(2017年9月23日内容を一部更新しました)
(2020年3月25日内容を一部更新しました)
かんたんに操作できる360度カメラの代表的な機種であるリコーシータシリーズ。スマホのRICOH THETAアプリは遠隔操作するために必要なので、ほぼ全てのユーザーがインストールして利用していると思いますが、PC版のRICOH THETAの基本アプリ(以下、「PC版アプリ」)は、撮影するために必須ではありませんので、意外とインストールしていない人も多いのではないでしょうか。
実はPC版アプリにはとても重要で、使える機能がついています。それはファームウェアアップデートです。
ファームウェアとは、一般的に、電子機器に組み込まれたコンピュータシステムを制御するためのソフトウェアのことを言います。
要するにリコーシータを動かすために、カメラの中に組み込まれているソフトウェアのことです。
ファームウェアをアップデートすることによって、アプリでの操作によるバグが無くなったり、新しい機能を追加することができます。
例えば、明暗差(ダイナミックレンジ)の広い環境で活躍するHDR合成は、2016年1月のファームウェアのバージョンアップにより搭載されました。最近でも「HDR合成で撮影しようとしたら、撮影できずDR補正になってしまう」というユーザーの方がいましたが、1年以上前にリコーシータSを購入していて一度もファームウェアアップデートをしていない場合はそうなってしまいます。
リコーシータの公式ページの中にある、ダウンロードページから、お使いのシータのパソコン用アプリケーション欄にある基本アプリをダウンロードし、PCにインストールしましょう。
PC版基本アプリを開くと、以下のようなウィンドウが開きます。
ファームウェアアップデートは、画面上部にあるメニューバーの「ファイル」の中に「ファームウェアアップデート」という項目があるので、そちらをクリックします。
リコーシータをUSBでPCに接続した状態で、実行することができます。
※接続に利用するUSBケーブルは、シータ純正のものか、データ送信が可能なものをご利用ください。
上記のHDR合成の他にも色々な機能がこれまで追加されてきていますが、2017年9月15日には大幅なアップデートが行われ、以下の機能がシータSCに搭載されました。
-インターバル合成撮影
-マイセッティング
-色温度指定撮影
ーマルチブラケット機能
機能について細かい説明はここでは省略しますが、ざっくりと以下のような内容になります。
インターバル合成撮影とは、連続撮影した画像の明るい部分を残すように合成する機能で、三脚などで固定した夜景撮影で、星や月の光跡を記録したいときなどに使用します。
マイセッティングとは、スマホから設定した撮影条件をカメラ本体に記憶する機能です。
色温度指定撮影とは、ホワイトバランスの調整をするときに、蛍光灯とか太陽光とかではなく、ケルビンで指定できる機能です。
マルチブラケットとは、シャッタースピード、ISO、ホワイトバランスを1枚ずつ任意に設定し、最後にスマホアプリ画面上のレリーズボタンを押すと自動で順番に撮影される機能です。
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写真:シータSとシータSC
2017年9月15日のアップデートで追加された、インターバル合成撮影、マイセッティング、色温度指定撮影、マルチブラケット撮影の機能は、これまでシータSのみで使える機能であり、シータSCでは使えない機能でした。
これによって静止画の撮影機能が、SとSCで機能差が完全になくなりましたので、今後はハイスペック板のシータVと入門機のシータSCの2本立てで行くということかと思われます。
リコーシータ公式ページのアプリダウンロードページなど、リコーシータSの存在感は薄れてきています。
個人的にはシータSのマットなラバーの質感が高級感があり、持つときにも滑りにくくてよかったのですが。
カメラの最新の機能を利用するために、ファームウェアを最新に保っておくことはとても重要なことです。ぜひPC版基本アプリをインストールし、お手持ちのリコーシータのファームウェアアップデートをすることをお勧めします。
一方でメーカー側に期待したいこととしては、スマホアプリの方でファームウェアアップデートができるようになることでしょうか。そうすると使い勝手が良くなるだけでなく、ファームウェアバージョンアップの認知度も高まると思われます。
参考リンク:
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