本記事は、2021年5月18日に開催されたウェビナー「失敗しないオンライン内見、IT重説のポイントとは?スペースリーウェブ会議の活用術」でお話しいただいた内容をまとめた記事となります。京都大学生活協同組合様にゲスト登壇いただき、2021年度のオンラインお部屋探し対応について、どのような対応をしたのか?をお話しいただきました。
主に以下のような内容についてお話しいただいております。
(1)初年度は厳しいルールを設けた上でオンライン内見30件、IT重説35件を実施
(2)簡単なマニュアルだけで問題なくオンライン対応を実施。ノークレームを達成
(3)当初否定的だったオーナー様も、VRを活用したオンライン対応に好意的に変化
オンラインによる対応が急速に進む中、オンライン内見やIT重説という言葉も事業者さまの中で一般的になってきたと感じております。
ただ実際には「まだ仕組みが整っていない」「社員によってやり方がバラバラで、なかなか統一できない」といった課題をお客様からお伺いすることもあります。
オンライン内見やIT重説を店舗内でしっかり仕組み化していくということは、新しい価値の提供や社員の負担の軽減や効率化に繋がっていくと思います。
ですので、繁忙期にスペースリーのウェブ会議を活用した事業者さまに、実際にオンライン対応に取り組んでみてどうだったかという点について、ご発表いただくということが今回のセミナーの趣旨になります。
スペースリー:
ゲストは京都大学生活協同組合の龍王さまです。
2015年に入協されまして、リビング事業部に配属。主に大阪・兵庫エリアの大学生協を担当されておりました。
その後京都大学生協に移籍し、住まい事業店に配属後、業務責任者に就任されております。
では龍王さまからひとことご挨拶いただけますでしょうか。
龍王:
京都大学生協の龍王と申します。よろしくお願いいたします。
京都大学生協で一年半、主に受験生や新入生のお部屋探しといったことをやらせていただいております。
ウェブの内見やIT重説は昨年から初めて取り組み始めたということもあって、正直自分的にはまだまだだと思うところがあります。アナログなやり方でやってるんじゃないか?という思いはあるんですが、良い面も反面教師な面もお伝えできたらと思っております。よろしくお願いいたします。
スペースリー:
まず初めに、京都大学生協さまがオンライン対応を決めた経緯や目的について教えていただけますか?
龍王さま:
おそらく皆さまも同様かとは思うんですが、このコロナ禍において県をまたいで移動してお部屋探しするということを敬遠される方が年々増えてくるだろうというのがまず1つありました。
一般的に「ウェブでお部屋を見て契約までする」という取り組みが広がっている中で、いつまでも「来ていただかないと決められません」というアナログ対応を続けていてもなにも進まないな、というのが問題意識としてありました。
どれくらいの数がオンラインご希望として来られるかはやってみないと分からなかったんですが、まずは窓口としてオンラインの対応等もできますよという声を上げなければいけないなと。それで短い期間で準備して導入を決めたというのが経緯になります。
スペースリー:
ありがとうございます。
急いで準備されたということですが、いつ頃から導入、準備をしたんでしょうか?
龍王さま:
導入をしようという話は昨年(2020年)の5月〜6月くらいからあったんですけど、他の着手しなければならないこともあって、結局実際に導入を始めたのは2020年の10月くらいになってからだったと思います。
一般的には毎年2月くらいから問い合わせが非常に増えてきますので、実際の取組み・対応というのはその時期からになるんですけど…。
「こういう方法でオンライン対応できます」という情報の発信は直前では間に合わない。なので、大体12月くらいには枠組みは決めようと、10月〜12月の2ヶ月間くらいで準備した記憶があります。
スペースリー:
来期2022年度の繁忙期に向けて導入を考えている方は、今くらい(2021年6月)から準備が出来ると良さそうですね。
龍王さま:
学生のスタッフやパートさんたち対応について、今年度でやり方はしっかりと構築できたかなとは思います。
一度対応の基本が出来ると、あとはコンテンツを充実させたり、ちょっとしたオペレーション変更があるだけなので、やはり導入が一番大変な作業なのかなと思いますね。
スペースリー:
京都大学生協さまでははじめに物件のVR撮影もお取り組みいただいていますが、どういった物件をVRで撮影されているか、撮影の方法について教えていただけますでしょうか。
龍王さま:
撮影自体はもう4〜5年前、私の着任前からやっていたんですけど、機材も年々アップグレードされてくるので、新しい機材を使って撮り直すということを昨年からしております。
件数的には100件くらい、前の機材で撮影したものも合わせると200〜300くらいは撮り溜めしています。
ご紹介している物件の中に、当社の管理物件の他に、周辺の家主さまや業者さまで扱っている物件を紹介することもあるんですけど、今は当生協管理物件のみを対象に撮影しています。
スペースリー:
ここから今回のテーマである部分について触れさせていただきたいのですが、お客さまはどのような流れでオンライン物件申し込みをするのでしょうか?
龍王さま:
HPを昨年リニューアルしたのですが、お部屋探しの流れを説明するページがありまして、下記がそのページになります。
https://www.s-coop-sumai.net/flow/
まずお客様から問い合わせがあったら、主に以下の2つの探し方があります、というのをご紹介します。
(1)実際に会場にお越しいただいてお部屋探しするやり方
(2)おうちからウェブ上で探すやり方
上記の説明をした上で、京大生協でオンライン対応を受ける上でのいくつかのルールを説明いたします。
基本的にオンライン対応の場合は「物件のご紹介から手続きまで全てオンラインで」「ご来場せずにお部屋を決めたい方」というのを前提条件として設定し、対応を受け付けています。
例えば京都大学の前期試験の日は、毎年300人くらいご来場いただいています。なので「すべてのお客様にオンライン対応しているとキリがないんじゃないか」という思いがありました。
やはりオンライン対応希望の方は多かったのですが、事情を聞いていると「明後日行くつもりなんですけど、その前に話を聞いておきたくて」という方が結構おられたんです。
もちろんそういった方にもしっかりと対応させていただくのが理想なんですけど、今年度は導入して間もないこともあって同時対応や一日に対応できる数も限られてくる。
なので、今年は「ご来場の予定がなく、お部屋をオンライン上で決めたい方」限定でオンライン対応を受け付ける形にしました。
結果、想定数よりも対応数は落ちたんですが、逆に言えばひとつひとつ丁寧に対応はできたので、実際に入居した後に「話が違う」というクレーム等は一切入りませんでした。
ちなみに、オンライン対応の受付は全て電話で受けました。
スペースリー:
一回のオンライン対応につき約1時間程度と決めていらっしゃったようですが、1時間の枠をオーバーしたような例はありましたか?
龍王さま:
2021年は導入初年度ということでオンライン内見の条件をちょっと厳しく設定したので、実際にオンライン内見の実施回数は30件程度、IT重説の実施回数は35件でした。その中で、時間超過したのは1組だけでした。
「事前にHPを見て、気になる物件を探しておいてください」とお願い事をしていたからかもしれないんですが、早い方は15分くらいで終わりましたし、最長でも1時間30分でした。
スペースリー:
オンライン対応を行う上でのルールについて教えていただければと思います。
龍王さま:
オンライン対応中に「この物件に決めたい」ということになれば、お部屋止めをして、申込書の案内や、後日書類を郵送した後にIT重説をもう一度別日で設定させていただくという流れです。
最初は「画面はつきますか?」「音は聞こえますか?」とかいう確認から、今日の流れ、お部屋が決まった後の流れを資料で確認して、口頭で説明してから接客スタートという形でした。
スペースリー:
スペースリーのウェブ会議を実際ご使用していただいてのご感想や、組織内部・お客様からのご感想があれば教えていただけますでしょうか?
龍王さま:
最初は「オンライン対応なんかできない」というような不安の声がスタッフからあったんですけど、実際にどういう流れでやるかを簡単なマニュアルで説明して、機材的な部分は周りがサポートするから、ということで納得してもらいました。対お客様を想定してロールプレイングをやってみることで、ハードルが下がっていったような感触がありました。
あとは、ウェブ会議システムには色々なものがあると思うんですが、できるだけややこしくないものを選びたいなという思いがあって。
スペースリーさんはアプリのダウンロードも不要でしたし、ただURLをクリックするだけで使えるので選ばせていただいた形ですね。
使ってみた感想としては、速度ももちろん気にならないですし、不満な点はほとんどないです。同時接続が4人までという縛りはあったんですけど、実際オンライン対応で4組以上が同時に話を聞くこともなかったので特段問題もなかったです。
スペースリー:
オーナーさまからの反応はいかがでしたか?
龍王さま:
これは来期の課題として認識している部分なんですが、こういったご時世なので、始まる前は「オンライン上で物件を見ずに契約」ということに対して前向きなオーナー様が多いのかと思っていたんです。
しかし、初めて電話で「オンライン対応中なんですけど契約したいというお客様がいらっしゃいます」という話をしたときに「一回も見てないんだったら断ってほしい」といった反発がありました。事前に「オンライン対応をしますのでご協力お願いします」というアナウンスを流すなど、理解を得る声掛け等はしておくべきだったなというのが反省としてありました。
その後、繁忙期に入ってからも例年より来場数や問い合わせ数が減っているという状況の中で、周辺の物件に空室も多かった。オーナー様も焦ってこられたのか段々と「やっぱり明日から学生が部屋を見てなくても契約とってくれて良い」「うちの部屋もVRを撮ってくれないか?」というお声が多く入ってきました。
スペースリー:
オーナー様の反応も繁忙期に入って変わっていったということですね。
では、来期の繁忙期に向けて、今回のお取り組みを踏まえてやっていきたいことは?
龍王さま:
今までお話したことがメインなんですが、来期の課題は主に3つです。
オーナーさまに対して状況説明と、ご協力のお願いを前もってアナウンスしておきたいのが1点。
VRの撮影や写真の作成などを含めて、コンテンツを徐々に充実していきたいというところが2点目。
3つ目は、オンライン対応2年目に突入するので、もう少しオンライン対応を受ける上でのルールを緩和して、もっと多くの方にご利用いただけるような仕組み作りをしていかなければ、というのが問題意識としてあります。
スペースリー:
京都大学生協の龍王さま、本当に素晴らしいご発表をいただきまして、誠にありがとうございました。
VRの有効活用とポイントを抑えたオンライン内見、IT重説の取り組みが広がることを今後も精一杯ご支援していければと思いますので、ご不明な点などあればカスタマーサポートにお問い合わせいただければと思います。
以上になります、誠にありがとうございました。
2021年11月リリース「2021年度 社員教育におけるVR活用の意識・実態調査」
世間一般におけるVR研修に関するイメージ(意識調査)と、実際にVRを導入している事業者の体感 (実態調査)の両面でアンケート調査を実施しました。
☑ 意識調査ではVRゴーグル購入や制作費用が高いイメージだが、実態としてはPCやスマートフォンにおけるVR活用がメインであり、年間コストも50万円以下とVRに対するイメージと実態にギャップがある。
☑ 意識調査では約6割の事業者が今後のVR活用について懐疑的。実際にVRを導入した事業者の6割以上が効果を実感。今後も利用を継続していくため、一度VRを試せば継続的に活用していく傾向。
ダウンロードはこちらから。ぜひ、今後の新人研修・社員研修にお役立てください。
不動産業界のVR活用方法については以下の記事をご覧ください。
VR不動産7選!不動産分野におけるVR活用法を事例とともにご紹介!