(2017年8月2日 一部内容を更新しました)
2016年10月28日にリコーは、360度全天球カメラでは定番となっているTHETA (通称シータ)シリーズの新機種であるRICOH THETA SC(以下、「SC」)を発売しました。
RICOH THETAシリーズの入門機としてはこれまでTHETA m15がありましたが、THETA m15の画質は現在販売されている360度全天球カメラの一般的な水準から言って正直物足りなくなってきています。
RICOH THETAのウェブサイトを見ると、すでにTHETA S(以下、「S」)とSCの画像しか載っていませんので、今後の販売戦略としては、ハイスペック版のSとベーシック版のSCの2種類で勝負していくということでしょう。
そこで今回は、SとSCを実際に購入し、具体的にどう違うのか、比較した結果をまとめたいと思います。
値段(税込) | 出力画素 | 発売時期 | |
THETA S | 37,711円 | 約1400万画素 | 2015年10月 |
THETA SC | 23,762円 | 約1400万画素 | 2016年10月 |
THETA m15 | 17,602円 | 約600万画素 | 2014年11月 |
2017年8月2日現在、アマゾンで販売されている価格は、Theta Sが37,711円、Theta SCが23,762円でした。まだTHETA m15も販売しているようで、色は白で17,602円でした。
静止画撮影用の機能に関していうと、SとSCはほとんど同じです。両機種とも最終出力画素数は1400万画素で、露出制御に関しても、マニュアル制御機能、シャッタースピード等は、全く差はありません。
どこに差があるかというと、撮影時の設定項目です。ファームウェアのアップデートにより、Sにはインターバル合成撮影、マイセッティング、色温度指定撮影などの機能が追加されました。これらの機能はSCでは使うことができず、ここでSとSCの差別化をはかっているようです。
※ファームウェアのアップデート方法、及び機能の詳細は以下の記事で紹介していますので是非合わせてお読み下さい。
初心者必見。RICOH THETAのファームウェアアップデートで360度カメラを使いこなす。
スマホで操作する場合は、両機種とも同じアプリTHETA Sを使用します。
実際に同じポイント、同じ設定(オート、EV1.3、DR補正)で、SとSCで撮影したのが上のコンテンツですが、見た目にも画質に関しても、スティッチングに関しても違いは全くわかりません。
一方で、従来の入門機種であったTHETA m15の出力画素は600万画素で画質の違いは明らかですので、価格差を考えるともはやTHETA m15を買う理由はないといえます。
動画に関しては、撮影できる動画の長さが変わりました。
Sでは1回あたり25分まで動画の記録ができましたが、SCでは1回あたり5分に短縮されました。
また、Sに搭載されたライブストリーミングの機能が、SCでは省略されています。それに伴ってHDMIの端子も省略されています。
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Sは高級感のあるブラック1色、SCは、ブルー、ベージュ、ピンク、ホワイトのポップな4色を展開しています。
SCの大きさは、金属パーツを樹脂パーツに変更したことによる強度確保のため、サイズは45.2(幅)×130.6(奥行き)×22.9(高さ)ミリと、Sに比べて幅は1.2ミリ、奥行きは0.6ミリ大きくなりました。
一方で、重さに関しては、Sの125gに対し、SCは102gと大幅に軽くなりました。
これは、HDMI端子を省略したことも大きく影響しているようです。
(写真)RICOH THETA SCは4色展開
結論としては、静止画の通常撮影をメインで使うのであれば、コストパフォーマンスを考えるとSCで十分ということになります。
長めの動画も撮影したい、ライブストリーミングの機能も使いたい、細かい設定も変更して撮影をしたいということであれば、ハイスペックなSという選択肢になるでしょう。
参考リンク:
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