Alexander McQueen show at Paris Fashion Week 2007
Photo by rouel dionisio on Flickr
これまでテクノロジーといえばミシンくらいだった(失礼!)ファッション業界はいま、空前のテクノロジー革命のさなかにあります。この「Fashion×Technology」の大きな流れのことを指してFashion Techと呼んでいます。
テクノロジーといえばミシンくらいだった、というのは言い過ぎかもしれませんが、20世紀の重工業的な意味での技術進歩よりは、今日の情報革命における技術の進歩に影響を受けているのは間違いありません。
みなさんもよくご存じのメルカリやヤフーオークションなどのC2Cサービスもその一つでしょうし、ZOZO TOWNやファッションブランドのオンラインショップも、いまでは随分と身近になりました。
もちろんこうしたFashion Techの流れの中で、ファッションの分野でVRを活用しようという動きも出てきています。
たとえば中国のアマゾンことアリババでは、自社のもつ最大のECサイトであるタオバオワンにてVRでショッピングができるサービスをリリースしました。
また、オンライン上でVRで試着ができる「VR Fitting」と呼ばれるサービスも続々と登場しています。
そんなVRの活用例の一つに「ファッションショー×VR」の取り組みがあります。
もっとも有名なファッションブランドの一つであるDiorは、なんと驚くべきことに、専用のVRヘッドセットを開発してしまいました。上記の動画はDiorの自社VRグラスである「Dior Eyes」のプロモーションビデオです。(360度VRではありません。)
またDiorは普段はいることのできない、関係者だけのファッションショーをVRで体験できるコンテンツや……
2015年秋冬のパリコレ、さらには……
2016年春夏のコレクションを体験できるVRコンテンツを作成しています。
特に2016年春夏のコレクションは天井や側面に張られた鏡が幻想的ですね。
関係者だけのファッションショーの簡素な舞台に比べると、実際のコレクションがいかに作りこまれているかがわかります。
アイビールックのブランドとしてひときわ有名なトミー・ヒルフィガーも、自身のコレクションをVRで体験できるようにしていました。
Photo by Jimmy Baikovicius on Flickr
日本では去年頃、表参道の旗艦店にて「SAMSUNG Gear VR」を導入し、来訪したユーザーが実際に装着できるようになっていました。なお、現在は見られないようです。Youtube等にも投稿されていないようですね……。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
なんとあのユニクロでも、自身の2016年春夏の展示会の様子をVRで体験できるようにしています。
専用の特設サイトを用意していて、こちらから、テーマ別(コンテンポラリー、キッズなど)、デザイナー別(ルメールなど)、商品別など、さまざまな360度動画がみられるようになっています。
最後に
紹介するのは、Jason WuというデザイナーのニューヨークコレクションをVRで体験できる動画。ただしこれはブランド自身が作成、公開しているのではなく、ウォールストリートジャーナルが取材の一環で作成した動画のようですね。
Jason Wu、まだまだ日本だと聞きなれないブランドですが(私自身も初めて聞きました)、海外だと結構知名度があるようですね。オバマ元大統領の妻であるミッシェル夫人がパーティで着用していたようです。
以上のようにファッションショーにおけるVRの活用例をみてみました。クオリティ自体は高いようですが、まだまだ一般公開されていなかったり、そもそも数が少なかったりと、伸び盛りの領野なのは明らかですね。
冒頭で紹介したVRでのショッピングと組み合わせればより効果的になるでしょうし、いずれはVR専用にファッションショーが企画されるでしょう。自宅にいながらブランドの持つストーリーに触れられる、そんな時代はすぐそこまで迫っているように思えます。
ファッションショーの様子だけではなく、ブランドムービーを360度動画で制作しているところも多くあるので、次回はそちらについてまとめたいと思います。
参考リンク:
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