不動産業界でもっとも使われている360度カメラといえばリコーのTHETAシリーズですが、従来機器のSC、Vに加え、今年の5月に最新機種のZ1が発売されました。
今回は、最新賃貸物件を撮影する目的という観点でどの機種を選ぶべきかレビューしたいと思います。
左がTHETA V, 右がTHETA Z1で撮影した画像
従来機種のV、SCの有効画素数は1200万画素でしたが、Z1は2000万画素になり、画質はよりクリアになっています。
特に暗い部屋での撮影時にノイズを抑えて撮影することが可能です。
また、VやSCで撮影した場合に、照明や日光が直接レンズに当たる場合に発生する赤い光(ゴースト)についても、Z1の場合は発生しにくくなっています。
従来機種では電池の残量がスマホアプリで確認するしか方法がありませんでしたが、Z1では外側についている表示パネルで電池の残量が確認できるようになりました。
その他新機能として、従来機種では変更できなかった、絞り値の調整ができるようになりました。
また、従来のJPG形式での保存だけでなく、RAW形式での保存が可能になり、スティッチングソフトでの修正もできるようになりました。
ただし、どちらの機能についても一般的な不動産会社が賃貸用不動産物件の撮影する目的であれば、ここまでの機能は必要ないでしょう。
Z1の価格は2019年7月現在いくつかのオンラインストアで11万円台で販売されています。2万円台のSCの約5倍、4万円台のVの約2.5倍です。
Z1で撮影した写真は画質が良くなったことで、1枚あたりのパノラマ写真のサイズが8−9MBあります。
一方で、Vで撮影した写真は1.5-2MB、SCで撮影した写真は3.5-4MBです。ポータルサイトなどではアップロードできるファイルのサイズに上限が設定している場合もありますので注意が必要です。
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空室物件のように明暗差が大きい環境で活用できるHDR合成機能ですが、Z1の場合でもVと同じように、それほど処理時間を気にすることなく撮影をすることができます。
一方で、SCの場合はHDR合成を使うと、撮影が完了するのに約20秒かかるためテンポ良く撮影を進めるには使いづらい部分があります。
Z1はシータの画質改善を望んでいたユーザーにとっては待望の機種ではあります。
一方で、一般的な不動産会社が業務用に使うには、使いきれない機能がついていることに加え、サイズが大きすぎると言う問題もあります。
コストパフォーマンス的にはシータVあたりが良いと言えます。
最後までお読みいただいてありがとうございます。
(この記事は全国賃貸住宅新聞8月26日号掲載「そろそろVRはじめませんか」第27回の内容をベースにしています。)
不動産業界のVR活用方法については以下の記事をご覧ください。
VR不動産7選!不動産分野におけるVR活用法を事例とともにご紹介!