賃貸不動産の分野でVRというと、リコーシータなどで撮影した360度写真を素材にしたものが主流です。一方で、新築物件のように、まだ物件が完成していない場合は、写真撮影をすることができないため、CGのVRコンテンツが活用されています。
安心計画が提供する「ウォークインホームプラス」で制作した3Dモデル空間のキャプチャ画像
CGの360度空間モデルを制作するのは、以前は高度なスキルが必要でしたが、現在では一般的なハウスメーカー、工務店でも使えるようないわゆる3Dキャドソフトも数多く出てきています。ただ、扱いやすくはなったものの、クオリティにこだわると労力がかかり、外注するとそれなりにコストはかかります。
360度写真ベースのVRコンテンツの場合、矢印をクリックするなどして、別のシーンに移動します。一方で、CGの360度空間モデルは奥行きまで計算、再現されているため、空間の中を歩くように動き回ることもできます。したがって、VR体験はより没入感の高いものになりますが、スマホではなく、オキュラスなどのよりハイエンドな機材が必要になります。新築マンション販売のモデルルームなどの来場客向けのコンテンツとして活用されています。
3Dキャドソフトで作ったモデルから書き出した360度画像を素材にしたスペースリーコンテンツ。
3Dキャドソフトでは、制作したモデルの1視点からの風景を、360度写真と同じフォーマットで書き出すことができます。書き出した360度画像は、スペースリーのようなVR制作ソフトにアップロードすることで、ウェブブラウザで再生可能なVRコンテンツになります。3Dモデルのように空間内を自由に移動することはできなくなりますが、自社HPに埋め込んだり、URL やQRコードで簡単にお客様と共有できるようになるため、ウェブコンテンツの方が使い勝手は良くなります。
実写の360度写真にCGの家具を重ねたもの。右は家具なしの写真。
360度写真上にCGで制作した画像を組み合わせることもできます。代表的な使い方として、360度写真上にCGで制作した家具や小物を配置するバーチャルホームステージングがあります。違和感がないように大きさを調整したり、影をつけたりする加工の部分に手間がかかるため、一般的には1枚あたり数万円程度の費用がかかりますが、実際にホームステージングをする場合の費用や手間と比較すると手軽なため、中古の売買や買取再販などの分野で活用されています。
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VR空間上での家具のコーディネートなどが簡単にできるようになると、内見の代替ではなく、VRならではの利便性を提供することができるようになります。AIなどの活用により、CGの制作、加工のコストが一段と下がれば、賃貸住宅の分野でも一般的になっていくでしょう。
最後までお読みいただいてありがとうございます。
(この記事は全国賃貸住宅新聞2018年4月23・30日号掲載「そろそろVRはじめませんか」第12回の内容をベースにしています。)
不動産業界のVR活用方法については以下の記事をご覧ください。
VR不動産7選!不動産分野におけるVR活用法を事例とともにご紹介!