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VRショッピング事例10選 !知っていますか?未来の買い物のカタチ

VRがもっと発展・普及した世界になったら、あなたは仮想空間で何がしたいですか?
「普段は足を運べないような、こだわりのあるお店や海外のお店にも自由に足を運んで、買い物を楽しみたい!」そう考える方は多いのではないでしょうか。

実は、既に国内外の多くの会社がVRショッピングサービスの開発・提供を開始しています。また、Amazonのような大手企業は、期間限定でVRショッピングサービスの提供を行い、今後どのように自社サービスに組み込んでいくのか検討しているという状態でもあります。

そんな今、ショッピングにおいてVRがどのように活かされているのかを知りたい!という方のために、今回の記事では、国内外のVRショッピングサービス、および過去に行われた期間限定のVRショッピングイベントを10例、イメージの湧きやすい動画と共にまとめてみました。

 

1. 日本国内のサービス

まずは、日本国内のサービスを4つまとめてみました。

1-1. VRショッピング「STYLY」

STYLY ロゴ

株式会社Psychic VR Labの提供する「STYLY」は、誰でも直感的にVR空間をデザインすることのできるVRプラットフォームです。

“STEREO TENNIS NEON TOWN” by STEREO TENNIS from STYLY on Vimeo.

これまでは、VR空間を作り上げるのには多くの専門知識が必要でしたが、このSTYLYを使えば、まったくプログラミングができない人でも、上の動画のような独創的なVR空間を簡単につくることができます。

STYLYはファッション特化のVRショッピングサービスとして開発されており、このサービスによって創られた空間を売り場として、VRショッピングが展開されることとなります。

STYLY デモ画面

このような仮想の売り場でビジネスを行うことの利点として、Psychic VR Labの方は、

・低コストで店舗を構築できること
・ほぼ無限大の売り場空間を作れること
・空間表現、装飾に物理的制約がないこと

などを挙げています。 (出典:VRで加速するファッションの魔法

確かにVR空間であれば、お店の広さに制約はありませんし、また実際の店舗のように在庫を抱える必要もないため、かなり低コストで売り場を構築・運営していくことができますね。

三越伊勢丹やPARCOとの協業も進むなど、順調にサービスを大きくしている様子のSTYLY。

大手のブランドショップだけでなく、個人が制作したオリジナリティ溢れるVR空間でのお買い物も楽しめるようになる日が、筆者はとても楽しみです。

1-2. エスキュービズム「EC-Orange VR」

EC-Orange VR

「EC-Orange VR」は、株式会社エスキュービズムが提供するECサイト構築の支援システム「EC-Orange」のひとつとして提供されている、VR店舗構築システムです。

VR技術で特許を持つ株式会社タッグ、および画像認識技術を持つ共同印刷株式会社との共同開発で、2017年9月頃から提供が開始されました。

「EC-Orange VR」は、実店舗をVRコンテンツ化するサービスと、ECサイトをVRコンテンツ化するサービスの2つを提供しています。

棚の配置換えなどで更新が滞りそうな点が心配な実店舗のVR化ですが、今後は監視カメラやロボットによる撮影が可能になり、自動で店内の様子を更新できるようになるそうです。

監視カメラのイメージ

更新などメンテナンスが行いやすいという点は、事業者にとっては非常に大切なことでしょう。特にアパレルなどの流行り廃りが激しい分野においては、簡単にコンテンツの更新が行えることが必須条件となりそうです。

どちらのVRコンテンツもブラウザベースで閲覧することが可能なので、消費者は専用のアプリなどをダウンロードする必要がなく、これまでのECサイトと同じように利用することができます。

バレンタインショップ

企業による導入も進んでおり、今年の1月10日〜2月6日までの間には、株式会社セブン&アイ・ホールディングスがバレンタインショップとして特設VRコンテンツをオープンしました。

ファミリア

また、株式会社ファミリアは、「EC-Orange VR」を用いて、アパレルブランド「ファミリア」の代官山店、横浜元町店の実店舗をそのままVR店舗化しています。

もともとECサイトの構築支援を行っているだけあって、ノウハウを確立していると思われるエスキュービズム社。「EC-Orange VR」を用いたVR店舗が続々とオープンし、ECのあり方そのものが変わってしまう日が、もしかしたらすぐそこまで迫ってきているのかもしれません。

1-3. ハコスコ「VR for EC」

VR for EC

大人気360度カメラ「Intsa360」シリーズの日本代理店を務めるなど、国内VR市場において大きな存在感を誇る株式会社ハコスコ。

そのハコスコ社が2017年1月、株式会社シー・エヌ・エスとマーケティングパートナーシップを締結し、サービス第一弾として発表したのが「VR for EC」です。

シー・エヌ・エス社の持つ広告プロモーション領域でのノウハウと、ハコスコ社のVRプロモーションサービスを用いて、様々な業種やコミュニケーションシーンにおけるVRコンサルティングを行うとしています。

VR for EC

この「VR for EC」は、VRのもつ世界に入り込める感覚(没入感)、および、自分ではない誰かになれる感覚を活かしたショッピングサービスです。

VR for EC

これまでに紹介したような、バーチャル店舗をVR空間で見てショッピングをする、というようなコンテンツとは異なっており、空間そのものが「憧れの世界」となっている、ストーリーマーケティングであるとしています。

1-4. kabukiペディア「VR Shopping with Voice Chat」

kabukiペディア

株式会社KABUKIが運営するメディア型ECモール「kabukiペディア」において、「VR Shopping with Voice Chat」というVRショッピングサービスが提供されると発表がありました。

kabukiペディアは、商品のストーリーを記事として掲載することで、利用者の潜在的な需要を喚起、購買意欲を高め、そのままECでの購入へと繋げることを目的としたECモールです。

他のVRショッピングサービスと「VR Shopping with Voice Chat」を比較したときに面白いと思った点が、「VR Shopping with Voice Chat」は会話機能に重点をおいたサービスであるというところです。

kabukiペディア

一人黙々と行うことの多いインターネットショッピングに、誰かと一緒に楽しめるという要素を組み込んだこのサービスは、ネット時代におけるショッピングのあり方を、改めて考えさせてくれるものだといえるでしょう。

 

2. 海外のサービス

もちろん日本国内だけでなく、海外発のVRショッピングサービスも多くリリースされており、年々その数とクオリティは高くなってきています。

2-1. アリババ「BUY+」

アリババグループのロゴ

中国のEコマース企業、アリババグループの提供する「BUY+」は、2016年に中国国内にリリースされたVRショッピングサービスです。メディアにも大きく取り上げられたので、ご存知の方も多いかもしれません。

仮想空間内を自由に歩き回って、リアル店舗と遜色ない買い物体験ができるというのがこのサービス。まさに未来のショッピングですね。

BUY+のイメージ

しかし、大々的にリリースしたものの、想定されていたほど「BUY+」は普及せず、アリババは方針を転換してAR技術を利用したショッピングサービスの提供を進めています。

BUY+のイメージ

VRは、VRゴーグルなどの専用端末を必要とすることや、技術的にも実用段階に入っていなかったことなどから、サービスを開始した2016年に広く普及させることが難しかったそうです。

数年経って技術が追いついてきた頃に、また再びVRショッピングに注力するのでしょうか。中国ECの巨人の今後の動きに注目したいところです。

2-2. eBay「VR百貨店」

eBayのロゴ

世界最大級のインターネットオークションサイトeBayは、オーストラリアの大手百貨店MYER社と提携し、「Virtual Reality Department Store(VR百貨店)」を開発しました。

実店舗の写真をベースにVRコンテンツを作るのでも、店舗風のCGモデルを制作するのでもなく、独自の近未来チックなインターフェイスでショッピングができるように設計されているのが特徴です。

VR百貨店

商品を3Dで360度から閲覧することができるこのサービスを使えば、一般的なEC店舗上で写真を見るよりも、より具体的に商品に対してのイメージを持つことができます。

VR百貨店

買い手の好みを学習し、関連するアイテムを提案してくるというこのVR百貨店があったら、一日中家でウィンドウショッピングをしてしまいそうですね。

 

3. 過去に期間限定で提供されたVRショッピングサービスなど

既に過去には、いくつものVRショッピングサービスが期間限定で開催されています。

3-1. Amazon VRショッピング

Amazonのロゴ

言わずとしれたネット通販最大手のAmazonも、もちろんVRショッピング時代に向けて動き出しています。

年に一度の大きなセールである「プライムデー」に、ベンガル、ムンバイ、カルカッタなど、インドの主要都市10ものショッピングモールにブースを出店しました。

用いられたデバイスはOculus Riftで、利用者はOculus Touchのコントローラーを使って、商品の外観を360度から確認したり、服をモデルに投影したりと、VRならではの体験ができました。

amazon vr

プライムデー終了後は、利用者の反応を見た上で、モールに残すかどうかを判断するそうです。もしそのままVRショッピング空間が残れば、プライムメンバーに向けてこのサービスは続くようです。

ブースのイメージ

動画をご覧いただけるとわかっていただけると思いますが、かなり出来のいいサービス・プロモーションです。ぜひ日本でも行ってほしいキャンペーンですね。

3-2. VR PARCO

VR PARCOのロゴ

株式会社パルコは、株式会社VOYAGE GROUPと共同で、2017年3月22日から4月19日にかけての間、VRショッピングサービス「VR PARCO」をオープンしました。
VR PARCOのイメージ

ブラウザベースのサービスで、スマホやPCなどデバイスを問わず閲覧することが可能。360度店内を見て歩き、店頭商品の取り置きや購入を楽しむことができました。

VR PARCOのイメージ

今年の3月にはアメリカにおいて、PARCOが「STYLY」とコラボしたサービスのデモンストレーションが行われました。更にブラッシュアップしたVR PARCOを、近いうちに日本でも体験できるかもしれません。

PARCOは他の国内ショッピングセンターに比べて、VRのような最新技術をかなり積極的に取り入れてプロモーションしている印象があります。今後の動向も楽しみですね。

3-3. 2017コリアセールフェスタ

コリアセールフェスタ

2017年9月28日から10月31日までの間に開催された、韓国最大規模のショッピング観光イベント「コリアセールフェスタ」では、VRショッピングモールが展示されました。

「消費者がデパートに訪問することなく、VR世界でのショッピングを体験しながら、商品を実際に購入することもできる、世界初のVR複合ショッピングモール」ということで、多様な企業が参加して、未来のVRショッピングが運営されたとのことです。

3-4. WorldPayのVR決済サービス

worldpayのロゴ

アメリカの決済サービス企業WorldPayは、VRショッピングにおいての決済システムのデモを制作、2017年に発表しました。

VRショッピングの一番の問題は、決済の段階になるとどうしてもゴーグルを外す必要性が出てきて、没入感が削がれてしまうところ。そこでWorldPayは、このVR決済システムを開発したというわけです。

デモのイメージ

このシステムを使えば、少額の買い物であれば、VR空間内にあるクレジットカードをカード読み取り機にかざすだけで決済が完了します。

また、デモ動画のように、£30以上の高額決済の場合にはパスワード入力を求められますが、これもAirPINと呼ばれる仕組みにより、VR空間にいたままで決済が可能となっています。

VRショッピングが普及すれば、それに付随して、このような付帯サービスも多く提供されるようになっていくことでしょう。

 

4. まとめ

一口に「VRショッピング」といっても、実店舗をそのままVRコンテンツに落とし込むものから、独自のインターフェイスでショッピングを実現するものまで、様々なアプローチがあるということがおわかりいただけたでしょうか。

ともすると実店舗VSネット店舗という対立構図がイメージされやすいのですが、Amazonの例を見てわかるように、実店舗とネット店舗(VRショッピング)はシナジー効果を生めるものです。

うまくVRが活用されれば、事業者にとっても消費者にとっても、便利で楽しい世界が実現されてゆくことでしょう。今後のこの分野の発展が楽しみですね。

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