VRと空間データ活用のヒントが見つかる

VR×医療|メディカル分野での活用事例

数多くの業界で実用化が進められているVRの技術。
技術の発達とともに急速な進化を遂げてきた医療分野でも、VRの活用は始まっています。
研修医の教育や治療など、様々な場面でVRが導入され、その効果を実証する実験結果も多く公表されています。

エクスポージャー療法の種類として新しく注目されているVRを用いた治療やmedivr カグラでのリハビリなどについて解説します。

今回は、そんな医療分野におけるVRの活用事例についてまとめていきます。

30分で解説!事業者向けの360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5,000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。

 

 

 1.VRで新人育成

病院や介護施設などの新人育成の場面では、身に着けておく必要がある知識や技術が多くあるものの、
それらを
現実に再現して訓練することが難しいという問題がありました。

たとえば手術。経験豊富な医師が行う手術を間近で見学するとなると、手術自体の進行を妨げてしまう可能性があったり、見学できる人数に限界があったりと、多くの障壁があります。しかし、手術室に360度カメラを設置することで、実際の手術の様子をVRで見学することが可能になります。ヘッドマウントディスプレイを装着すれば、実際にその場にいなくても現場の様子や手術を行う医師の手元を自由に見学することができますし、同時に何人でも見学することができるのです。

このように、これまでは空間上の制約によって不可能であったり、現場での実務に支障をきたす可能性のあった教育も、VRによって可能になるのです。

参考: VR製作・研修・採用・イベント・医療ソリューション GuruVR(グルーVR)

 

2.恐怖症や不安障害の症状をVRで軽減

高所恐怖症や閉所恐怖症といった、特定の環境やものに対する恐怖心を克服する治療法として、

曝露療法 (エクスポージャー療法) と呼ばれるものがあります。曝露療法とは、恐怖や不安の原因になる刺激や状況に段階的にあえてさらすことで不安反応を消していく方法 ( 引用: エクスポージャー療法 | e-ヘルスネット(厚生労働省))のことで、実際に多くの恐怖症や不安障害に対して用いられ、効果を示しています。

これらの治療法では、患者が恐れるものや環境を実際に用意する必要があるのですが、治療のためとは言えども何でも簡単に用意できるわけではありません。実際に恐怖症を抱える人の多い高いところや極端に狭い場所といった設備に実際に患者をさらすと、危険も伴います

そこで、この曝露療法の過程でVRを活用しようという研究が始まっています。

中でも過去に大きく取り上げられたのは、アメリカの退役軍人に対するVR曝露療法の事例です。ベトナム戦争を経験した退役軍人たちの抱えるPTSD (心的外傷後ストレス障害) と呼ばれる症状に対して、VRを使った曝露療法の実証実験が行われ、この治療によってPTSDの症状が緩和されたという結果が出ました。(参考: Virtual reality exposure therapy for Vietnam veterans with posttraumatic stress disorder.)VRを使った曝露療法は、VRET (Virtual Reality Exposure Therapy) と呼ばれ、世界的に注目を集めています。

 

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3.VRでリハビリを楽しく

リハビリには辛く退屈なイメージがつきもの。
そこで、VRを使って楽しくかつより効果的に行おうという動きがあります。

mediVRが販売する「mediVR カグラ」は、歩行機能に問題を抱える人々のためのリハビリプログラムです。上半身の体幹バランスをゲーム形式で楽しく鍛え、歩行感覚を養うことを目的としています。

手に持ったコントローラーを前に出したり上に上げたりと実際に身体を動かしながら、ゲームを楽しんでいるうちに自然とリハビリ効果も期待できるというものです。ヘッドマウントディスプレイには座標が表示され、患者にも担当医師にも分かりやすい定量的な目標設定ができることも魅力のひとつ。

高齢のユーザーが孫と一緒に楽しくプレイしながらリハビリを進めるといった仕組みも予定されているとのことで、従来のリハビリの辛いイメージが払拭されるきっかけにもなるかもしれません。

参考: VRで辛いリハビリをエンタメに。医学会の風雲児が仕掛ける「mediVR」の挑戦【the innovator】前編

 

4.まとめ

医療分野でも多くの場面で実用化が進んでいるVRの技術。近い将来、病院に行くとヘッドマウントディスプレイを装着したお医者さんに診てもらう、なんてこともあるかもしれません。

まだまだ新しい技術だということもあり、安全面や費用面などの問題点・懸念点があるのも事実ですが、今後VRの技術的進化や普及が進むにつれて少しずつ実用化されていくことでしょう。正しく使われれば、多くのメリットを産むことは間違いありません。

これからも様々な技術の発展が医療の発展を支えていくことが予想されます。
その中にVR技術の多大な貢献が見られることに期待しておきましょう。

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