VRと空間データ活用のヒントが見つかる

360度カメラ入門。イルミネーションの上手な撮り方。

11月に入ると、クリスマスに向けて、街のあちこちできらびやかなイルミネーションが増えてきますね。イルミネーションを見ると写真を撮りたくなるのは現代人の本能のようなものですが、イルミネーションのように明暗の差が大きい風景、つまりダイナミックレンジの広いシチュエーションではきれいに写真に撮って残すのは難しいものです。様々なシーンのVR化を提案するSpacely編集部は、イルミネーションの上手な撮り方を検証すべく、男性記者3人でリコーシータSC、サムスンGear 360、ニコンKeyMission 360の3種類の360度カメラを手に、カップルのひしめき合う恵比寿ガーデンプレイスに繰り出してきました。

30分で解説!事業者向けの360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5,000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。

 

クリスマスツリー

恵比寿駅から向かって、ガーデンプレイス入口に入ってすぐの左手側にある大きなクリスマスツリー。
シータSとGear 360で撮り比べたのが下のコンテンツです。シータSはいくつか撮り比べたのですが、マニュアルではISO100、シャッタースピードを0.5秒で撮ったものがきれいに撮れていました。もう1枚はオートのHDR合成で撮ったものになります。HDR合成とは、露光の異なる4枚の写真を合成処理したもので、ダイナミックレンジの広いシーンでの撮影に適しています。スマホのカメラでもiPhoneなどはHDR合成の機能がついていますので、ご存知の方も多いかもしれませんね。Gear 360は、マニュアル撮影機能はありませんので、オートでHDRとシャープを入れて撮りました。

シータS HDR シータS マニュアル Gear 360
設定 オート・HDR合成 マニュアル・ISO 100・
シャッタースピード0.5秒
オート・シャープあり・HDR

 

結果としては、Gear 360の1枚がシャープネスの点で優れており、ダイナミックレンジも広く、きれいに撮れているように見えます。シータSはマニュアルで撮ったものは、ツリーの光はきれいに撮れているものの、ツリーが綺麗にとれるようにシャッタースピードを合わせると、店舗の光などは白飛びしてしまっており、ツリーの光のシャープさも若干Gear 360の方が良いかもしれません。HDR合成で撮ったものは、ツリーの光をきれいにとらえつつ、お店の白飛びも防いでいますが、若干色合いが自然ではない感じもします。
シャープネスに関しては、シータSが出力画素数が1400万画素、Gear 360が2590万画素ですので、この差が出ているかもしれません。


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難易度の高いバカラのシャンデリア

恵比寿ガーデンプレイスのクリスマスのイルミネーションの定番となっているバカラのシャンデリア。装飾が施されたたくさんのバカラのグラスの中に明かりが灯されており、実際に見ると迫力があって豪華、かつ繊細な美しさが溢れているのですが、これを写真で表現するのは簡単ではありません。
こちらもシータSとGear 360で撮り比べをしてみましたのが、以下のコンテンツです。


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設定は以下のように行いました。

シータS HDR シータS マニュアル Gear 360
設定 オート・HDR合成 マニュアル・ISO 100・
シャッタースピード1/30秒
オート・シャープあり・HDR

このようなシャンデリアの光を撮るとなると、さすがにHDR合成の出番のようです。シータSのマニュアルモードも、Gear 360も、シャンデリアの光の白飛びを抑えられていませんが、シータSのHDR合成であれば、シャンデリアのグラスのひとつひとつの輪郭もとらえています。
また、今回のような人ごみの中で撮影する場合には、HDR合成を使うと、動いている人の顔がぶれて撮影されるので、プライバシー保護の観点からも便利かもしれません。

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人ごみの中で試されるwifiの安定性・・・KeyMission 360は不戦敗

今回のロケーションは恵比寿ガーデンプレイスということで、ただでさえ多くのお店や商業施設のwifiが飛び交っている場所です。さらに、クリスマス前のイルミネーションの時期なので、人々で混雑しており、かなり多くの電波が混線している状況でした。
そのような中でも、シータSおよびGear 360は問題なくスマホとカメラのwifi接続ができ、撮影をすることができました。しかし、残念ながらニコンKeyMission 360はスマホとカメラが何度試しても接続できず、撮影を断念せざるを得ない結果となりました。

まとめ

結論としてはシータSのHDR合成は、イルミネーションのようなダイナミックレンジの広いシチュエーションで撮影する上では、非常に便利なツールだということがいえます。より自然な色合いを追求するのであればマニュアルに挑戦するのもありですが、カメラ初心者にはハードルが高い部分もありますし、完全に白飛びの発生を防ぐのは非常に難しいです。
Gear 360にはHDR合成やマニュアル調整はついていません。しかし、オートのDR補正とシャープを追加することで、バカラのシャンデリア級のものは難しかったものの、元々の出力画素も高いので、一般的なイルミネーションであればきれいに撮ることができました。
今回不戦敗となってしまったKeyMission360に関しては、スマホアプリやファームウェアのアップデートによって、wifiの接続性、操作性が改善することが望まれます。

参考リンク:
360度カメラでの撮影についての記事一覧
360度カメラでの写真・動画撮影について興味がある方はこちら

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