2018年10月10日に発売された、Shenzhen Arashi Vision社のInsta360シリーズ最新作「Insta360 One X」。
専用ケースに入れたカメラ自体をぶん投げる撮影方法「ドリフトダーツ」は、ネット上で大きな話題を呼びました。
この記事では、Insta360 One Xの開封レビューに加えて、Insta360 One Xとスマホの接続方法や、撮影したコンテンツの編集方法まで、使い方を流れに沿ってわかりやすく解説します。
Insta360 One Xの使い方や編集方法、撮影方法に悩んでいる方はぜひチェックしてください。
Insta360 One Xは、2018年10月10日に発売された、中国の360度カメラメーカーShenzhen Arashi Vision社の360度カメラです。
シータVのような一般的な360度カメラと比べると、より動画の撮影に重点を置いた設計が特徴となっていて、アクションカムとしての位置づけで売り出されています。
一番の特徴は強力な手ぶれ補正。
Insta360シリーズ独自の強力手ブレ補正FlowStateが搭載されており、数メートルある自撮り棒の先端に取り付けて撮影しても、全くブレのない映像が撮れてしまいます。
手ブレ補正効果オン/オフ時の比較動画が以下のものになるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
Insta360 One Xについては、以下の記事で詳細に解説しているので、更に知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
参考リンク:
ほぼプロ仕様!5.7K撮影ができるInsta360 One X、2つの魅力を紹介
まずは簡単に開封レビューから。
箱はシータとは違い、外から中身が見えるブリスターパック。
レンズに保護シールなどは特に貼ってありませんが、しっかり固定されて収まっています。
箱を開けるとInsta360 One Xとご対面。マットな質感が素晴らしく、思った以上に高級感があります。
レンズ、液晶、ボタン×2と、◯が上から4つ並んでいるデザインがとても印象的ですね。
付属品は以下の通りです。
・カメラ保護用ポーチ
・バッテリー×1
・本体接続コネクタ(iPhone用、Android用: MicroUSB/Type-C)
・充電USBケーブル(MicroUSB)
・クイックスタートガイド、保証書
・バレットタイム用の金具と紐
・Insta360 オリジナルステッカー×2
光が反射してしまい見づらくなっていますが、パウチ袋に入っているのがバレットタイム用の金具と紐です。
付属のバッテリーは本体側面に、
MicroSDカード(別売りなので注意)は本体の底面に挿入して使います。底面にはネジ穴がしっかりついているので、一脚や自撮り棒ももちろん使えます。
充電やファイルの転送に使うUSB端子は、バッテリーの逆サイドについています。MicroUSB端子。
ちなみにですが、付属していた保護用ポーチはかなり出来が良いです。生地に厚みがあり、しっかり本体を守ってくれます。
ストラップがついているのも嬉しいところ。首にぶら下げておけば、旅行先で大活躍してくれそうです!
それでは、基本的な使い方について紹介します。
One Xについているボタンは、大きなボタンと小さなボタンのたったの2つ。
ボタン(小)を長押しすると、カメラがの電源がONになります。立ち上がりはものすごく早いです。
カメラ本体側の操作方法を簡単にまとめると、
・ボタン(大)は、ワンクリックでは撮影ボタン、もしくは設定画面などでは決定ボタン。長押しすると、撮影モードの変更ボタンとして機能します。
例えば、静止画撮影モードのときに長押しすると、HDR撮影やインターバル撮影に移行できます。
・ボタン(小)は、ワンクリックではメニュー選択ボタン。静止画撮影→動画撮影→設定の3つのメニューを選べます。長押しすると、電源のON/OFFボタンです。
このようになります。
文章だとちょっと伝わりづらいかもしれませんが、何分か触っていればすぐに操作には慣れるかと思います。液晶もついていますし、使い方で戸惑うことは少ないでしょう。
カメラはもちろん単体でも使えますが、せっかくなのでまずはスマホに接続して使ってみることにします。
Insta360 One Xをスマホに接続する方法は2つあります。
1つ目は付属のケーブルを使って有線で繋ぐ方法、2つ目はシータのようにWi-Fiで繋ぐ方法です。
どちらの方法で接続するにも、まずはアプリが必要なのでインストールしましょう。
入手時のファームウェアのバージョンによって、無線接続ができないバグが発生することがあります。
まずは有線でつなぎ、アプリ右下の[設定]→[Insta360について]→[ファームウェアバージョン]からファームウェアのアップデートをしましょう。
※初めて有線で繋ぐ際、Androidユーザーの方は、カメラ本体の[設定]からUSBをAndroidに変更する必要があるので注意してください。iOSユーザーの方は、何も設定を変更する必要はありません。
ファームウェアがアップデートできたら、Wi-Fiで接続してみましょう。
Wi-Fi接続の際、シータは本体底面にパスワードが書いてありますが、One Xではカメラ本体から操作を行って液晶にパスワードを表示させる必要がある点に注意が必要です。
アプリの案内がとても丁寧なので、これに従えばつまづくこともないかと思われます。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
上でも触れましたが、スマホとカメラを接続しなくても、カメラ単体で撮影することもできます。
ただ、スマホに接続していると、撮影モードについて細かく設定することができるので、こだわりのある場合にはアプリ側から撮影操作を行うとよいでしょう。
以下が、撮影プレビューしているアプリのスクリーンショットです。
ライブストリーミング配信もアプリを通してしかできないようになっています。
プレビュー画質は若干粗く見えますが、遅延も少なく必要十分なものが確認できるようになっています。
Insta360シリーズで撮影された静止画・動画は、それぞれinsp、insvという独自の形式で保存されます。
そのままでもInsta360のスマホアプリやPCプレイヤーで再生することは可能ですが、他の人と共有したり、一般的なプレイヤーで再生したりできる形式(jpg/mp4)にするには、以下の手順を踏む必要があります。
スマホでもPCでも基本的に同じように行なえますが、スマホの場合だと5.7Kの360度動画を出力することはできないため注意が必要です。
まずは、スマホのみで運用する方向けに、スマホに取り込んでスティッチングまでを行う方法を説明します。
スマホに静止画・動画を取り込む方法も、撮影の時と同様、付属のケーブルを使って有線で繋ぐ方法、2つ目はシータのようにWi-Fiで繋ぐ方法の2つがあります。
どちらの方法でも同じようにスマホに取り込むことはできますが、特に5.7Kの動画を撮影している場合、無線では転送には時間がかかりますし、カメラとスマホのバッテリーを消耗します。
下の画像を見て頂ければわかる通り、たった8秒の動画でも、5.7Kの場合120MBもあります…。
無線転送は静止画のみに使って、動画転送の際は付属のケーブルを使うことが望ましいでしょう。
スマホアプリの画面は以下のようなイメージです。
選択した被写体を自動追跡する「スマートトラック機能」や、撮影した動画の中から自動で好みの視点へ切り替えられる「ピボットポイント機能」などの機能を使って、通常のカメラでは撮れないような、面白い映像を簡単に作り出すことが可能です。
書き出しの際には、上のような機能を使って2D動画を切り抜くか、もしくは撮ったままの360度のものを書き出すかを選択できます。
また、結局はmp4に書き出してからにはなりますが、この画面からそのままSNSに投稿することもできます。
前述しましたが、スマホでは5.7Kの動画をそのまま360度動画として書き出すことはできないため、4K画質での書き出しとなってしまいます。画質を落とさずにmp4に書き出したい場合はPCを使いましょう。
書き出しには、ハイエンドスマホでもかなりの時間がかかります。
例えば、筆者のGalaxy S8で1分程度の2D動画を切り出すのに、およそ5分ほどかかりました。忍耐が必要です。
また、できあがった動画の右下には以下のようなロゴが入ってしまう点にも、注意が必要です。
設定でロゴのオンオフが変えられれればいいのですが、おそらく現時点ではその機能はないようです。
続いて、PCでの取り込み・編集の流れです。
処理速度などの関係で、筆者はPCで処理するほうが概して使いやすいように思いました。
microSDを直接差し込むか、付属のケーブルでInsta360 One Xをパソコンに接続してファイルをコピーします。
ファイルはmicroSDの[DCIM]→[Camera01]内に保存されています。
編集やスティッチングの作業には、360度編集ソフトウェア、Insta360 STUDIO for ONE X(現在はベータ版です)を使います。
公式サイトからダウンロードが可能です。
取り込んだファイルを左の作業領域にドラッグ・アンド・ドロップすると、このようにソフト上で編集できるようになります。
静止画の場合は以下のような形。
動画の場合は以下のように表示されます。
全画面でのプレビュー表示も可能。さすが5.7K、非常に鮮明に映っていますね。
この画面で、右側のタブ内で、スタビライズやスティッチングについての設定を済ませた後、上の方にある黄色い出力ボタンをクリックすることで書き出しができます。
出力の際には、解像度やビットレート、出力先の指定などが可能です。
この書き出しも、やはり時間はとてもかかります。マシンのスペックに依存するので一概に何分とは言えませんが、可能ならVR Ready相当の高性能なPCで書き出すことをおすすめします。
いかがだったでしょうか。
撮影から仕上げまでのプロセスがやや複雑になっているInsta360 One Xですが、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
アイディア次第で、本当にどんな動画でも撮影できてしまうInsta360 One X。ぜひ使いこなしてみて下さいね!