VRと空間データ活用のヒントが見つかる

360°の動画と静止画-それぞれの特徴を理解して営業に生かす

不動産会社様からよく聞かれる質問の一つに、「動画で物件を紹介するのと、360度VRで物件を紹介するのとどう違うの?」というものがあります。
また、「360度静止画コンテンツと360度動画の違いは何?」という質問を受けることもよくあります。

今回は、動画とVRで写真を用いた360度静止画コンテンツ、360度動画について整理したいと思います。


※スペースリーの不動産物件のVRサンプル。画面の「Switch」のボタンを押すと、ホームステージング後の写真が表示されます。VRを使うとこういったことも可能です。具体的な不動産のVR活用事例はこちらの資料をご参照ください。
 

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(1) 動画、360度静止画コンテンツと360度動画とは?

通常の動画については説明不要だとは思いますが、Youtubeに代表されるような動画コンテンツのことです。

360度静止画コンテンツは、360度写真などの静止画をベースに制作されたコンテンツです。


自動回転していたり、ぐるぐる動かせるため、動画と考えてしまう方もいますが、あくまでも静止画コンテンツを動かしているだけです。物件内の他の部屋への移動も、静止画の切り替えという形で行います。
一般的に賃貸不動産業界で360度VRといった場合には、通常は360度静止画コンテンツのことを指します。

360度動画は360度カメラなどを使用して、動画撮影したコンテンツです。通常の動画のように時間とともに映像が進んでいきますが、映像自体を360度ぐるぐる動かしたり、VRモードであれば向いている方向が見えます。

 

(2) それぞれの適した使用目的

動画は物件の良いイメージをプレゼンするという目的には適しています。構成、見せる順序、どの部分をどのくらいの長さ見せるか、どのような演出をするかなどを作り手が決めることができるからです。また、ドアを開けたら光が入ってくる様子など、動画ならではの伝え方もあります。

360度静止画コンテンツの場合、最初に見せる空間をどこにするか、どの向きから見せるかというのはあるものの、基本的にはお客様のペースで物件内を見ていきます。

VR内見の例

360度静止画コンテンツでは、動画よりも自由度が高く、お客様寄りの内見が可能

したがって、より実際の内見に近いものになります。キッチンを重視するお客様であれば、キッチンから見るでしょう。好きな順序で、自分のペースで見て回ることができます。また、自分のペースで必要なところを見ることができるので、お客様への物件案内だけでなく、業務管理用の目的にも適しています。

360度動画は臨場感を伝えるという目的であれば最適です。Youtubeなどでも、ジェットコースターなどの迫力あるコンテンツが人気があります。

ただ、不動産物件案内という観点だと、あくまでも動画なので、360度静止画コンテンツのようにお客様のペースで見たいものが見れるというわけではありません。また、通常の動画のように見せたいところだけ見せるというよりは、お客様がどちらを向いているかによって視聴内容が左右されてしまう部分はあります。

 

(3) 動画は制作・編集の手間がかかる

動画に関しては、撮影スキルが必要になるだけでなく、どのような見せ方が良いか、どのように撮影したら、お客様が快適に観ることができ、効果的に魅力を伝えることができるか、考えなければならないポイントは非常に多くなります。

また、テロップの出し方一つをとっても、何秒のあたりにどのように表示させるかなど、編集を行うには専用のソフトや技術が必要になってきます。

普段何気なく見ている動画も、クオリティの高いものを作るためには手間も費用もかかっています。

 

(4) 360度写真ベースのコンテンツ制作は比較的簡単

リコーシータなどの360度カメラを使えば、撮影の手間はそれほどかかりません。撮影のテクニックに関しても、撮影の位置、カメラの設定などのコツはありますが、動画に比べるとシンプルなので、初心者でも慣れれば簡単にできるようになります。

VRソフトの編集画面

弊社のVR制作ソフトでは、360°写真のアップから、シーン移動といった細かな編集まで、専門的知識がなくても1物件あたり数分程度で容易に行うことができます

したがって、シンプルなコンテンツであれば自分でも簡単に制作できますし、外注の場合でも、通常の撮影写真に近い価格帯のサービスもあります。

 

(5) 360度動画は撮影、編集の難易度が高い

360°動画の例

アトラクションや観光等の目的で臨場感を伝えるのには最適であるが、撮影にはかなりのスキルが必要です

360度動画になると、伝えられる情報自体は増えますが、新しい分野の表現方法になりますので、ネット上で収集できるノウハウ情報がかなり少なくなります。
編集方法もツール自体が限られており、難易度は高くなります。加えて、360度動画は容量が重く、4Kといわれる比較的十分な解像度となると、通常の通信環境での再生はスムーズに行うことが難しく、安定して視聴するためにはアプリにダウンロードしてから閲覧する必要があります。

制作ノウハウ、編集方法の観点からも、まだ一般化するには時間がかかるでしょう。

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まとめ 目的に応じた使い分けが重要

動画、360度静止画コンテンツ、360度動画で比較すると、360度静止画コンテンツが最も簡単に作ることができ、動画、360度動画の順に難易度は上がります。ただ、それぞれの表現で伝えられるものは異なるため、閲覧するシチュエーション、目的によって最適な表現手法は変わってきます。

オンラインでわかりやすい不動産物件の内見情報を発信するという観点においては、360度写真をベースとした360度静止画コンテンツが現時点では最適だと言えるでしょう。

 

限定資料ダウンロード

最後までお読みいただいてありがとうございます。

(この記事は全国賃貸住宅新聞「そろそろVRはじめませんか」第9回(2018年1月29日掲載)、10回(2018年2月26日掲載)の内容をベースにしています。)

不動産業界のVR活用方法については以下の記事をご覧ください。
VR不動産7選!不動産分野におけるVR活用法を事例とともにご紹介!

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