国内、海外を問わず、コロナ禍で急速に注目され始めたVRコンテンツ。
VRデバイスの性能はますます高くなっているため、それに比例してVRコンテンツの鮮明さやリアリティも上がっています。
「どこにいても同じ体験ができる」という点は、VRを導入する際に得られる最大のメリットです。
今回はVR導入の一例として、VRを活用している国内や海外の博物館を紹介。
また、博物館にVRを導入することで得られるメリットについても解説します。
最後まで目を通していただけると幸いです。
【目次】
博物館がVRを導入するメリットを、詳しく解説します。
非常に大きいメリットですので、ぜひ参考にしてください。
博物館を楽しむためには、実際に現地に赴く必要があります。
しかし、コロナ禍での遠距離移動や国外への旅行は、残念ながらまだ厳しい状況です。
この状況下においてVRコンテンツを導入することで、県外や海外といった遠方のお客さんを呼び込むことが可能に。
さらに、来場者が同じ場所に集中することを避けるために、対策する必要もなくなります。
そのうえ、VRコンテンツを通して視聴者に「実際に行きたい」と思わせることで、将来的な集客率向上にもつながります。
人数制限などで思うように集客できない厳しい現状を、VRで打破することができるというわけです。
博物館がイベントを開催する場合には、展示物を設置するための会場が必要です。
さらに、以下のようなコストもかかってしまいます。
そのうえ、イベントの開催日や時間などの制約も発生。
悪天候や災害などの影響で交通に支障が出てしまうと、集客が難しくなるかもしれません。
以上のようなコストや場所、時間といった制約は、VRを導入することで解決できます。
VRを導入してイベントを「バーチャル展」として開催することで、一切の制約を受けずに展示会を運営することが可能に。
来場者側にとっては、交通費を削減できるうえに、世界中のどこからでも参加することができるというメリットがあります。
さらに、「行きたくても予定が合わないため行けない」という人たちにも、VRの「バーチャル展」ならば参加してもらえる可能性が高いです。
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ここからは、VRコンテンツを実際に提供している、国内の博物館を4つご紹介します。
それぞれどのような特徴があるのかをまとめていますので、ぜひご覧ください。
現地で体験するのか、自宅から閲覧できるのかという点についても合わせてお伝えします。
参加場所
特徴
東京都台東区にある国立科学博物館では、「おうちで体験!かはくVR」と題して、VRコンテンツを提供しています。
日本館と世界館の常設展示や企画展を、自宅から3Dビューで閲覧できます。
まるで「博物館の中にいる」ようなリアリティのある映像で、博物館内の展示を楽しむことができます。
パソコンやスマホ、タブレットなどから簡単操作で鑑賞できるため、子供にも非常におすすめ。
英語版も用意されているため、海外からでも楽しむことが可能です。
画像引用:ディノ・ネットデジタル恐竜展示室
恐竜展示室のVRコンテンツでは、恐竜の化石を360°好きな視点で観察できます。
このVRコンテンツは、国立科学博物館を中心として制作されました。
他に、凸版印刷株式会社と以下の3つの博物館が制作に協力しています。
展示されているのは非常に貴重な恐竜化石のため、一見の価値あり。
恐竜が好きな子供も喜ぶVRコンテンツです。
画像引用:東京国立博物館
参加場所
特徴
国立科学博物館の近隣にある東京国立博物館も、VRコンテンツを提供。
こちらでは、現地のシアターでVR映像を楽しむことができます。
VRが導入されているのは「TNM&TOPPANミュージアムシアター」
4K映像で大迫力のスクリーンを、VRを用いて鑑賞するというスタイルです。
日本の文化財を鮮明に復元し、実物が目の前にあるかのような映像を楽しめます。
上映内容はすべて期間限定のものです。
画像引用:北海道博物館
参加場所
特徴
札幌市にある北海道博物館は、自宅で楽しめるVRコンテンツを提供。
約3,000平米ある展示室を鑑賞できるGoogleストリートビュー画像や、展示物の紹介動画などを楽しむことが可能です。
ストリートビュー画像は2018年3月時点のものですが、博物館内の雰囲気・臨場感を十分に味えます。
こちらのVRコンテンツは、パソコンやスマホで自由に鑑賞可能。
公式サイト上で公開されてVRコンテンツは、以下の5つのテーマに分かれています。
北海道の歴史や文化などを、テーマごとにじっくりと堪能することができます。
画像引用:堺市博物館
参加場所
特徴
大阪府堺市の堺市博物館では、館内の「百舌鳥(もず)古墳群シアター」でVRコンテンツを体験できます。
1つあたり約12分の作品を、2つ続けて上映。
最初の作品では、百舌鳥古墳群を上空300mから眺めたり、当時の姿を再現した映像を鑑賞したりできます。
身体が宙に浮いているような感覚で、迫力のある映像を楽しむことが可能です。
2つ目の作品は、世界最大級の古墳である仁徳天皇陵古墳を、普段入ることができない内部から楽しめます。
これらのVRコンテンツは7歳以上から参加できるため、子供連れにもおすすめ。
VRコンテンツを提供している博物館は、国内だけでなく海外にもあります。
今回は、博物館だけでなく美術館も含めて3つご紹介します。
画像引用:NGV
参加場所
特徴
オーストラリアのビクトリア美術館は、1861年に開館した最も古い美術館。
オーストラリア国内の展示物だけでなく、中国やイギリス、日本といった世界各国のさまざまな展示物を楽しむことも。
70,000点以上の膨大な展示物を、自宅からVRコンテンツでじっくりと堪能できます。
こちらもパソコンやスマホなどから閲覧も可能です。
画像引用:スミソニアン博物館
参加場所
特徴
コンテンツURL
スミソニアン博物館は、アメリカのワシントンD.Cを中心として広がる博物館群と、いくつもの研究センターを複合した名称です。
現地で展示されているのは、なんと1億5千万点を超えるコレクション。
オンラインのVRコンテンツでも、膨大な数の展示物を鑑賞することができます。
また、Google Arts&Cultureでは、実際に館内を歩き回っているかのような楽しみ方も可能です。
画像引用:Museo Egizio
参加場所
特徴
イタリアのトリノエジプト博物館は、古代エジプトを専門としている博物館。
エジプトの博物館としては世界で2番目に大きく、人気の観光スポットでもあります。
博物館には、33,000点ほどのコレクションが収蔵されており、そのうちの6,500点ほどが実際に展示されています。
公式サイトでは「自宅でエジプト博物館」と題して、オンラインでVRコンテンツを提供。
実際に博物館の中を見て回りながら、古代エジプトに関する展示物を鑑賞することができます。
オンラインで公開されているVRコンテンツは、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)ゴーグルを使うことでより一層楽しめます。
HMDゴーグルは、パソコン用のものやスマホ用のものなど、使用するデバイスによって分けられています。
今回は、スマホ用とパソコン用のHMDゴーグルを、メリットやデメリットを踏まえながらご紹介します。
メリット
デメリット
スマホ用のHMDゴーグルは、スマホを直接装着してVR動画を流すことで、手軽にVR体験ができる優れものです。
視界の調節機能があるタイプやメガネ装着が可能なタイプ、安価なものから高価なものなど、ラインナップや価格帯は非常に豊富です。
最も安価なHMDゴーグルは1,000円ほどで購入可能なため、気軽に試すことができます。
ただし、基本的には映像の視聴にしか対応していません。
VRコンテンツだけでなく、ついでにゲームも楽しみたいという方は、パソコン用HMDゴーグルをおすすめします。
メリット
デメリット
解像度がフルHD以上となるため、スマホ用HMDゴーグルよりも映像を見やすくなります。
映像の視聴だけでなく、VR対応のゲームなども楽しむことが可能。
10,000円未満の価格帯のゴーグルもありますが、安価なものでも20,000円前後である場合が多いです。
価格が高くなるほど高性能にはなりますが、同様にパソコンにも高い性能が求められます。
VRゴーグルで有名なVIVEでは、以下の動作環境が推奨されています。
以上に加えて、USB2.0ポートや1xHDMI1.4ポート(もしくはDisplayPort1.2以上)の接続ができることも必須条件です。
ノートパソコンでHMDゴーグル導入を検討する際には、とりわけ注意しましょう。
参考:VIVE公式サイト
VRコンテンツを提供している博物館の一部をご紹介しました。
現地で体験するものもありますが、自宅から楽しめるVRコンテンツは今すぐにでも体験できます。
「おうち時間」という新たな過ごし方が普及し、その中で大活躍しているVR。
イベントや施設などで集客率を上げたい方は、ぜひ導入を検討してみてください。