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VRを使った建築・ 建設現場・工事現場での活用事例9選!メリットや注意点は?

VR 建設

VRはゲームやコミュニケーションツールとして使われることが多いと思われがちですが、実はビジネスシーンでの活用も目覚ましい昨今。中でも建設・工事現場での導入が増えつつあります。

ここでは建築・建設・工事現場でVRがどのように活用されているか、そして実際に導入している企業の事例も紹介していきます。

不動産、小売店、展示会、研修など、様々な分野のVR活用事例を1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「ビジネスのVR活用!ニューノーマル時代への対応事例」よりお願いします。

 

【目次】

VRの建築・建設・工事現場での活用法

建築・建設、そして工事現場で導入されているVRはどのようなものがあるでしょうか。ここではVRの活用法について解説していきます。

VRの建築現場での活用方法①完成後の建物をVRでモデル化する

建築や建設現場では、設計時と建築物の完成品とのイメージギャップを埋めるためにVRが活用されることがあります。建築や建設現場ではよくありがちな、完成後に「想像していた家・建物と違うじゃない!」といったクレーム。

VRで建物の外観や内部を立体モデル化させることで、竣工前に完成後をイメージしやすくなるので、クレーム回避にもつながります。

VRの建築現場での活用方法②建築中の足場の状況の再現

工事現場や建設現場では、安全確認として足場の確認が重要です。その点でもVRは活躍します。災害や事故が起こりそうな複雑な現場の場合は、足場を組む前にVRで設計を立体再現して確認することで、リスクの高い場所をある程度想定することができます。

3DCGだからこそできる、平面では把握できない部分も見られるので、より安全な作業環境を作り作業効率をアップさせることも期待できます。

VRの建築現場での活用方法③完成する建物の風通しなどの確認

もう一つ欠かせないVRの特徴は、環境の再現度が高いという点です。熱流体解析ソフトを使うことで、風の流れが体験でき、設計図では見えない風の強さ・流れもVR技術を使えば再現可能。建設前に、建物内部への風の通り抜け方や、どこの部屋が暑くなりがちかなどが分かります。

実際に現場が始まる前に、建物の快適性や問題点などが分かることで修正しやすくなり実際の建築物の質の向上にもつながります。

VRを建築・建設現場・工事現場で採用するメリット

VR技術を建築現場などに導入することで、様々な効果やメリットが得られます。ここでは項目ごとに紹介していきます。

VRを建築現場で使うメリット①社員の教育ツールになる

VR技術は社員の教育ツールとして活用できるという点が挙げられます。新人教育や新しい分野の研修をする場合、実際の建設現場を使うと維持費・安全管理・人件費といった多くのコストが発生します。

しかし、VRだけで完結するのであれば時間や場所に関係なく安全な環境で教育ができます。施設の維持費・人件費といったコストの大幅な削減も期待できます。

VRを建築現場で使うメリット②顧客とのコミュニケーションに役立つ

カタログや設計図・企画書といった平面的な資料での説明は、イメージをはっきりさせるには物足りない部分がありました。その結果、顧客がイメージしていたものとは違ったというクレームが生じることも少なくありませんでした。

しかし、VRを活用することによって立体的なイメージを提示できることから、顧客のニーズに合致した建物を設計できているかのすり合わせも可能になります。顧客との円滑なコミュニケーションを結ぶ上でもVRの活躍は期待できるでしょう。

VRを建築現場で使うメリット③作業員全体でイメージ共有をしやすい

VRの活用は、研修中の社員や、顧客向けだけでなく作業員全体に対しても有効になります。現場での指示を出す際に、口頭や書類だけでの説明では、作業員の知識や経験によって理解度に差が生まれてしまうことも。

しかし、VRで立体的な映像を映し出して疑似体験をすることで、作業員全員が同じレベルでの情報を共有することが可能になります。その結果、作業効率のアップが期待できるほか、現場での円滑なコミュニケーションにつながります。

VRを建築現場で使うメリット④事故防止効果がある

現場のイメージができるということは、事故防止にもつながるということ。特に危なくてなかなか人が入りにくい場所をVRで再現することで、その場所へ行かなくても行ってるように体験でき、不慮の事故やケガのリスクを減らすことが可能です。

VRを建築現場で使うメリット⑤BIMで設計した原寸大のデータが見える

建築分野での設計でよく使われるBIMという設計ソフトにおいてVRを導入すれば、原寸大のBIM設計の世界に入りこむことが可能になります。3DCADとは異なり、BIMはVRを含めた様々なデータへの変換が可能です。

VRデータに変換した映像の中で歩き回ることができるので設計ミスを見つけやすくなります。

VRを建築現場で使うメリット⑥利用へのハードルが低い

VRの利用には必ずしも特殊な端末がないといけないわけではありません。パソコンやスマホ・タブレットからでも利用ができ、すでに持っている端末からVRを見ることができるので、比較的現場に導入しやすいことがメリットです。

一方で、VRを作るためには特殊な機材などが必要になるので、注意しましょう。

不動産、小売店、展示会、研修など、様々な分野のVR活用事例を1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「ビジネスのVR活用!ニューノーマル時代への対応事例」よりお願いします。

 

VRを建築・建設現場で採用する上での注意点

建築・建設現場、そして工事現場において様々なメリットがあるVR技術ですが、導入する際にいくつか注意してほしい点があります。

VRを建築現場で採用する注意点①時間・手間といったコストがかかる

VR技術を建築・工事現場に取り入れる際には機材の準備や慣れるまでの時間、そして初期導入の際にコストが発生するということです。何よりも操作に慣れるまでに手間がかかるということも懸念事項でしょう。

しかし一度導入してしまえば、日常的に発生するコストはあまりなく、様々なメリットもあるのでぜひ検討してみてください。また、研修を設けるなどをすれば電子機器に苦手意識を持っている人でも段階を踏んで徐々に覚えていけるでしょう。

VRを建築現場で採用する注意点②初期費用の問題

VR技術を使ったコンテンツの作成をする場合には専用の機材が必要になります。よりリアリティをあげる機材でいえばHMD(ヘッドマウントディスプレイ)やゴーグルといった機器を揃える必要があります。

どれくらいのクオリティ・目的を設定するかにもよりますが、初期費用は最低でも30万円程度は見ておく必要があります。一方で、初期費用がかかるだけであり、その後の費用はあまりかからないため、他の機材と比べても長期的に見れば安価に済むケースもあります。

VRを建築・建設現場で採用した企業事例

ここではVR技術を建築・建設現場で採用した企業の事例を紹介していきます。VRを導入することによって期待できることや、効果などを挙げていくので導入を検討している際にはぜひ参考にしてください。

VRを建築現場で採用した事例①つくし工房

参考:VRで防ぐ工事現場災害

つくし工房では工事現場における様々な災害・事故現場を再現し、作業員への意識向上を目的としてVRを導入しています。たとえば、飛来災害の危険や足場からの墜落災害の怖さ、さらにロードローラーによる重機災害といった実際に現場で起こりうる事故・災害をリアルに再現できています。

恐ろしい工事現場の飛来災害

参考:https://www.tukusi.co.jp/column/theme03/column02.php

岩石などが積み重なるような場所での作業は常に危険が伴います。特に飛来事故はこのような現場で最も注意しなくてはならないこと。道路を通行止めする範囲や、十分な距離はどれくらいとればいいのかといった説明が立体的な映像と共に把握できるのが特徴です。

飛来災害を防ぐために

つくし工房公式サイトより引用

つくし工房ではVR映像をヘッドマウントディスプレイを使って疑似体験をしていきます。あらゆる事故・災害現場の再現を通して安全教育を行うことが可能となります。

VRを建築現場で採用した事例②ラストマイルワークス株式会社

参考:https://youtu.be/eVnOSk38K6U

ラストマイルワークス株式会社は、住宅関連業界向けのVRサービスを提供している会社です。VRでモデルハウスを構築し、オンラインによる内見サービスを行っています。

参考:VR空間共有プラットフォームcomonyを利用した、住宅関連業界向けサービスの提供開始

3Dデータ化した設計データは施主のパソコンやスマホに配信可能なので、時間や場所を選ばずに見られるのが特徴です。オンライン上でモデルハウスを疑似体験してほしい・新しい広告事業をしたいと思っている企業にとっておすすめでしょう。

VRを建築現場で採用した事例③東急建設株式会社

東急建設株式会社では、業務の効率化・生産性向上を目的としてVRを導入しました。建設に必要な資料の共有にはこれまでであれば、印刷・配布、メールで送るなど、時間がかかりますが、VRを活用することで場所に制限がなく同じ情報を同時に確認できるようになりました。

参考:東急建設とリコー、VRの活用で建設現場の合意形成を迅速化する実証実験を開始

これにより、発注者・設計者・施工者・協力会社など異なる部署や組織の関係者でのスムーズな対話を可能としました。さらに建築物の疑似体験によって複雑な構造な建物であっても、関係者が同じレベルでの理解が得られるのもVRならではの特徴といえるでしょう。

参考:新入社員の1日をVRで体験 東急建設がスマホアプリ公開

同社では新入社員の1日をVRによって疑似体験できるスマホアプリも配信しています。普段見えにくい建設現場や業務内容などを臨場感をもって体験できるので、入社後のミスマッチを回避することも期待できます。アプリはVRゴーグルがなくてもスマホで見られるので、気軽に体験できる点も良い点です。

VRを建築現場で採用した事例④大林組

VRで再現した鉄筋のモックアップ(以下の資料:大林組)

参考:VRとBIMで施工ミスを再現!大林組が現場教育システムを開発

施工管理には鉄筋配置の不具合を見つけるためにスキルや知識が必要とされます。スキルアップのためには、定期的に教育用に作られた躯体モックアップを作って研修を行ってきました。

しかし、これにはコストや手間がかかるという課題も生じていました。そこでVRとBIMモデルを融合させた研修を導入することでこれらの問題をクリアできました。

HMDを装着してVR映像上に表示される鉄筋配置の不具合を探すことができるので、実物さながらの研修が行えます。

パソコンやHMD、コントローラーなどからなる「VRiel」のシステム

首を左右・上下に動かして周囲を見回せるので、実際の向上現場のような感覚で研修できるのが特徴です。またBIMモデルを変更・追加することで不正解・正解のパターンを変えられるので、実物のモックアップよりも多くの事例を体験できるのもVRならではの強みといえます。

VRを建築現場で採用した事例⑤株式会社明電舎

参考:VR安全体感教育

株式会社明電舎では、安全体感教育サービスの一環としてVRによる労働災害が疑似体験できる、「安全体感車」で建築会社に出向いて研修を行っています。全国に出張可能なので、VR技術の導入を検討している、あるいは体験してから検討したいという企業にも良いでしょう。

専用のVRゴーグルとリモコンを使って、作業現場で起こる危険災害などを疑似体験していきます。

参考:積載作業での挟まれ

システムの特徴として、一度に複数人がVR体験を行えるので、研修効率がアップします。さらにWi-Fiで通信可能なので、研修をリモートで行うこともでき安心です。

参考:溶接作業での火災の疑似体験

事故を疑似体験することで危機意識を持ってもらうことと、どんな場面で危険が潜んでいるかといった事も分かるようになることを目的としています。

なお、月額定額料金で導入できるので初期費用が抑えられることと、VR安全体感教育コンテンツは9種類から自由にダウンロードできるので、導入へのハードルも高くないのがポイントです。

VRを建築現場で採用した事例⑥大成建設株式会社

参考:大成建設、VR経由で重機を遠隔操作する「臨場型映像システム」を発表

大成建設株式会社は、VR技術によって重機を遠隔で操作するシステムを開発しました。HMDを装着し、左右の魚眼カメラの映像をリアルタイムで表示させることで実際に搭乗している間隔で操縦が行えるというものです。

立体的な映像なので奥行や距離感などもしっかりと感じられる映像となっているのもVRならではといえます。また実際にその場にいなくても作業ができるので、災害現場といった危険な場所でも迅速な対応が可能となります。

建築業界や災害復旧工事以外にも、土木工事といった建築現場に導入していくことで、安全に効率よく作業ができるような展開を進めていく予定とのことです。

まとめ

VR技術を建築・建設・工事現場での導入している会社の紹介、そしてメリットや注意点などを紹介しました。ビジネスシーンでの活用の場が広がりつつあるVR技術は、危険やリスクが存在する工事現場や、建築業界でも非常に有益となります。

初期費用といったコストは発生しますが、将来的に見て潜在するリスクや危険を事前に回避できる点や、異なる部署にいる人たちとのスムーズなコミュニケーションをとるためにも大変画期的な技術といえるでしょう。

 

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