最近、よく見るようになった360度の撮影カメラ。
不動産事業者の利用も多くなっていますよね。
多くの360度カメラがリリースされていますが、解像度など質が一定程度以上であり、また撮影がしやすいリコーシータはとても人気の機種です。
2017年9月にはハイエンド機種のリコーシータVが発売され、画質もさらに良くなりました。
本記事では、そもそも360度カメラが何かといういう基本に触れた上で、リコーシータで簡単にワンランク上の綺麗な360度写真が撮れる方法をまとめます。
【目次】
360度カメラを使えば、以下のサンプルのような写真を撮影できます。
シャッターを1回押すだけで、上下左右全方位の360度パノラマ写真が撮れるカメラの通称です。
数年前は、Google ストリートビュー撮影装置に代表されるように、複数台のカメラで撮影してその画像を別のソフトウェアを使ってくっつけること(この作業のことをスティッチングと呼びます)で360度パノラマ写真ができていました。
最近の360度カメラは、一般的なものとして、前後に魚眼レンズがあり、シャッター1つで全方位を撮影し、そのままスティッチング作業まで自動化しています。そのため、非常に手軽に使うことができるのです。
解像度や性能も十分になり、使い方がとても手軽になってきたことで、一般に普及し始めました。
360度カメラと言っても、様々なカメラがあります。用途に応じて適切なカメラを選ぶこととなりますが、静止画中心で撮影する不動産事業者などにもっともよく使われているのがリコーシータ。
また、SamsungのGear360(サムソン ギアー360)も手軽なカメラで、安価にも関わらず綺麗な映像も撮ることができます。
リコーシータシリーズはいずれも形は似ているのですが、いくつかの機種があります。
2017年9月に発売されたリコーシータVは5万円以上するハイスペック機種で、いちばん画質は良いです。
参考記事:リコーシータ最新機種 THETA Vの静止画をTHETA Sと比較してみた
現在最も普及しているのはシータSとシータSCですが、静止画の画質、機能的にはこの2機種は変わりません。シータSCであれば2万円台前半で購入できるので非常に手軽です。
以下説明する使い方は、リコーシータシリーズのいずれの機種にも共通しています。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
「RICOH THETA」アプリをまずはダウンロードする必要があります。
以下のような黒のアイコンがRICOH THETAのアプリです。
アプリインストール後は、Wi-Fiでカメラをスマホを接続して、簡単に操作ができます。
あくまでおすすめのカメラの設定方法です。
各自慣れてくれば、もちろん色々な設定ができますが、簡単な割に十分な質の撮影をする、という観点でのおすすめ方法です。
上記写真のように、設定画面の方でプレビューを全画面にすると、明るさなど諸々調整がしやすいのでおすすめです。ただ、後ろは見えなくなってしまいます。
また、重要なのは、設定サイズを、5376×2688の高い解像度にしておくことです。
スマホの画面で見る分には気になりませんが、PCやウェブ上に移して見るときには、この解像度が無いと荒さが目につきます。
シータSやSCの場合、ひとつひとつのファイルサイズは4MB程度と多少大きくなりますが、解像度は高いほうに設定しておくことがおすすめです。
(シータVの場合、ファイルサイズは1-2MBになります。)
設定は絞りやISOなどマニュアルで色々とできますが、オートで撮影するのが簡単です。
オートの状態で「HDR合成」か「DR補正」を選びましょう。明るい場所が白くなって色飛びしてしまうことを防ぎます。
照明周りや窓から射す自然光、昼間の空が映る状況では、「HDR合成」「DR補正」はかなり有効です。
撮影する環境の明暗差が大きい(ダイナミックレンジが広い)ときには、HDR合成モードが有効です。
HDR合成は、リコーシータSに関しては、ファームウェアアップデートで追加された機能なので、アプリに見当たらない方は、こちらの記事ファームウェアアップデートをご参考ください。
リコーシータのHDR合成は、明度の異なる4枚を撮影して合成します。この場合も、動くものが入っていたり、三脚で固定しない状態での撮影はボケた画像となりやすいので注意しましょう。
また、夜の場面や暗い場所では、「ノイズ低減」を選びましょう。露光時間が長くなり、綺麗に撮れます。
動くものが入っていたり、三脚を使って固定しないでの撮影はボケた画像となりやすいので、注意が必要です。
HDR合成を使った撮影については、以下の記事で詳しく説明しています。
最後に、明るさを調整すればかなり綺麗な写真が撮れるかと思います。
少し明るめが良いです。注意は、窓など光が入るところを確認することかと思います。
明るく真っ白に広い範囲の色が飛んで白い場面が多くなりすぎるのは良くないので、窓側などをプレビューで見てみて適切な明るさを設定してみてください。
次に、具体的に三脚を使って撮るわけですが、この際にもいくつかのコツがあります。
360度撮影できる360度カメラですが、実は前後が存在します。
例えばリコーシータの場合、THETAのロゴが入っている方が前方、アイコンなどLEDが点灯している面が後方です。
もちろん、撮影後に編集したりすることはできますが、撮る際に気をつけておけば後々の手間がなくなります。
外ではあまり重要では無いですが、室内の時には重要です。天井と地面の大きさの比率が大きく変わるので、綺麗に違和感なく空間を撮るには、空間の高さの真ん中あたりが適切です。
厳密では無いですが、目安で言うと、一般的な分譲マンションなどの空間だと、高さ120cm程度が適切になります。
目線ほどの高さにしたい時、例えば、ギャラリーの展示のアーカイブとかでしたら、高さ160cm程度が適切になります。
360度カメラの画像はカメラの下部分は、三脚の頭を動かすためのレバーがあるかと思いますが、この部分があとで見ると結構邪魔で気になったりします。
そこで、レバーがついている三脚頭にさらに一脚を接続して、THETA S がレバーからちょっと高い位置にあると、その部分が小さく目立たなくなるのでおすすめです。アマゾンにも400円くらいの安価なコンパクト一脚が見つかります。
レバーは忘れず後ろに位置するようにしておきましょう。360度写真をあとで見ても、邪魔になりにくい場所です。
もしくは、最近は長く伸びる一脚も安価に購入することができます。ロング一脚であれば、ほとんど目立たなくなるので便利です。
これも目測でも良いと思いますが、気を使っておくことをお勧めします。
特に、360度写真をVR化して見る時には、頭を動かして見る場面が偏っていると、実際に経験者の声を聞くと、VR酔いを引き起こしやすかったりする傾向があります。
自分が360度写真に写りたい場合は関係ありませんが、写り込まないようにしたい場合は隠れましょう。
スマホで遠隔撮影をする時にどのくらい離れられるかは状況にもよると思いますが、自分自身とカメラの間に障害物があっても、5mくらいの距離であれば全く問題ありません。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
編集方法としては、シータのアプリで簡単なことができますし、公開方法としてシータのサイトにアップすることが可能です。
ただ、ちょっとした楽しみのための編集に限られ、綺麗な画像処理はシータのサイトではされていません。また、一つの物件の複数の写真をまとめたりの管理や、説明やキャプションを加えたりといった特定の目的に応じた編集は、有料の事業者向けのサービスになります。実際に、不動産分野を中心に360度カメラの利用やVRコンテンツの利用が拡がりつつあります。
このため、目的に応じた編集や公開については360度VRのビジネス利用というところでまずは進むと思われます。弊社の360度VR制作編集クラウドソフトSpacelyも多くの事業者に利用いただいています。
ただ、個人向けでも十分楽しめるものですし、公開について、1枚の360度写真のアップはFacebookも対応が始まり簡単になっているように、今後、広がっていくでしょう。
特に360度VRの活用が進む不動産分野については以下もご参考ください。
参考:不動産でVR?導入がすすむ理由と具体的な活用事例
今回、360度写真の撮影を始めるにあたって、リコーTHETA Sを使い、簡単だけどそれなりに上手く撮れる方法を整理しました。
これらのコツを使えば、ハイスペック版のTHETA Vはもちろん、リコーTHETA SやTHETA SCでも綺麗に撮影することが可能です。是非お試しください。
参考:
リコーシータ最新機種 THETA Vの静止画をTHETA Sと比較してみた
360度カメラ入門。リコーTheta SとSCの3つの違い。
今後、新しいサービスや、カメラを含め新しいデバイスもどんどん出てきますし、変化が早い分野です。慣れてきたら、色々なデバイス、方法を試して、目的にあった自分なりの方法を追求することもしてみてはと思います。
参考記事:
リコーシータの撮影のコツ 〜 マニュアル編
参考リンク:
360度カメラでの撮影についての記事一覧
360度カメラでの写真・動画撮影について興味がある方はこちら
360度カメラでの写真・動画撮影について興味がある方はこちら
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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不動産業界のVR活用方法については以下の記事をご覧ください。
VR不動産8選!不動産分野におけるVR活用法を事例とともにご紹介!