ANAホールディングス株式会社のVR(バーチャルリアリティー)を活用した新しい事業が話題を呼んでいます。
VRを使った”旅”の提案を2022年に向けて実現させようとしているANAは、2021年5月にANA NEO株式会社を新設しました。
これまでにもANAホールディングス株式会社は、アバターロボット『newme』をノンエア事業の柱としています。
ANA NEO株式会社が開発しているバーチャルトラベルプラットフォーム『SKY WHALE』で、より高度でリアリティー溢れる”旅”を体感することができるようになります。
航空機や旅行を扱うANAがなぜVRに力を入れているのでしょうか。
ANAがVRを使ってどのような活動をしているかも交えながら、詳しくお話していきます。
世間一般におけるVR研修に関するイメージ(意識調査)と、実際にVRを導入している事業者の体感 (実態調査)の両面でアンケート調査を実施しました。
☑ 意識調査ではVRゴーグル購入や制作費用が高いイメージだが、実態としてはPCやスマートフォンにおけるVR活用がメインであり、年間コストも50万円以下とVRに対するイメージと実態にギャップがある。
☑ 意識調査では約6割の事業者が今後のVR活用について懐疑的。実際にVRを導入した事業者の6割以上が効果を実感。今後も利用を継続していくため、一度VRを試せば継続的に活用していく傾向。
ダウンロードはこちらから。ぜひ、今後の新人研修・社員研修にお役立てください。
【目次】
ここではANAがVRを導入して、どのように活用をしているか事例を4つ紹介していきます。
ノンエア事業の取り組みとしてのバーチャル旅行提案のほかにも、社員への教育にVRを活用している事例も。
それでは、4つの事例を1つずつ詳しくみていきましょう。
ANA NEO株式会社は、バーチャルトラベルプラットフォーム『SKY WHALE』で新しい旅体験を提供しようとしています。
『SKY WHALE』では、旅行はもちろんのことショッピングを体験することも可能。
新しい技術を導入しつつ、ANAが今まで提供しているサービスを融合させる画期的な試みとなる『SKY WHALE』。
スマホやタブレット端末からもアクセスができるという手軽さも売りの一つ。
総合プロデューサーに『ファイナルファンタジーXV』のディレクター・田畑端氏、音楽企画監修には、葉加瀬太郎氏を起用。
バーチャルトラベルプラットフォーム『SKY WHALE』の導入に、ますます期待が高まります。
ANAは、客室乗務員向けに機内の安全性確保に向けた保安訓練にVRを活用した訓練を導入しています。
実際に再現させることが難しい火災などの緊急事態や機内設備の安全確認作業をVRで再現して教育することを可能にしました。
これまで以上に迅速かつ適切に対処できる客室乗務員の養成ができるようになり、乗客として利用する私たちにとって大変心強く安心してANAの航空機を利用できます。
VRを利用すれば、反復実習ができるので業務手順の定着が高まっているとも。
安全教育の標準化を、VRを導入することで実現可能としたのです。
ANAは整備士にVRを活用した訓練、『ANA VR Safety Training System』を導入しています。
『ANA VR Safety Training System』とは、整備士の危険予知能力向上を目的とした訓練である安全体感教育の一つ。
航空機整備環境や過去の労働災害事例からコンテンツを作成して再現しました。
VRシステムの中に受講者が入り、ナレーションの説明に従い安全の基本動作をこなしながら実施。
危険を見逃したり、動作手順を間違えたりした場合は、VRの中で受講者本人が転倒や転落を体感することに。
その後、ナレーションによる動作の振り返りがあり、なぜ転倒や転落に至ったかの説明がなされます。
VRを利用することで、労働災害の減少につなげています。
感染拡大の影響で機体工場見学ができない状況。
そんな中でも、VRを利用すればボーイング777などの大型機、中型機を見ることができます。
また、家にいながら気軽に体験できるので、飛行機に興味のある子供達でも気軽に体験可能。整備の仕方までパソコンやスマホから手軽に視聴できるので、休日の娯楽としてもぴったりです。
航空機や旅行を扱う会社であるANAがなぜVRコンテンツを提供しているのでしょうか。
バーチャルな旅行を体感することや、航空機を身近に体感することで私たちの価値観は確実に変化します。
そして、社員にVRを活用した人材育成をすることでよりよいサービスを提供しようと活動しています。
VRで旅行体験を顧客に提供することにより、旅行に対するモチベーションの向上につながり、結果的にANA側の利益につながります。
旅行は気軽にすることが困難なものの一つ。特に忙しい方や家族がいる方はなおさらのこと。
「忙しくて時間がない」
「子供が小さいのでホテルの予約や荷物の準備が大変」
「感染拡大でリアルな旅行を楽しめない」
このように旅行をしようと思っても様々な問題があります。
仕事を抱えている人は長期休暇を取らなければいけないことも。
また、家族が幼かったり、高齢だったりすると移動したり支度をするだけでも大変。
しかし、VRコンテンツを使えば手軽に旅行が楽しむことできるようになります。
また、VRで旅行体験を顧客に提供することにより、旅行に対するモチベーションの向上にもつながり、結果的にANA側の利益にもつながります。
それによって休暇をとったり旅の情報を集めたりとリアルな旅行に行くための行動を起こすきっかけに。
バーチャル世界での体験は、リアルな世界での旅行の動機づけとしての良いきっかけにもなります。
航空機を見に行きたいと思っても、飛行場が近くになければ見ることは難しいですよね。
ましてや子どもは大人に連れて行ってもらわなければならず、親が忙しかったり航空機に興味がなければ連れて行ってもらうこと自体が困難になることも。
ですが、VRを使えばパソコンやスマートフォンで工場見学を楽しむことができます。
個人で楽しむことはもちろん、学校の勉強や自由研究の題材にもなって、更に子どもたちが興味をもつきっかけにもなります。
2021年11月リリース「2021年度 社員教育におけるVR活用の意識・実態調査」
世間一般におけるVR研修に関するイメージ(意識調査)と、実際にVRを導入している事業者の体感 (実態調査)の両面でアンケート調査を実施しました。
☑ 意識調査ではVRゴーグル購入や制作費用が高いイメージだが、実態としてはPCやスマートフォンにおけるVR活用がメインであり、年間コストも50万円以下とVRに対するイメージと実態にギャップがある。
☑ 意識調査では約6割の事業者が今後のVR活用について懐疑的。実際にVRを導入した事業者の6割以上が効果を実感。今後も利用を継続していくため、一度VRを試せば継続的に活用していく傾向。
ダウンロードはこちらから。ぜひ、今後の新人研修・社員研修にお役立てください。
ここまでVRでバーチャル旅行や航空機の見学についてを理解していただけたかと思います。
しかし、なぜANAは研修や訓練にまでVRを導入しているのでしょうか。
その理由をここでは詳しくお話していきたいと思います。
たとえば、飛行機事故やハイジャックなどが起こった場合を想定する訓練はリアルな世界ですることはできません。
安全第一ですから、社員や航空機に万が一のことがあっては大変です。
しかし、そんな危険な状況もVRでなら再現することができます。
VRでの研修や訓練を通して、社員の危機管理能力を向上させることや、実際に問題が起こった時に対応できる力を育てることを目的としています。
客室乗務員が様々な研修や訓練をVRで行うことで実際に問題が起きた場合に迅速な対応ができるようになります。
安全面においても空の旅を支えてくれる優秀な客室乗務員をVRを活用して育成しています。
これまでであれば、先輩の客室乗務員などに教わったり、さまざまな講習を受けたりすることで客室乗務員を育成していました。
しかし、先輩の客室乗務員の時間を確保することが困難であったり、同じ講習を何度も受けたりすることは難しいといった実情が。
VRなら何度でもシュミレーション可能なので、いつでもどこでも何度でも、他の人の時間を気にすることなく講習を受けることができます。
また、VRなら研修を行う人員が必要ないので、人員コストの削減にもなります。
社員数の多い会社になると、研修を行う講師の人数も多く、研修の質にバラつきが出ます。
大抵の職場では、優秀な講師が教える研修や実習も優秀な社員のみが参加して後はレポートや口頭で伝えるといったことも多いもの。
講師の質に左右されることなく、全ての社員を育成できるのはVRならではの強味です。
ここまでANAがVRを活用している事例等を紹介してきました。
感染拡大で旅行関係は大きな打撃を受けてしまいましたが、そんな状況に負けることなく新たな取り組みを行うANA。
バーチャル旅行や社員の教育に至るまでVRを活用してANAは更に進化を遂げようとしています。
このようにバーチャルの世界とリアルな世界を融合させて、よりよい未来に繋げようとしているANAの取り組みにこれからも期待が高まります。