ゲームだけにとどまらず、最近ではビジネスシーンでもVRの活用を目にするようになりました。
美術館も例外ではありません。
近年はVR技術の発展に伴い、日本のみならず、世界中の美術品を鑑賞できるようになりつつあります。
ここでは、VRが活用されている美術館の一覧と、VR上で美術品を楽しめるコンテンツの一覧をご紹介します。
VRを導入した美術館の提供コンテンツは、大きく分けて3種類あります。
ここでは、VR美術館の種類を1つずつ解説していきます。
実際に存在する美術館が運営しているVR空間です。
実はその中にも2種類あります。
「美術館に来ているかのような体験」ができるか、「作品の中に入り込んだような体験」ができるか、という違い。
「美術館に来ているかのような体験」ができるものは、その名の通り、実際に美術館内へ入り込んだような感覚になれます。
展示スペースを限定している美術館もあれば、全館丸ごと見学できる美術館もあり、見学スペースは様々。
もう1つの「作品の中に入り込んだような体験」ができる方は、美術館がVRスペースを設けているパターンです。
近くで見るだけでは分からない細かい部分を、シアター形式などで楽しめます。
どちらも共通していえることが、仮想空間の中に入り込み、既存の美術品を堪能できる点。
美術館が展示している、有名な作品を楽しみたい人におすすめです。
VR空間上に美術館を作っている、新しいスタイルの美術館です。
近年、ソーシャルVRが急速に発展しつつあります。
ソーシャルVRとは、自分の分身を作って他の人と交流をしながら遊べる仮想空間のこと。
ソーシャルVRの中では、自分だけのワールドを作ることができるのです。
そのシステムを利用して、仮想空間上に美術館を作成し、作品展示をするスタイルがVR上の美術館。
中には、作者がVR上の美術館に在廊してツアーを開いてくれるものも。
今までには無かった新しい楽しみ方として、VR上美術館の注目度が高まりつつあります。
完全なオリジナル作品を楽しみたい人におすすめです。
VR映像を提供している美術館や美術作品を集めたサイト。
情報が集約されているため、色々なスタイルで見学できます。
世界中の美術館がコレクションされているサイトもあるので、有名どころだけ周ってみるのも1つの方法です。
VR美術館に興味があるけど、どの美術館を見学すれば良いか分からない人に非常におすすめ。
反対に、作品だけを楽しみたい人は、美術作品を集めたサイトをおすすめします。
現代美術の作品も見られますよ。
VR美術館のメリットは、以下の3点が挙げられます。
1つずつ解説していきます。
VRセットがあれば、自宅でも世界中の美術館を歩きながら楽しめます。
行ってみたいけど、遠くて中々行けない美術館にも行けてしまうのが、VR美術館の大きなメリット。
旅行が難しくても、VRで仮想空間に入れば実際に行きたかった美術館へ来たような体験ができます。
物理的に移動が不可能な距離でも、1日で複数の美術館を周る楽しみ方もできます。
作品を360度回転させて見られるシステムを導入している美術館もあります。
実際の美術館では、展示ガラスや立ち入り禁止ゾーンがあり、まじまじと近くで見るのが難しい場面もありますよね。
しかし、360度回転できるとなれば、これまで見れなかった部分まで鑑賞が可能です。
例えば、裏側から見てみたり、上から覗くように見てみたり。
今までの常識では考えられなかった角度から、作品を楽しめます。
自宅鑑賞の強みは、閉館時間を気にせずたっぷり鑑賞できるところです。
広い美術館だと、時間配分を考えないと閉館時間になってしまうこともありますよね。
しかも、人気のエリアには人だかりができてしまっていて、最前列で見るにも時間がかかってしまいます。
しかしVRを使って鑑賞する時は混雑のストレスも無く、時間を気にせず楽しめるのが嬉しいポイント。
また、作品で分からないことがあれば、携帯を片手にインターネットでも調べられます。
時間を気にせずゆっくり調べ、芸術作品をたっぷり堪能してくださいね。
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ここでは、日本国内の美術館がVRを導入している事例を紹介します。
画像引用:三井記念美術館
リニューアル中のため、休館中の美術館です。
休館中にも作品を楽しんでもらうために、VR映像を作成したそうです。
三井記念美術館では、主に日本や東洋の美術品を取り扱っています。
VR映像内では、2021年夏に開催していた『三井記念美術館コレクション名品展 自然が彩る かたちとこころ』の閲覧が可能。
1つ1つの作品に解説の写真がついているので、ゆったりと鑑賞を楽しめますよ。
VR映像の提供は2022年4月末までの予定です。
画像引用:大原美術館
大原美術館では、日本で初めて西洋美術を中心に取り扱った美術館です。
展示されている代表的なものは、モネの『睡蓮』やエル・グレコの『受胎告知』。
全ての作品を閲覧できるわけではありませんが、3種類の展示室がVRで公開されています。
学芸員による解説動画もアップされており、作品について深く学ぶことができるコンテンツも。
大原美術館の展示作品をより深く知りたい人は、オンラインツアーも必見です。
画像引用:天空美術館
天空美術館は、絹谷幸二氏が手掛ける最新型の美術館。
立体感を体現した作品が、多く展示。
美術館内にはVR体験コーナーが設けられており、映像内で絹谷氏が美術館の案内・解説をしてくれます。
さらに絹谷氏の東京アトリエの様子を覗くこともでき、画家と繋がる体験ができるのも特徴の1つです。
画像引用:東京国立美術館TNM & TOPPANミュージアムシアター
東京国立美術館は、日本の重要文化財を中心に取り扱っている美術館です。
その中に併設されているTNM & TOPPANミュージアムシアターで、VR映像の視聴ができます。
他の美術館と違う点は、VRをシアター形式で閲覧するという点。
4Kの映像が使われているため、肉眼では見えないほどの細かい所まで作品を楽しめるのが特徴です。
海外の美術館がVRを導入している事例を紹介します。
画像引用:ウフィツィ美術館
ウフィツィ美術館は、ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』を展示していることで有名な、イタリアの美術館です。
絵画で有名なイメージがありますが、実は彫刻作品も多く取り扱っています。
その彫刻品のコレクションを、無料で公開中。
作品は360度から見れる仕組みとなっていて、拡大して細部まで見ることもできます。
全方位の角度からじっくり見られるのは、自宅鑑賞ならではの楽しみ方ですね。
画像引用:ヴァチカン美術館
ヴァチカン宮殿内の大部分を占める美術館です。
イタリア国内のみならず、世界中から新旧問わず様々な作品を取り扱っています。
中でも有名なのは、ミケランジェロの絵画で知られているシスティーナ礼拝堂。
ミケランジェロの絵画は天井画で有名で、VR内でも見られます。
VR映像は、全部で14のスペースが提供されており、イタリアの宮殿に併設されている美術館を、余すことなく楽しめます。
画像引用:ルーヴル美術館
『モナ・リザ』を展示していることで有名なルーヴル美術館。
公式ホームページで、無料のVRツアーを公開しています。
全部で5つのゾーンが見学可能。
ルーヴル美術館は実際に訪れると、全ての作品を見るのに3週間もかかるといわれているほど広い面積を誇ります。
しかしVR内ではゆっくり鑑賞できるので、焦る必要は全くありません。
まるでフランスに来たかのように、ルーヴル美術館内の作品を見学できます。
VR空間上に作り出された美術館を紹介します。
画像引用:CAT ARTオンライン美術館
オンライン上でチケットの購入から鑑賞までできる、VR美術館です。
「CAT ART」の生みの親である、シューヤマモト氏が監修した作品が揃っています。
展示作品は名画をモチーフにしており、本物の作品と見比べてみても面白いですよ。
作品は静止画ではなく、動きがあるのもポイントです。
2022年3月31日まで閲覧可能で、チケットを購入すると無期限で視聴できます。
画像引用:みる会
科学技術の教育教材の開発を行っている、NPO法人が運営している美術館です。
VR美術館の他には電子図書館も設立しており、徳島県を拠点に活動。
みる会のVR美術館では、作品を買える機能も導入しているのが特徴です。
作品に歩いて近づけるので、本当に美術館の中にいるような体験ができます。
画像引用:WESON MUSEUM
『WESON MUSEUM』は、ソーシャルVRアプリ『VR Chat』の中に設立されたVR美術館です。
『VR Chat』とは、アバターの姿をした自分が好きなワールドに入り込み、喋りながら遊べるサービスです。
美術作家である植村友哉氏が、『VR Chat』内で美術館を設立しました。
毎週土曜日には植村氏が在廊しており、作品の解説を聞きながら回れるツアーを開催しているそうです。
画家とアバターで交流できる、新しい形の美術館です。
美術館や美術品を集めたVRプラットフォームを紹介します。
Googleが世界の美術館を集めており、館内を歩いて回れるサービスです。
訪れることが可能な美術館や博物館の数は、なんと2500箇所以上と大規模なプラットフォームです。
VRでの美術館見学はどのようなものなのか、Googleが解説しているYouTubeビデオがあるのでご紹介します。
ヴェルサイユ宮殿を鑑賞する例です。
本編は英語で再生されますが、映像だけでも十分イメージできますよ。
画像引用:STYLY
STYLYは、アーティストにVR空間表現の場を提供している、クリエイティブプラットフォーム。
Google Arts & Cultureでは既存の美術作品をVRで見られるのに対し、STYLYは新しい作品がどんどん投稿されていきます。
サイト内では、様々なアーティストの作品を見られるような仕組みになっています。
ハッシュタグで作品を検索できるシステムとなっており、興味のあるジャンルから鑑賞もできるので、好きな作品を見つけるのに最適です。
VRを導入している美術館は、日本だけでなく海外にもたくさんあることが分かりました。
実在している美術館やVRだけの美術館、どちらも仮想空間を活かした良さがあります。
VRの世界に入って、色々な時代やジャンルの作品を楽しんでくださいね。