国内の不動産業界においても、VRに着目し、成約率アップを実現している会社が増えています。
コロナ禍で特に注目され始めたのは、自宅から内見できたり、内見時間を減らしたりできるシステム。
SUUMOやアットホームといった不動産情報サイトでも、VRコンテンツを掲載・閲覧できるような仕組みが整っています。
今回ご紹介するのは、VR内見・内覧のメリットや成功事例です。
どのようなメリットが得られるのか、導入時の注意点とともに詳しく解説します。
記事終盤では、VRの導入で成功している不動産会社を、実際のインタビュー記事とともにご紹介。
導入を検討している方や、少しでも興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
【目次】
VRは『Virtual Reality(バーチャルリアリティ)』を略した言葉です。
現実に近い仮想空間を作り出す技術や、その仕組みを指しています。
1960年台にはVRの発想が生まれ、その後初めて商用化されたのは1989年のことです。
以来、技術が進歩していき、今や自宅でも簡単に体験できる身近なものとなりました。
2020以降は、新型コロナのパンデミックにより”時間や場所を選ばない”VRが再び話題に。
企業や施設の人材育成、広報といったビジネスにおいても、積極的に活用されています。
不動産業界では、物件の内見・内覧時にVRを採用しています。
どのような形で活用されているのか、オンライン内見・内覧とは何が違うのかなどをチェックしていきましょう。
現地へ足を運ぶことなく、VR技術で作成した仮想空間内で、内見・内覧を行えるサービスのことです。
物件を360度カメラで撮影し、自社のホームページや不動産情報を扱うサイトなどに掲載します。
顧客は、VRゴーグルやスマホ、パソコンなどの画面で確認が可能です。
もちろん、内装の手触りや実際の雰囲気など、VRだけでは体験しきれない部分もあります。
しかし、VR内見・内覧を前もって体験してもらうことで、顧客とのミスマッチや双方の負担を減らせるのです。
VR内見では、アルバムをめくっていくような感覚ではなく、実際に扉を開けて進んでいくような感覚で見学できます。
紹介できるものは、以下のような物件情報です。
画像は全ての場所で360度見られるため、感覚的には実際の内覧とほぼ変わりません。
また、顧客に伝えたい情報があれば、画像やコメントを表示させることも可能です。
たとえば、
といった情報をVR内に表示できます。
ホームステージングとは、空室の物件画像に、CG加工で家具などを配置する方法のことです。
殺風景な室内よりも、顧客にリアルな生活のイメージを持ってもらえます。
その結果、よい印象を残せたり、購買意欲を高めたりできるのです。
ホームステージングをVRに取り入れたものが『バーチャルホームステージング』です。
顧客は、まるで実際のモデルルームにいるような感覚で内見できます。
空室であれば、分譲・建売住宅だけでなく、賃貸住宅でも効果的です。
「不動産会社の付き添いなしで内見できる」という特徴があるのが、VR内見・内覧です。
一方、オンライン内見・内覧は「不動産会社の人が、オンライン会議のツール(Zoomなど)や動画を用いて行う」サービスを指します。
オンラインでの方法は、プレゼンテーションの形であったり、不動産側が現地から映像を送る形であったりと様々です。
現地から離れた地域にいる顧客にとっても、不動産側から直接詳しい説明を受けられるメリットがあります。
しかし、オンライン内見・内覧では、以下のようなデメリットが生じてしまう可能性も。
VR内見・内覧ならば、あらかじめ撮影したデータを使用しているため、通信環境などに左右されることはありません。
また、顧客が現実に近い感覚で内見・内覧できるという点では、VR内見・内覧の方が遥かに優れています。
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顧客にとってのメリットは、大きく分けて3つあります。
これらのメリットを、1つずつ詳しく説明していきます。
VR内見・内覧では、過去に撮影した画像データを使用することが可能です。
物件の内部が見せられない状態であっても、物件の間取りや雰囲気を顧客に体感してもらえます。
売主や賃借人がまだ住んでいる場合や、リフォーム工事中である場合に便利です。
従来の方法では、最初に顧客の希望に合う物件を不動産がピックアップ。
その中から気になる物件を絞って、一緒に現地へ行く必要がありました。
しかし、VR内見を前もって体験しておくことで、現地へ向かう時間や手間などを大幅に減らせます。
また、不動産会社の付き添いがあると「押し売りされそうで不安」「急かされていると感じる」といった心配もあります。
VR内見であれば、不動産会社の人がいなくても、顧客自身のペースでじっくり内見できることが大きな利点です。
進学や就職といった理由で遠方から物件を探す場合、現地での内見が難しいことも多いです。
顧客のいる場所が物件から遠くなるほど、これらは大きな負担となってしまいます。
時間やコストなどを大幅に軽減させるためには、VR内見が最適です。
希望に最も近い物件をあらかじめ絞れることで、何度も現地へ行く必要がなくなります。
また、天気が悪い日でも、VR内見で実際の日当たりを確認できるということも、大きなメリットの1つです。
VR内見は、不動産にとっても素晴らしいメリットをもたらします。
先ほどと同様に、1つずつ解説していきます。
顧客の同伴で費やす時間は、数時間どころか丸一日になることもあるでしょう。
繫忙期に依頼が重なると、不動産側の負担がさらに増えてしまうため、同伴するだけでも骨が折れます。
あらかじめVR内見をしてもらうことで、いくつもの物件を巡る時間が不要に。
業務時間の短縮につなげられるため、業務効率が向上していきます。
VR内見では、顧客が簡単に内見を済ませることができます。
気になる物件をひと通り見ていれば、現地での内見も素早く終わらせることが可能です。
1つの内見が短時間で終われば、より多くの物件を顧客に提案できるようになります。
無駄な時間を減らすことは、結果的に成約率の向上へつなげられるのです。
従来は、現地に来ることが難しい顧客の成約率を高められませんでした。
しかし、場所を選ばないVR内見ならば、国外や地域外にいても物件を見られるようになります。
顧客がVR内見を済ませた後は、そのまま契約することも可能です。
現地で物件を案内せずとも、成約率の向上につなげられるというわけです。
これまでは、VR内見を導入した場合のメリットに注目して解説してきました。
しかし、VR用の撮影データを作成するためには、忘れてはならない注意点もあります。
VR内見用の物件画像を撮影するためには、専用機材の導入が必要です。
しかし、機材の価格は最低でも数万円はするため、全て揃えようとすると、どうしてもコストが高くなってしまいます。
反対にコストを抑えようとすると、機能が十分でない機材を選んでしまう可能性も。
さらに、撮影したデータを編集するためのパソコンや技術も必要となります。
予算や希望に合わせた機材選びが難しい場合は、専門業者へ依頼することがおすすめです。
室内の細かい状態や物件周辺の情報などは、VR内見だけでは全て伝えきれません。
特に中古住宅や賃貸住宅では、注意が必要です。
説明が不足していると、現地で再度内見した顧客に不信感を抱かせてしまったり、成約後のクレームに直結したりしてしまいます。
VR内見だけで把握できない部分は、不動産側が顧客にしっかり説明しなければなりません。
可能であれば、VR内見だけで完結するよりも、現地での内見もあわせて行うことが望ましいです。
物件に関する情報を丁寧に伝えることで、顧客の満足度をより高めることができるでしょう。
最後に、VR内見を採用し、成約率の向上に結び付けている不動産会社を4件ご紹介します。
掲載しているインタビュー記事もあわせて、ぜひご一読ください。
画像引用:「川商ハウス」公式HP
鹿児島県にある不動産会社です。
こちらでは自社のホームページ上だけでなく、店舗でもVR内見ができます。
VR内見をした場合の成約率は、現地だけの内見よりも高い傾向にあるそうです。
インタビュー記事はこちら:【VR不動産事例】VR内見で高い成約率を実現!|川商ハウス
画像引用:「明光トレーディング」公式HP
東京都の不動産会社で、空室物件のVRコンテンツを有効活用しています。
コロナ禍で「現地内見なしでの契約」が増えており、成約率は高い時で85%以上を達成。
VR内見が、顧客の安心感につながっているとのことです。
インタビュー記事はこちら:【VR不動産事例】現地内見なし!成約の85%以上がVR内覧|明光トレーディング
画像引用:「株式会社Good不動産」公式HP
福岡県にある不動産会社で、こちらではスーモを通して集客率向上を図っています。
スペースリーで作成したVRコンテンツを掲載したところ、物件に対する反響が4.7倍もアップしたそうです。
物件の撮影は、スペースリーの撮影アプリを使用しています。
インタビュー記事はこちら:【VR不動産事例】スペースリーのVR内見を活用して、スーモの反響率が4.7倍に!|Good不動産
画像引用:「快適マンスリー」公式HP
「快適マンスリー」は、株式会社明和住販流通センターが運営しています。
提供している物件は、家具付き・インターネット対応のレンタルマンションです。
スペースリーを導入したことで、「部屋の状況が分かりやすくなった」と語っています。
インタビュー記事はこちら:マンスリーマンションをウェブでVR内見?インターン生が聞いてみた! 〜明和住販流通センター快適マンスリー〜
VR内見・内覧のメリットを、もう一度簡潔にまとめておきます。
新型コロナの拡大をきっかけに、世間では業務やサービスのオンライン化が進んでいます。
今後は、「時間や場所といった制約を受けない」「老若男女を問わない」といったVR内見のニーズも高まるでしょう。
業務効率の改善、成約率の向上などを望んでいる方は、VRの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
もし、導入前に気になる点やお悩みの点などがありましたら、ぜひ一度スペースリーにご相談ください。