この記事では、RICOH THETAシリーズの最新モデルRICOH THETA SC2について旧モデルのTHETA SCやTHETA Vと比較しながら、スペック等の解説をしています。SC2は2019年12月13日に発売されました。SC2はエントリーモデルのSCを大幅にアップデートして、手軽にかつ使いやすい「綺麗・簡単・小型/軽量を実現したエントリー360°カメラ」となっています。
発売されて早速、箱から確認してみましたが、SCと比べても大きな変更はありませんでした。
SC2本体はちょっとテカテカしていて、プラスチックのような肌触りです。
RICOH THETA SC2には、有機ELディスプレイが搭載されており、スマートフォンに接続しなくても電池残量目安やWifi接続状態、現在の撮影モードを確認することができるようになりました。SCやVではカメラ本体のランプが光るのみで特に電池の残量はわかりにくいかったので、改善しているといえます。
また、側面にはセルフタイマーボタンが追加されました。
セルフタイマーボタンを押すとセルフタイマーのセット/解除をすることができます。セルフタイマーボタンも従来モデルのVとSCにはなかったボタンです。
RICOH THETA SC2は、AUTOでうまく撮影ができない条件でもかんたん・キレイに撮影ができるように「プリセットモード」が搭載されています。プリセットモードには以下の3種類があります。
顔モードでは、顔を検出して「明るく、キレイ」に見せてくれます。シータのレンズのどちらかの中央寄りに映ったほうが顔の修正がうまくできやすいようです。検出可能な最大距離も1m程度なので、あまり遠いと修正できません。なお、検出可能人数は8名程度です。
端的に言うと、カメラの近くでレンズの中央寄りに写り、かつ人数が多くない状況であれば、顔モードで修正がされます。
夜景モードは、3脚または1脚の利用が前提となっている機能です。低ノイズで撮影するためのプリセットで、画像処理は「ノイズ低減」+「DR補正」+「顔検出」の機能の掛け合わせとなっています。
従来、THETA Vなどで撮影をしてもどうしても夜景はノイズが多くなってしまいがちでした。SC2で夜景モードが誕生したことでノイズがより少なく撮影できるようになることが期待できます。
車は、車内と車外で非常に大きな明暗差があります。「車窓モード」は大きな明暗差がある場合に、2つのカメラレンズで自動露出とオートホワイトバランスを独立して調整する機能です。暗い車内を明るくして、明るい屋外は白飛びしないように調整することができます。車だけでなく、不動産物件の撮影などにも応用できそうな技術です。
SC2では、水中撮影専用のホワイトバランス設定が追加されています。適用可能範囲は約5〜10mです。
<注意事項>
・水深20〜30mや被写体が遠く離れている場合は補正不能
・ホワイトバランス設定を変更するには、スマホの基本アプリが必要
・動画、静止画それぞれのマイセッティングを「WB:水中」に事前にアプリで設定する必要あり
・水中撮影には専用の水中RICOH THETA 水中ハウジングケース TW-1が必要
水中撮影時には通常とは光の見え方が変わってきます。SC2ではより水中での撮影に適したホワイトバランスに自動で調整することが可能になります。シュノーケリングやダイビングなどでTHETAを使う方にはおすすめの機能です。
「HDRアルゴリズムの改良」と言うと、少し難しいような印象を受けますが、HDRモードで撮影した時にTHETA SCと比較して、よりキレイな画像が撮れるようになったということです。
以下はSC2とSCで同じ地点から撮影して、360度画像の一部を切り抜いたものです。
色味や物の境界線などがSC2のほうがハッキリしていることがよくわかります。上の写真では床に近い部分などで特に変化がわかりやすいです。
動画データの転送速度はSCと比べて約4倍となっています。またTHETA Vと比べてもSC2のほうが動画の転送速度は早くなっています。
一方で、静止画の転送速度は1枚あたりで以下のような比較になっています。
THETA SC:17.2秒
THETA V:5.6秒
THETA SC2:13.3秒
やはりTHETA Vのほうが価格が高い分、静止画の転送速度は早いままです。
ただし、SCと比べるとSC2のほうが転送速度は約25%程度早くなっています。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
SC2では、Bluetooth接続ができるようになりました。SCはWifiで接続するしかなく、THETAで撮影中にはインターネットへの接続がなくなってしまっていました。
Bluetoothに接続できるようになったことで、インターネット接続を保ったまま、THETAで撮影できるようになりました。
例えば、撮影後に写真データをクラウドにアップロードする際にもわざわざWifiを切り替えることなく、アップロードする事が可能です。
<注意点>
Bluetoothで接続する場合には、まずWifiで接続後に設定タブ内にある「カメラBluetooth設定」でBluetoothの設定を行います。以降は撮影時に「Bluetoothで接続」をタップすると接続がされるようになります。
またBluetooth撮影時には、Wifi接続時のように撮影プレビューが見られなくなります。
撮影時にプレビューを確認したければ、Wifiでの接続をおすすめします。
カメラの正面に小さいですが、有機ELディスプレイがついており、Wifiで接続されているかBluetoothで接続されているか、また電池の残量もおおよそわかるようになっています。
Z1以外のモデルは、電源ランプの色で電池の残量を把握するしかなかったので、これは便利になっていると言えるでしょう。欲を言えば、Z1のように%表示をしてもらえるとさらにわかりやすいですね。
最後に、THETA SC2とTHETA SCの主な違いを表にまとめてみました。やはり価格差の分、SC2のほうが全体的に機能が良いです。静止画のピクセル数や画素数は同じですが、処理が改善されてよりきれいな画像が見れるようになりました。
THETA SC2 | THETA SC | |
価格 | ¥36,800(税込) | ¥24,750(税込) |
大きさ | 45.2×130.6×22.9 | 45.2×130.6×22.9 |
重さ | 約104g | 約105g |
静止画性能 | 5376×2688px 5K | 5376×2688px 5K |
表示モニター | 有 | 無 |
内蔵メモリー | 約14GB | 約8GB |
静止画撮影モード | オート・シャッター優先・ISO優先・マニュアル | オート・シャッター優先・ISO優先・マニュアル |
動画撮影モード | オート | オート |
有効画素数 | 約1200万画素(×2) | 約1200万画素(×2) |
出力画素数 | 約1400万画素 | 約1400万画素 |
外部インターフェース | microUSB : USB2.0, MIC端子 | microUSB : USB2.0, MIC端子 |
THETA SC2 | THETA SC | |
価格 | ¥36,800(税込) | ¥24,750(税込) |
大きさ | 45.2×130.6×22.9 | 45.2×130.6×22.9 |
重さ | 約104g | 約105g |
静止画性能 | 5376×2688px 5K | 5376×2688px 5K |
表示パネル | 有 | 無 |
内蔵メモリー | 約14GB | 約8GB |
静止画撮影モード | オート・シャッター優先・ISO優先・マニュアル | オート・シャッター優先・ISO優先・マニュアル |
動画撮影モード | オート | オート |
有効画素数 | 約1200万画素(×2) | 約1200万画素(×2) |
出力画素数 | 約1400万画素 | 約1400万画素 |
外部インターフェース | microUSB : USB2.0, MIC端子 | microUSB : USB2.0, MIC端子 |
SC2とVの評価は難しいところです。THETA Vの定価は57750円ですが、市場価格は4万円弱まで下落しています。一方、新製品であるSC2の値引きは殆どないと考えられるので、実質的な価格差は5000円程度でないかと推測されます。
機能面では、容量がTHETA Vのほうが少し多く、重さはTHETA SC2のほうがわずかに軽くなっています。またSC2は電池残量などがモニター表示されるのも小さいですが、より便利になっているポイントかもしれません。
THETA Vと比較して大きく差がないので、今後はTHETA SC2が主流のモデルになっていくのかもしれません。
THETA SC2 | THETA V | |
価格 | ¥36,800(税込) | ¥57,750(税込) |
大きさ | 45.2×130.6×22.9 | 45.2×130.6×22.9 |
重さ | 約104g | 約121g |
静止画性能 | 5376×2688px 5K | 5376×2688px 5K |
表示モニター | 有 | 無 |
内蔵メモリー | 約14GB | 約19GB |
静止画撮影モード | オート・シャッター優先・ISO優先・マニュアル | オート・シャッター優先・ISO優先・マニュアル |
動画撮影モード | オート | オート |
有効画素数 | 約1200万画素(×2) | 約1200万画素(×2) |
出力画素数 | 約1400万画素 | 約1400万画素 |
外部インターフェース | microUSB : USB2.0, MIC端子 | microUSB : USB2.0, MIC端子 |
THETA SC2 | THETA V | |
価格 | ¥36,800(税込) | ¥57,750(税込) |
大きさ | 45.2×130.6×22.9 | 45.2×130.6×22.9 |
重さ | 約104g | 約121g |
静止画性能 | 5376×2688px 5K | 5376×2688px 5K |
表示パネル | 有 | 無 |
内蔵メモリー | 約14GB | 約19GB |
静止画撮影モード | オート・シャッター優先・ISO優先・マニュアル | オート・シャッター優先・ISO優先・マニュアル |
動画撮影モード | オート | オート |
有効画素数 | 約1200万画素(×2) | 約1200万画素(×2) |
出力画素数 | 約1400万画素 | 約1400万画素 |
外部インターフェース | microUSB : USB2.0, MIC端子 | microUSB : USB2.0, MIC端子 |