VRは2016年の「VR元年」と呼ばれる年以降、急速に技術とその活用範囲を広げてきました。
今回はVRを利用したライブ配信について解説します。
今までもVRを使ったライブ配信の取り組みはありました。
ですが、近年の感染拡大の状況において、配信者にとっても視聴者側にとっても双方にメリットがあるコンテンツとしてますます脚光を浴びています。
この記事ではVRを利用することのメリットや、ライブ配信をするために必要な準備、VRのライブ配信事例やおすすめの制作会社まで細かく解説しています。
VRでのライブ配信を検討している人はぜひご覧ください。
【目次】
VRでライブ配信をすることは、実際の会場に観客を入れることとどのような違いがあり、またVRではない通常のライブ配信とも何が違うのでしょうか。
ここでは、VRでのライブ配信のメリットを3つ紹介します。
VRがもたらす臨場感により、まるでライブの現場にいるかのような感覚で参加できます。
その上、入場番号や席順などにも関係なく、VRライブのために撮影された最前列や特別な角度からアーティストを見ることが可能に。
そのため、通常のライブ映像と比べて臨場感とともに特別感もより一層味わうことができます。
ライブをオンライン配信で行うメリットは、会場に足を運ぶことなく自宅で楽しむことができることです。
今までなら参加を諦めていた平日の夜や遠方でのライブにも、配信で行われるものであれば参加できる可能性が高まります。
さらに、通常のオンラインライブ配信と違って臨場感が段違いなので、家にいながらライブ会場にいる気分を味わうことも。
また、体の自由が利かないために参加ができないという人にも、臨場感のあるライブ体験が自宅でできるのは嬉しいメリットです。
コンサートホールやスタジアムでの通常ライブの場合、席数や規模に合わせてチケット枚数の制限があることも。
一方で、VRのライブ配信では人数制限なしで開催することができるので、視聴者にとっても配信者にとってもチケット確保やそれにまつわる転売などへの対応をせずに済みます。
感染拡大が懸念される現状においては、大人数のイベントになったとしても、VRのライブ配信なら安心して開催できるのは大きなメリットです。
VRでのライブ配信を検討する時、どのような機材が必要なのでしょうか。
個人での小規模な配信から企業による大規模な配信まで、どんな効果をもたらす機材なのかを合わせて紹介します。
360°カメラか180°カメラかは、視聴者の視点をどのように置くかによって決まります。
360°カメラは、自然やスポーツの配信に使われることが多々。視聴者が前方だけでなく後方を見ることがある場合に使用されます。
180°カメラはライブコンサートや舞台で使用されることが大半。
視聴者が決まった範囲のみを見る場合には180°カメラで十分です。
VRヘッドセットは、VTuberなど2Dや3Dのキャラクターアイコンを利用する際に使用。
頭につけたVRヘッドセットによって頭部の動きと表情の変化をトラッキングします。
表情のみでなく、腕や足といった体全体の動きを取り入れたい場合は、肘や手首、膝などにもトラッキングポイントを取り入れることで対応が可能になります。
まるで現実のような立体的なライブ空間を見せてくれるVRのライブ配信では、音だけが平面で聞こえてくるとおかしなことになってしまいます。
ライブ空間にいるかのような立体的な音の響きや広がりを再現するためには、立体音響撮影機材は不可欠です。
個人での初めてのVRのライブ配信を行うのなら、まずはYouTubeが手軽です。
YouTubeやSNSへの配信であれば、配信のための費用はかかりません。
収益化を目指すのであれば、自身でVR配信のプラットフォームを構築するか、既存のVR配信用プラットフォームを利用することとなります。
30分で解説!360度カメラの選び方・撮影のポイントを1つの冊子にまとめました。資料ダウンロードは「5000事業者以上へのVR導入実績!事業者向け、360度カメラの選び方と効果的な撮影方法」よりお願いします。
ここでは、VRライブの配信事例を紹介します。
ORANGE RANGE結成20周年を記念したVRでのライブ記念イベントで、通信事業会社大手のauとORANGE RANGEがタッグを組み行いました。
KDDIのコンセプトショップである「GINZA 456 Created by KDDI」をライブステージとし、「新音楽視聴体験 音のVR」でVRのライブ配信を実施。
VR技術を使ったライブ映像とは別に、XR体験ができる「XR Door」ではライブ収録舞台裏も配信し、ファンを楽しませました。
女優・歌手・ラジオパーソナリティとして若者に人気の大原櫻子も、VRでのライブ配信を行なっています。
2016年に開催された『お台場みんなの夢大陸2016 めざましライブ』で歌った「Happy Days」がVRで配信され、現場の臨場感そのままに楽しめるように。
アーティストを最前列で見られる他にも、後方を振り返ると盛り上がる観客が見られることで、実際にその場にいるかのような感覚を味わえます。
2021年までトップVtuberとして活躍していた輝夜月(かぐやるな)も、VRライブを2度行い、大盛況のうちに終わらせています。
有名ライブハウスZeppが、バーチャルイベントサービスの『cluster』を利用して仮想空間にライブハウス『Zepp VR』を作りました。
2018年に行われたclusterでの初めての有料チケット制VRライブでは、200枚のチケットを10分で完売させる人気ぶりでした。
画像引用:VR Square
VR Squareは、ソフトバンクが提供しているWebもしくはスマートフォン・VR端末専用アプリを通して楽しめるVRサービスです。
人気アーティストのVR動画や舞台の他、スポーツの配信も。
スマートフォンで視聴する場合は、VR SQUAREサービスに対応したスマートフォンである必要があるので、注意が必要です。
画像引用:cluster
clusterは、バーチャル空間で自分のアバターとなるキャラクターを作って遊ばせることのできるプラットフォームです。
少人数でまったりとした空間でゆっくりと過ごしたり、大人数を集めてイベントを開催したり、イベントに参加したりなど、使い方はアイデア次第。
上で紹介したVTuber輝夜月のライブは、このプラットフォームを使って配信されました。
高精度で臨場感を出したいのなら、VR動画に特化した制作会社に依頼をすることも可能です。
ここでは、厳選したおすすめのVR映像制作会社を紹介します。
画像引用:株式会社ユニモト
ライブコンサートや舞台などの配信にとどまらず、施設紹介や不動産紹介などの360°の視野で情報収集ができるコンテンツを作成しています。
非対面型でありながら顧客に十分な情報を提供することで、集客をはかるVRツアーの制作に定評があります。
親切採用向けのオフィスツアーや工場見学ツアー、商店街の散策ツアーなど、実績はさまざまです。
画像引用:JOUER-ジュエ株式会社
4K、5K、6K、7K、8K以上解像度と、180°もしくは360°の画角を組み合わせ、顧客の希望と需要に合わせた映像を制作します。
ドローンによる空撮にも力を入れており、映画やドラマ、観光客誘致など多方面で活躍している制作会社です。
画像引用:DMM合同会社
株式会社アイクラウドは、VRやAI、ARなどの先端技術で、オンライン展示会のプラットフォーム「DX EXhibition」を提供しています。
2021年2月からは、DMM合同会社の完全子会社となりました。
DMMも『DMM [SHOWBOOTH](DMMショーブース)』でオンライン展示会サービスを行なっていました。
そのことから、今では両方の技術と実績を掛け合わせた、オンライン展示会の企画・運営・集客で指示を集めています。
VR技術を使用するライブ配信について解説しました。
コロナの影響もあり、現地に足を運んだり、大人数で集まることが難しくなってきた昨今、VRを使ったライブ配信は需要が高まっている現状。
また、オンライン展示会やショールームツアーなどの顧客が自宅にいながら視覚でも情報が収集できる、というVRの利点に注目が集まっています。
コロナが収まったとしても、遠方にいながらイベントに参加できたり、人数制限を気にせずにイベントを開催できたりというのは、VRのライブ配信の大きなメリットです。
イベント開催を考えている人は、VRでのライブ配信はをぜひ検討してみてください。