最近、話題になっているVR(バーチャル・リアリティ)はゲームなどのイメージが強いと思っている人も多いのではないでしょうか?
VRはゲームのみだけではなく、さまざまなビジネスの現場などでも積極的に採用されている現状です。
VR技術は自動車教習所の構内でも活躍を見せています。
教習所の受講者が実技検定で不合格となってしまう理由の多くが、「S字カーブ」や「クランク」での脱輪です。
教習所での技能教習の時間を十分確保したくても、都合の良い時間の枠が空いていないと次の技能教習までの期間が開いてしまうことがあります。
また、教習車の配備が難しく期間が空いてしまうことも多々。
そうなると、運転の感覚を掴むことが難しいままになってしまいます。
しかし、VRを使って何度も車体感覚やハンドル操作のポイントを肌で感じることができれば、受講者が運転技術に不安を抱えながら実技検定を受けなくても良くなるでしょう。
また、受講者の合格率アップも見込めます。
この記事では、VRを教習所に導入するメリットを受講者と教習所側の両方から解説しています。
また、教習所向けのVRコンテンツや、実際にVRを導入している教習所もあわせて紹介。
VR導入を検討している教習所の方は、ぜひ参考にしてください。
【目次】
VRを利用することで教習所にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、VRを教習所に導入するメリットを受講者と教習所側の両面から紹介します。
多くの受講者が苦手としているS字カーブやクランクなどの練習も、VRを取り入れることで、自分の納得いくまで運転の練習をすることができます。
S字カーブなどでの脱輪に不安がある受講者が十分な講習を受けることで、受講者の合格率を向上させることができるでしょう。
VRでの技能講習では、リアルな体感で車乗練習ができるだけでなく、受講者1人でコンテンツの操作を行います。
それによって、技能講習で必要だったインストラクターや教習車の配備が不要になり、インストラクターの業務の負担軽減を期待できます。
運転免許を取得するかどうか、どの教習所に入校するか迷っている人に向けてもVRは魅力を発揮してくれます。
体験試乗をすることによって、運転する感覚をリアルに体感できるので、入校を決めるきっかけになります。
また、「この教習所はしっかりと受講者が苦手とする部分をVRで学習させてもらえる」と印象づけることで、他者との比較材料にもなります。
ここでは教習所向けのVRコンテンツを2つ紹介します。
AT・MTの普通自動車だけでなく、大型車にも対応しているVRコンテンツです。
実際の道路の地図や地形データを読み込むので、馴染みのある風景の車道を走り、道路の高低差に合わせてシートが動く体験ができます。
また、雨や雪など運転が難しい天候での運転も体感可能。
コンパクトなシステムの上にパーツを分離して運ぶことができるので、教習所内での移動も簡単です。
最大積載量は180kg(シート含む)なので、大柄な方の乗車も問題ありません。
S字カーブとクランクの練習に特化したVRコンテンツです。
PCとVR機器、ハンドルコントローラのみが必要なだけで、シートは付属していません。
そのため、1人が座れるスペースを必要な機器を設置するだけで簡単にVRでの運転体験が可能です。
S字カーブやクランクが設置された仮想の道を走り、1度でも脱輪すると不合格。
再生・停止・コマ戻し・コマ送りの機能があるリプレイ映像で、自分の運転を振り返ることができます。
車体や車幅の感覚が掴みにくい人には、車体を半透明化する機能と理想的な走行ラインを表示するサポート機能が特徴です。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
VRを導入している教習所は少しずつ増えてきています。
ここではその事例を5つ紹介します。
飛鳥ドライビングカレッジは、関東近郊に3校あります。
ここでは、自動車教習所への入校を考えている方向けの「VR体験教習」を提供。
インストラクターと一緒に車に乗り、助手席でインストラクターの運転の様子を見たり、受講者が運転席から実際の運転をする目線を確認したりすることができます。
VRの視野は360度。
前方はもちろん、隣に座るインストラクターの顔や横の風景、後ろの様子も確認が可能。
このVR映像では、飛鳥ドライビングカレッジ川口校の構内コースが見られます。
広沢自動車学校は、徳島県内にある教習所で、県内初のオンライン学科教習を始めています。
ここでは、VRを利用した「自転車交通安全教室」を提供。
自転車が車道を走る時に気をつけるべきことや、起こりうる事故を想定して、自転車を安全に運転するための活動を行なっています。
中学生や高校生に身近な自転車を題材にすることで、交通安全に対する意識や広沢自動車学校への注目の高まりが期待できます。
ロイヤルドライビングスクール広島は、「ほめちぎる教習所」として広島県で高い人気を誇る地域密着型の教習所です。
ここでは、上で紹介した『VRドライビングスクール』の利用が可能。
『VRドライビングスクール』を使って、多くの受講者が苦手とするS字カーブやクランクの技術向上を図ることができます。
教習所の営業時間内であれば、好きな時間に好きなだけ練習することができるので、技能教習の時間がなかったり予約が取りにくい場合に受講者から喜ばれるシステムです。
テラバル自動車学校は、熊本県にある教習所で、普通車や大型二輪のみならずフォークリフトや大型特殊車の免許も取得できるのが特徴です。
開放的な校舎は明るい雰囲気が溢れています。
テラバル自動車学校は普通車のドライブ風景と大型二輪・普通二輪でのツーリング風景をVRで配信。
ドライバー視点の映像で運転の擬似体験をすることで、免許取得にむけて効率的に学習することができます。
新潟関屋自動車学校は、高い合格率を誇る新潟県で人気の教習所です。
2020年には合宿寮を新築オープンし、県外から来る受講者を受け入れる体制を整えています。
新潟関谷自動車学校は、VRを使った「方向転換」映像を配信。
多くの受講者が苦手とする「方向転換」をVRを使って、予習・復習することによって、高い合格率を出していることも特徴です。
また、在籍のインストラクターが出演することで、教習所の雰囲気をわかりやすく伝えています。
VRを活用している教習所の事例を紹介しました。
電気自動車が普及し、自動運転への期待が高まる中、自動車教習所は受講者を集めることが急務です。
教習所は立地や合格率の他にも、その教習所の雰囲気やインストラクターの人柄などが人気を左右します。
VR映像で構内が見られたり、インストラクターの様子を知ることができるのは、入校の大きな決め手になるでしょう。
また、VRコンテンツを使って苦手な運転箇所を練習できるのも、受講者にとっては嬉しいポイント。
ぜひ、教習所へのVR導入を検討してみてください。