新型コロナウイルスの感染拡大による移動自粛は、旅行業界を直撃しました。
ホテル業界もそれを避けることができず、苦しい経営を強いられている現状。
移動ができずに旅行を楽しめないことを嘆いているのは、ホテル経営者だけではなく、旅行者も同じ。
そこで今回は、VRをホテルに導入することについて詳しく紹介していきます。
ホテルの宿泊前にホテルの内部をVRで見て実際の集客につなげる方法や、ホテルの宿泊中にVRコンテンツを楽しむことでリピーター獲得につなげる方法。
VRをホテルに導入している事例を挙げ、VRがもたらすメリットや効果を解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
自宅にいながらまるでホテルにいるかのような雰囲気を味わえるのがVR。
ここでは、VRを導入することで得られるメリットを見てみましょう。
VRでの擬似体験は、ホテルの雰囲気を感じ取ったり、客室の内装を細々と見ることも可能。
実際に自分の足で歩いているかのような体験も提供できるため、ホテルの予約件数の向上が見込めます。
コロナウイルスの感染拡大の影響により、現在は長距離の移動を控える人が多く、遠方からの集客は難しい状況。
しかし、VRでまるで本当にホテルに来ている様な体験をしてもらえれば、移動制限がなくなった時に実際に宿泊をしようと考える人も増えるでしょう。
感染拡大がおさまった時の集客のために、VRを早いうちに導入しておくのは良策です。
それでは、ホテルの紹介にVRを導入したとすると、どれほどの効果が見込めるのでしょうか。
導入前の比べてどのような変化があったのか、解説します。
ヨーロッパを中心に120ものホテルを運営する「GCH Hotel Group」。
この企業の自社ホテルサイトでは、全ホテルの3分の1の以上で、部屋を写真で360度見渡せるVRサービスを提供しています。
客室のタイプ別以外にもホテルのレストランやバーの写真も掲載。
これらの写真を載せることで、サイトの利用者がホテルのサイトに留まる時間も長くなり、PV数が50%も増えるという効果が見られました。
また、予約しようとしていた部屋のページに少し上の客室をリンクさせて表示することで、より単価の高い客室へ促すことにも成功しています。
文字や簡単な数枚の写真だけでは、宿泊するホテルを決めるのには少し説得力に欠けます。
Googleがストリートビューを導入した際に、ホテルやレストラン業界に予約率の推移についてアンケートを取りました。
すると、情報を文字だけで伝えていた頃に比べると、ストリートビューの導入後は予約件数が2倍に上昇したという結果が得られました。
今では、ストリートビューだけでなく、VRで視覚に訴えることも可能に。
コロナの規制が緩んだ時に備えて、これらのツールを上手にプロモーションに取り入れてみてはいかがでしょうか。
気軽に旅行に行ける様になったら、どこに行こうかと考えている人は少なくありません。
宿泊するホテルの雰囲気を事前に確認しておくのは、気持ちよく旅行をするための大きなポイントです。
ここでは、実際に足を運んでもらうためにVRを利用してホテルを紹介している事例を紹介します。
画像引用:シェラトン都ホテル東京
世界各地にホテルを持つシェラトンホテルが東京都港区に構えるのがシェラトン都ホテル東京。
ラグジュアリーなホテルの内観と、くつろぎと快適性を極めたサービスが人気です。
ストリートビューでも落ち着いたレストランや日本庭園など、さまざまな顔を見せてくれています。
画像引用:神泉
自然に囲まれた、木の温もりが感じられるホテルです。
ストリートビューで見る客室からの風景は、周りの山や湖が見え、どの季節に行こうかと旅行の計画を立てるのが楽しみになります。
2つの薬湯露天風呂を含む4つのお風呂が人気で、日帰り入浴も可能。
画像引用:ひなの宿 ちとせ
Googleストリートビューで温泉街の温かみを感じながら館内へ。
懐かしさと落ち着きが溢れる施設をインドアビューで見ながら、「お風呂を出た後はここを歩いて…」などとシュミレーションをするのも楽しいですね。
画像引用:オリエンタルヒルズ沖縄
ホテルを囲む沖縄の海。
たくさんの写真でホテルの窓から見える風景や施設を紹介しながら、インドアビューで室内を見せています。
開放感あふれる南の島での休暇が、ますます楽しみになることでしょう。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
実際にホテルに利用者が、リピーターとして再訪してくれるにはどのような方法があるでしょうか。
ここでは、VRのコンテンツをホテル滞在の娯楽の1つとして提供している施設を紹介しましょう。
画像引用:変なホテル
変なホテルは、H・I・Sが長崎県ハウステンボスに第一号を出して以降、全国展開されています。
人間の従業員よりもロボットの数の方が多かったり、客室のドアを顔認証で解錠したりと、最先端の技術を楽しめるのが特徴。
各ホテルでさまざまな宿泊プランやサービスが提供されていますが、「変なホテル東京銀座」ではVR「「Oculus Quest2」」を1泊1,000円で貸し出しています。
約100種類のゲームや動画を楽しむことができると評判です。
画像引用:ホテル阪神大阪
ホテル阪神大阪が2021年の10月にVRを使った体験で打ち出したのが「金縛り体験」!
ホテルの和室を舞台にした恐怖体験を味わった後は、冷や汗や怖い気持ちを天然温泉ですっきり洗い流すプランを3,200円で提供しました。
その他にも恐怖体験と宿泊プラン、恐怖体験とディナープランなど、怖いと楽しいをどちらも味わえる贅沢なプランで人気を博しました。
2022年のハロウィンの時期にも、また何かあるのではないかと期待したいところです。
東京駅から徒歩3分の立地にあるスーパーホテルpremier東京駅八重洲中央口。
出張や観光など、さまざまな理由で東京に来た宿泊客が利用するホテルです。
このホテルでは、最新のVRの貸し出し・使い放題、そして宿泊をセットにしたプランを用意しています。
大人2名利用のダブルルームで、1泊11,400円から。
プランでのVR貸し出しは1台のみですが、もう1台借りる場合にも2,000円の追加料金で使用できます。
VRをホテルの集客に利用することについて紹介しました。
コロナ禍では、多くの人が旅行の計画を断念したり延期したりしたことでしょう。
移動の規制や感染対策が緩めば、気持ちのリフレッシュのためにも旅行に出かけたい人も多いはず。
苦しい経営が続くホテル業界の中でも、少し先の宿泊客獲得のために、今できることをするところが増えてきています。
VRを導入してホテルを紹介したり、宿泊客にエンターテイメントを提供するのもその1つ。
新婚旅行や卒業旅行、修学旅行や家族旅行を諦めた多くの人たちが、「ようやく旅行に行けるようになったらどこにいきたいか」と次の旅行先・宿泊先をインターネットで見ています。
VRを利用することで、規制明けの旅行ブームに備えてみてはいかがでしょうか。