2016年は、リコーシータやSamsung gear360など、比較的安価な360度カメラがVR市場を席巻しました。
これらの360度カメラは360度画像・映像の撮影コストを大幅に下げ、一般消費者にとって360度画像・映像が身近なものになることに大きく寄与したと言えるでしょう。
しかし、360度撮影のやりかたはそれだけではありません。
2016年12月現在で、いわゆる360度パノラマ撮影のやり方としては三つの方法があります。今回はその仕組みとメリットデメリットを解説していきます。
まず最初に紹介するのは、広角レンズをつけたカメラを使用して、同じ場所で違う向きを撮影してのちに組み合わせる(スティッチング)する方法です。三脚の上にカメラを設置し、ずれないように何度か撮影し、繋ぎあわせるという手法で撮影・編集します。
GoPro公式サイトより
これが発展し、現在では、「マウント」や「リグ」と言った呼び方で、GoProや一眼レフなどを同時に扱える器具が出てきています。価格は9万円から130万円程度までと幅広く様々なものがあります。
基本的にはカメラのメーカーとは違う、サードパーティ製のものが多いのも特徴と言えるでしょう。
高性能の一眼レフカメラ等を使用することで、高画質の画像・映像が撮れるため、現在でもプロ用の撮影はこちらで行う場合が多いです。
また、この方法だと基本的に撮影後に写真・動画を自分でスティッチングする(繋ぎあわせる)作業が必要になります。スティッチング用のソフトとしては、様々なものがありますが、Kolar(コラー)という会社の製品が広く使われています。Kolar(コラー)社は2015年にGoProに買収されたことでも話題になりました。
メリット:画質が良い。防水防塵機能があるものもある。
デメリット:機材の価格が高く、撮影の難易度も他の方法に比べると高い。スティッチングの作業が必要となり、ソフトを購入する必要もある。
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二つ目は、3dstyleeでもおなじみの、360度カメラを使う方法です。
Ricoh ThetaシリーズやSamsung Gear360など、各社が360度カメラを出していますが、いずれもスマホにつないで専用アプリを使用して、簡単に撮影することができます。価格は3万円前後のものから入手できるため、かなり手頃とも言えます。
参考:初心者におすすめ。数万円で選べる高性能な360度カメラ〜360度写真用〜
これらの360度カメラは、180度以上の画角の魚眼レンズを前後に二つ搭載し、撮影した写真を自動でスティッチングしてくれるというものです。自動スティッチングのレベルもかなり高くなっており、ほとんどのケースでは違和感なくスティッチングしてくれますが、近距離の撮影などではスティッチングがうまくいかないこともあります。それでも特殊な技術やソフトを使用せずとも、一瞬にして撮影からスティッチングの処理までやってくれるのはありがたいところですね。
また、リコーシータSやサムスンのGear 360の登場で、画質も一眼レフほどではないものの、十分にきれいになってきているので、Googleストリートビューなど、プロ向けの用途でも使用されるようになってきています。
メリット:スティッチングの作業が不要で、操作も簡単。価格が手頃で、持ち運びも便利。それなりに高画質なものを撮ることができる。
デメリット:スティッチングの調整が自分ではできない。画質は1つめの方法と比べると低くはなる。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
最後に紹介するのは、スマートフォンのアプリを使う方法です。
iPhoneをお使いの方は、「パノラマ」というモードで写真をとったことがあるかもしれませんが、あれの応用と思っていただければ大体のイメージはつくかと思います。スマートフォンを平行に動かすことで、自分の周囲360度を撮影していきます。
cardboardカメラやストリートビューをスマホにダウンロードして撮影・閲覧できます。スマホカメラとはいえ、それなりに楽しめます。機材を買う必要がなく、スマホ以外の機材を持ち運ぶ必要もないというのは大きなメリットですよね。
メリット:無料で使えるアプリもある。機材を購入したり、持ち運んだりする必要がない。
デメリット:カメラを使うものに比べると、クオリティの高い360度写真を撮ることは難しい。
一口に360度撮影と言っても、機材や撮影方法、スティッチングの方法など様々なものがあります。
一番簡単なのはスマホアプリですが、もし本格的な360度写真を手軽に撮影したいのであれば、360度カメラをつかうのがおすすめではあります。
複数のカメラを組み合わせるものは、当然クオリティの高いものを作ることができますが、やはり機材の価格とスティッチングの作業がネックになってくるでしょう。
自分の用途にあった機材・方法を使って360度撮影を楽しみましょう!
参考リンク:
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