススメします。
2016年モデルは、2017年モデルと違い、バッテリーの交換が可能です。360度カメラは、動画撮影時にどうしても発熱してしまうため、充電しながら長時間の撮影を行うことは難しいです。また、仮に熱の問題がなかったとしても、充電ケーブルが映り込んでしまうことを考えると、あまり理想的とはいえません。これらの点を、バッテリー交換によってクリアできます。
カメラ性能も、2017年モデルと遜色ありません。静止画は、7776×3888という高解像度で撮影が可能。動画も3840×1920の4K解像度で撮影が可能で、しかも24fpsの2017年モデルに対して、2016年モデルは30fpsでの撮影が可能となっています。
発売時、2017年モデルが約3万円、2016年モデルが4万円台後半だったことをふまえると、サムスンは、「より廉価な普及版」というコンセプトで2017年モデルを開発したと考えられるのではないでしょうか。
そう考えれば、新型発売後、価格のこなれてきた2016年モデルは、今が狙い目なのかもしれません。
Insta360 One Xは、Shenzhen Arashi Vision(シンセンアラシビジョン)が発売する360度カメラシリーズの、一般消費者向け最新機種です。
アラシビジョンは、2014年に設立された中国のVRベンチャー。スタートアップならではのスピード感で次々に新商品を発売し、今や360度カメラ業界を牽引する存在となっています。
そんなアラシビジョンが今年の10月10日に発売したばかりの新型360度カメラが、このInsta360 One Xです。
360度カメラ、かつ新たなアクションカメラとして売り出されたOne Xは、他の360度カメラにない特徴をいくつも兼ね備えています。
まず最初に挙げられるのが、強力な手ぶれ補正です。Insta360シリーズには、独自の手ブレ補正機能「FlowState」が搭載されているのですが、これが本当にすごいのです。
上の動画は、アラシビジョンがアップしたFlowStateのデモ動画。かなり激しい動きがあっても綺麗な動画に仕上がっていることがわかって頂けると思います。
また上の動画の中の、スケートボードの部分でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、自撮り棒を消す機能も搭載しています。公式アクセサリの3m自撮り棒を使って上空から撮影すれば、ドローンで撮影したかのような映像も撮影できてしまいます。
更に、カメラ自体をぶん投げてダイナミックな映像を撮影するという荒業ができることも話題になりました。ドリフターと呼ばれるアクセサリにカメラを入れて放り投げると、CGみたいな映像が撮れてしまうのです。
言葉で説明するのはとっても難しいので、以下の動画をご覧ください。
画質も、一般消費者が手に入れられる価格帯のカメラの中では最高レベル。最大で5.7K(5760×280)での動画撮影が可能で、ここまで来てしまうとプレイヤーの性能が追いついてこないくらいかもしれません。
One Xは、360度カメラとして使うだけでなく、撮影した映像からほしい部分だけを切り抜き、普通の(360度ではない)動画を仕上げられることも特徴なのですが、それもこれだけの解像度があるからできること。元の解像度が低ければ、切り抜いた映像はボケボケのものになってしまいますもんね。
また、従来の世代の機種では4Kで動画を撮影した際30fpsとなってしまいますが、One Xは4K動画を50fpsで撮影できるのも大きなポイント。
360度カメラを、更に一つ上のステージへと押し上げた、まさにゲームチェンジャー。360度カメラの普及を後押しする一台になる予感がします。
Insta360 Oneは、Insta360 One Xの下位機種にあたるカメラ。
Insta360シリーズの一番の特徴は、直接スマホやタブレットに接続して使えるという点です。上で紹介した、一般的な360度カメラのように、独立して使用することもできますが、スマホに接続して使うことで、写真をカメラ本体からスマホに転送するといった手間を省き、撮影後すぐにSNSでシェアするといったことを実現しています。
筆者も実際にInsta360 Oneを使いましたが、スマホにカメラを直挿しした瞬間に自動でアプリが起動するというのは大変便利でした。一般的な360度カメラのような、カメラ側の電源を入れ、スマホに接続して、撮影後は転送して…というような手間が、全て省けてしまいます。
カメラの性能も非常に高いです。
静止画撮影での解像度は6912×3456と、7K相当の撮影ができます。使ってみたところ、THETAやGearに比べ、スティッチングにやや難があるように感じましたが、今後アプリのアップデートで改善されてゆくことでしょう。
また、動画は4Kを30fpsで撮影可能。ライブストリーミングにも対応しています。
これに加えて、このInsta360 Oneでは、360度カメラとしては珍しくスローモーション動画の撮影も可能。さらに、このスローモーション機能を活かして、映画「マトリックス」のワンシーンのような、バレットタイム撮影もできてしまいます。
ちなみに、発売当初はLightning端子をもつiOS端末にしか対応していませんでしたが、現在はAndroid用のアダプターが販売されており、自分の端末に合ったアダプターを購入すればAndroid端末でも使うことができるようです。
SNSへの投稿もアプリから簡単にできるようになっていて、流行に敏感な、比較的若い人たちに向けた商品であるような印象を受けました。ワンランク上の写真や動画をアップして、注目を浴びてみてはいかがでしょうか。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
Insta360 Nanoは、ハコスコから発売されているiPhone専用の360度カメラです。上で紹介したInsta360 Oneと同じように、iPhoneに直接接続して使用します。
静止画、動画ともに解像度は3040×1520となっており、他のカメラに比べるとやや劣るものの、必要十分な画質といえるでしょう。
その形状から、三脚や一脚の雲台に設置することは難しく、基本的にスマホに着けるか手で持っての撮影となります。よって、記録用など、プロが使うカメラとしては、選択肢に挙がってくることはないと思います。
一方で、iPhoneユーザーが個人で手軽に360度写真を撮ってシェアしたいという場合には、Nanoが選択肢に入ってくるでしょう。手軽に持ち運んでパシャパシャと撮るのに適した大きさと重さで、女性も安心して使うことができそうです。
Insta360 Nano Sは、上で紹介したInsta360 Nanoの上位機種です。
見た目はNanoとほとんど変わらず、機能にも特別変わりはありません。
静止画撮影は6272×3136の解像度、動画は4K 30fpsの撮影に対応と、大幅にカメラ性能が向上しています。
360度カメラは4Kかつ30fpsでの動画撮影が標準となりつつありますが、おそらくNano Sは、4K撮影できるカメラの中で最も小型かつ軽量(66g)なものでしょう。
また、スマホに直挿しするという性質上、動画の転送時間を待つ必要がほとんどありません。
気軽に4K動画を撮れ、更に編集もすぐにできてしまうという点が、Nano Sの他の360度カメラにはない特徴であるといえます。
Insta360 Airは、Insta360シリーズの中で最も安価で小さく軽い、エントリーモデルの360度カメラです。
これまでに紹介したInsta360シリーズは、どれもバッテリーを搭載しており、スマホに接続せず単体での使用も可能でした。しかし、このAirはバッテリーがないため、スマホに接続しての使用しかできません。
それゆえに、充電が全く要らない、長く撮影を続けていても熱くならないというようなメリットが多数あります。
単体で使えないのは不便なこともあるかもしれませんが、メリットを享受することの方が多そうです。
重量はミニカイロと同じ位の26.5gで、持ち運ぶ際に重さを感じることは全くありません。充電も要らないので、カバンに放り込んでおけば、必要なときにさっと取り出して使うことができそうです。
KanDao QooCam(クーカム)は、中国のスタートアップKanDaoの発売する360度カメラ。今年の夏に発売が開始したばかりの新型です。
QooCamの一番の特徴は、3D撮影が可能であるということ。プロ用カメラならともかく、この価格帯のカメラで3D撮影ができるというのはかなり珍しいです。
本体にはレンズが3つついており、画像のように90度に折り曲げて撮影することで3D 180度撮影が行なえるようになっています。
2つのレンズを使って視差を利用した3D映像を撮影するので、出来上がりはかなり本格的。VRグラスやゴーグルをお持ちの方は、以下の公式動画で3Dをぜひ試してみて下さい。
360度パノラマを撮影する際は、THETAなど一般的なカメラのように、伸ばしたままで撮影します。360度で解像度は3840×1920(4K)と、この世代のカメラとしては一般的ですが、すごいのはフレームレート。4K 60fpsでの撮影が可能です。
金属製で耐久性にも優れていそうですし、動きのある動画を撮影するのに向いているのかもしれません。
上で紹介したInsta360シリーズも、このKanDaoと同じ、中国深センを拠点とするメーカーによるものなわけですが、本当に中国のスタートアップは面白い製品を出してきますね。
ELECOM OMNI shotは、日本のコンピューター周辺機器メーカーのエレコムが2017年12月に発売した360度カメラです。
特筆すべきはその重量でしょうか。約76gというのは、単体で使うことを前提とした360度カメラとしては非常に軽い部類に入ります。
静止画は解像度7008×3504、動画は4K 30fpsと、昨今のトレンドを抑えた作りです。ライブストリーミングもできて、IPX4の生活防水にも対応とのことで、ある程度安心して使うことができそうです。
このOMNI shotを使って撮影された写真・動画をチェックしていて筆者が気になったのは、スティッチングの粗さです。特にレンズに近い被写体の処理は苦手なようで、この動画では特に顕著です。
また、バッテリーなどハード面にも問題があるようで、上で紹介した歴史のあるシリーズに比べるとまだまだ発展途上のカメラであるといえるでしょう。
個人的にはこの軽さは大きな魅力だと思うので、今後の改善に期待したいところです。
Giroptic iOはフランスGiroptic社製の360度カメラです。無骨なデザインのものが多い中で、珍しく可愛くてお洒落なカメラです。
上で紹介したInsta360 Airのように、直接スマホに接続して使用するのが特徴となっています。
日本国内でもソフトバンクから発売されていましたが、残念ながら2018年3月にGiroptic社は倒産してしまいました。今後のサポートは期待できないため、よほどデザインが気に入ったのでなければ、今から買うことはオススメできません。
言わずとしれたアクションカムの老舗、GoProから、2018年4月に満を持して国内発売されたのがGoPro Fusionです。
特筆すべきは動画撮影においての機能。4K 30fpsが一般的な昨今の360度カメラの中で、GoPro Fusionは5K 30fpsを実現しました。よりシャープな写りが期待できます。
THETA Vと同じく、4chマイクが内蔵されており、360度音声での録画が可能となっています。これにより、音声の立体的な臨場感を動画視聴時に感じることができます。
さらに、手ブレ補正機能、水深5mまでの防水性能にも対応。GoProが培ってきた技術を余すことなく活かした作りの360度カメラとなっています。
THETAやInsta360といったライバル機種に比べ、価格は記事執筆時で88,000円とかなり強気なものになっていますが、その性能は間違いなしです。レジャーシーンでガシガシ使いたい人には、強くオススメしたい一台です。
2016年10月にニコンから発売されたこのKeyMisson 360も、上で紹介したGoPro Fusionと同じくアクションカムの360度カメラです。
水深30mまでの水中、防塵、耐寒、耐衝撃性能も備えており、おそらく今ある消費者向けの360度カメラの中では、最もタフなカメラであるといえるでしょう。
ほとんどがレンズを占めている形状上、手持ちで撮影しようとするとかなり映り込んでしまうため、対応のマウントを使うなりしてうまく対処する必要があります。
マリンスポーツなど、過酷な環境下での動画撮影に用途を絞り、撮影方法も考えた上で運用すれば、その性能を余すことなく活かすことができそうです。
Kodak 4KVR360は、見た目もコンセプトも上で紹介したKeyMission 360と似通ったカメラです。
こちらも、手で持っての撮影は映り込みが起こってしまうため難しく、マウント等を利用しての撮影が必要となります。予め用途を決めた上で選ぶカメラといえます。
さすがKodak製だけあって、ハード面の完成度は高いようです。トレンドの4K動画撮影もきちんと抑えていますし、防塵・耐衝撃・防水に関しても、KeyMisson 360ほどではないものの、アクションカムとして安心できる基準は満たしています。
一方で、ソフト面は改善の余地があるようです。アプリの出来が悪く使い方がわかりづらい、撮影後の編集に手間がかかるといったレビューが多く見受けられました。
KeyMission 360と比べて大きな性能差は無いにも関わらず、価格は倍近くします。Kodakブランドによほどのこだわりがないのであれば、オススメはし難い商品であると、個人的には思います。
ちなみに、4KVR360はKeyMission 360に比べ付属品が充実しており、簡易的なカメラアーム兼三脚やシャッターリモコンも付いてくるそうです。だとしても、ちょっと高い…。
GARMIN(ガーミン)というとあまり聞き慣れないメーカー名ですが、GPS機器や自動車、航空機関連の製品を開発しているアメリカの企業です。
これまでに紹介したアクションカムと異なるのは、搭載されたセンサーの多さです。GPS、高度計、気圧高度計、加速度計、コンパスなどがカメラに内蔵されており、動画を撮影した際、それらの情報が自動的に紐付けられます。
スマホやPCのアプリから動画編集をする際に、それらの情報を映像にかぶせて表示(オーバーレイ表示)させることが可能で、これによってひと味違う映像制作が可能になっているのです。
オーバーレイ表示できる内容は、スピード、距離、標高、重力、勾配、ラップ時間などなど。スポーツ系の撮影をする人にとっては、大変面白い機能なのではないでしょうか。サイクリストだけでなく、車載動画を撮影する人にもおすすめです。
360fly HDは、アメリカの企業360flyの販売する360度カメラです。
360度カメラといっても、正確には全天球カメラというわけではなく、水平360度及び垂直240度の撮影が可能なカメラとなっています。その点で、これまでに紹介してきたものとは少し異なった製品となっています。
イメージを見て頂ければわかる通り、レンズは1枚のみ。THETAなどの一般的な360度カメラは、180度を撮影可能なレンズを2枚使って撮影し、後に2枚のイメージを繋げることで360度の写真としているのですが、360flyの場合その処理が行われないため、つなぎ目のない綺麗な写真/動画を撮影することが可能です。
360fly HDは、360flyシリーズの中でもエントリーモデルに位置づけられる製品です。静止画撮影が不可能となっており、動画専用のカメラとなっています。
防水、防塵、耐衝撃、耐低温性能も備えているので、レジャーシーンでアクションカムのように使うことが想定された製品です。
360fly 4Kは、上で紹介した360fly HDの高機能版です。静止画撮影が可能となっている他、防水機能が10mまで対応していたり、メモリ容量が増えていたりと、様々な点がアップグレードされています。
もちろんカメラの性能も大幅に向上しており、その名の通り4K相当の映像が撮影可能となっています。
価格は廉価版の360fly HDとおよそ1万円しか変わりません。360度動画は基本的に4K画質でないと見栄えが悪くなってしまうことを考えると、静止画の撮影も可能なこちらの機種をオススメしたいと思います。
記事のテーマとはちょっと異なってしまうハイエンド360度カメラですが、「こんなカメラもあるよ!」というのをお伝えするために番外編としてInsta360 Pro2をご紹介します。
Insta360 Pro2は、その名の通りプロ向けの360度カメラ。6つの魚眼レンズを搭載しており、SFチックな見た目が印象的ですね。
上でご紹介した、Insta360 One Xなどを発売しているシンセンアラシビジョンが今年の10月に発売したばかりの最新カメラです。
一般消費者向けのものと比べて異なるポイントは多々あるのですが、一番すごさが伝わりやすいのはその解像度でしょうか。静止画は最大で7680×3840(8K)、動画も7680×3840 @60fps(8K)の撮影が可能となっています。
(左)RICOH THETA V、(右)Insta360 Pro2。どちらもHDRで撮影。360度写真から一部を切り取っても、ボケることがありません。
また、上で紹介したカメラにはない3D撮影機能もあります。静止画と動画どちらでも、Pro2を使うことで奥行きのあるコンテンツの制作が可能です。
さらに、Oneシリーズでお馴染みの手ブレ補正FlowStateももちろん搭載しています。動きのある動画もOK。
Pro2を購入すると、1km先からほぼリアルタイム、かつ1080pでのプレビューのできるFarSightモニタリングシステムもついてきます。これまで、撮影者が映り込むという課題を抱えていた360度カメラですが、このシステムがあれば安心です。
上のアラシビジョンによる動画で、機能が詳しく紹介されていますので、興味がある方は是非見てみてくださいね。
また、本メディアで今後ドシドシとPro2関連の記事を発信してゆく予定です。以下の参考リンクも併せてどうぞ。
参考:
【Insta360 Pro2】開封レビュー!これで使用準備は完ペキ!
いかがでしたでしょうか?
全天球360度カメラで撮影した画像はVRの制作に使うこともできます。
気軽に撮影した写真がVRになるなんて面白いですね。
SNSではYoutubeやFacebook、Instagramなどが360度画像の配信に対応しています。
詳しくは最先端のSNS映え!FacebookとInstagramに360度写真を投稿をご覧ください。