VRと空間データ活用のヒントが見つかる

HTCの月額プラン『Viveport Subscription』を1ヶ月試してみた!

4月5日、Viveportが月額6.99ドル(約800円)でVRゲームを自由に遊ぶことができる新サービスを開始しました。今年の1月に行われたCES 2017でアナウンスされ、ついにローンチされたこのサービスは、果たしてオトクなのでしょうか。
今回の記事では、HTC Viveを所有する筆者が、1ヶ月の無料体験をしてみた感想を書いてみます。

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1. そもそもViveportって?

PC向けVRゲームを配信するプラットフォームはいくつかあります。最も有名なものは長い歴史を持つSteamです。Steamは2003年から続くPCゲーム配信プラットフォームで、大作ゲームからインディーゲームまでの幅広い取り揃え、盛り上がりを見せるコミュニティで人気があります。
そのSteamを運営するValveとHTCが手を組んで開発したのがHTC Viveなのですが、去年の9月にHTCも独自のVRゲーム配信プラットフォームをスタートしました。それがViveportです。

ゲームコンテンツを多く配信するSteamに対して、Viveportはアートや教育、映像作品など、あらゆるVR作品を配信するために作られたプラットフォームです。VRはゲーム以外でも様々な分野での利用が考えられるため、今後に期待ができるサービスです。

2. 遊べるのは一ヶ月に5タイトルまで

記事のタイトルで「遊び放題」と記述しましたが、実は1ヶ月で遊べるタイトルには5本までという制限があります。
また、Viveportで配信されている全てのタイトルを試せるというわけではなく、指定されたタイトルから5つを選ばなければいけないという点に注意です。既に多くのタイトルがサブスクリプションに対応していますが、今後も定期的に追加されていくということなので遊び尽くしてしまうということは当分なさそうです。

 

3. 筆者がピックしたのはこの5タイトル

悩みに悩んで1ヶ月目の試し期間で遊ぶことに決めたタイトルは、以下の5つです。


Apollo 11 VR


EVEREST VR


the Blu


Remembering Pearl Harbor

Hollywood Hills Mansion (With Home Theater)

注意が必要なのは、ストアを見て面白そうだと思ったタイトルを選んでいくのではなく、申込み時に5タイトルを選択しなければいけない点です。あらかじめ遊びたいタイトルを決めてから申し込み画面に移りましょう。

 

4. 今月面白かったのはこの2つ!

Apollo 11 VR

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アポロ11号の月面着陸をVRで追体験できる作品です。コンテンツは約70分の映像作品となっています。
基本的には映像を見るだけの作品ですが、一部シーンでは宇宙船の操縦も可能です。一人称視点で月面着陸の瞬間を体験することができるという、宇宙好きにはたまらないゲームとなっています。ただ、日本語には非対応なので英語が得意でない人にとってはセリフなど少し難しいところもあるかもしれません。

60年代風のインテリアに囲まれた小部屋で、ケネディ元大統領の演説を見るところから始まるのですが、そこから突然目の前に大きな月が現れるといった、VRならではの迫力ある演出も魅力です。カメラワークも考えられており、非常に高いクオリティの作品となっています。

このVRゲームを開発したImmersive VR Educationは、その名の通り教育分野にVRを活かそうという会社です。現在、Kickstarterで新作「Titanic VR」開発のための出資を募っていますが、既に目標の50000ユーロを突破。今後の作品も楽しみです。

なお、「Titanic VR」は出資者向けに2017年11月の配信開始が予定されています。

 

the Blu

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Viveの発売とほぼ同時期からSteamでも配信されていた、こちらも映像作品です。ドスパラなどのVRのデモを行っていた店舗では確実に試遊できる鉄板タイトルで、筆者もいつか遊んでみたいと思っていました。今回、サブスクリプションを使えば無料で遊べるということでダウンロードしてみました。

ゲームをスタートすると、以下の3つのモードが選べます。

Reef Migration

ウミガメと遭遇できるステージ。足元がサンゴ礁になっていて、熱帯魚がたくさん泳いでいて楽しいです。美しいクラゲの大群も見ることができます。びっくり要素のようなものはないので、VR初心者も安心して遊べます。

Whale Encounter

上で述べたような店頭デモで遊ばれていたのはこのモードです。現在は、このモードだけなら無料で配信されています。
沈没船の上に立っていると、頭上に大きなクジラが泳いで来ます。とにかく迫力と存在感が凄まじく、VRを遊んだことが無い人は相当びっくりしてしまいそうです。

Luminous Abyss

深海を体験できるモードです。上の2つのモードに比べると、ステージが暗いために結構怖めな印象。ただ、不気味な深海魚ばかりが出てくるというわけではなく、クラゲの大群はとても綺麗です。

 

The Bluは、いずれのモードでもインタラクティブなことは一切なく、モードを選択した後は景色を眺めるだけの内容となっています。そのシンプルさゆえ、VRを遊んだことのない人や非ゲーマーには喜ばれますが、Viveを個人で購入するようなゲーマーにとってはあまり刺激的な内容でないことも事実。
筆者としてもそれがネックで購入できずにいた(Viveportでの価格は980円)のですが、こういう形で遊ぶことができてとても良かったです。非常にクオリティの高いVR体験でした。

 

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5. まとめ

今回の記事で紹介した2タイトル以外のものも、1タイトルあたりのプレイ時間は長くても2時間程度。これらの映像作品は、いずれも一度体験した後に何度も繰り返し遊ぶようなコンテンツではないので、月に5タイトルであれば忙しくてもきちんと消化していけそうです。

規模の小さいVR市場に対する投資の意味でもお金を払うことは大切ですが、学生である筆者にとって、映像作品1タイトルごとに1000〜2000円を払うのは厳しいというのも事実。きちんとお金を払った上でリーズナブルに遊べるViveport Subscriptionは非常に魅力的なサービスです。無料体験期間は終了してしまいましたが、今後も契約を継続してみようと思います。
最初の1ヶ月は無料でトライアルできますので、Viveをお持ちの方はぜひお試ししてみて下さい。

参考リンク:
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