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そろそろVRはじめませんか – 第13回 白飛びを防ぐために有効なHDR合成

この記事は全国賃貸住宅新聞「そろそろVRはじめませんか」第13回(2018年5月28日掲載)の内容をベースにしています。

360度写真の画質は、物件に対する印象を左右する重要な要素ですが、画質について不動産会社様からもっとも多く聞く悩みが白飛びです。

日中に空室を撮影する場合、室内はあまり明るくなく、窓から入る日光が明るいため、通常の撮影モードだとどうしても明るいところが白飛びしやすくなってしまいます。

今回は、360度写真の白飛びを防ぐために有効なHDR合成についてお伝えします。

HDR合成が利用できる機種

リコーシータの最上位機種、リコーシータV。

リコーシータの最上位機種、リコーシータV。HDR合成が可能である。

不動産業界でよく使われているリコーシータシリーズであれば、シータS以降の機種で利用可能です。

ただし、シータSの発売当初はHDR合成機能が実装されていなかったため、HDR合成が設定の中に見当たらない可能性があります。
その場合はファームウェア(カメラに内蔵されているソフト)のアップデートをすることで、HDR合成機能を無料で追加することができます。

また、HDR合成の設定はオート撮影モードのオプション設定になるので、マニュアル撮影モードの時は使えません。

なお、サムスンの360度カメラであるGear360でもHDR合成の設定が可能です。

360度カメラの機種につきましては、「リコーシータのおすすめの機種と選ぶ時の注意点」をご参考ください。

HDR合成の仕組みとメリット

HDRとはHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略で、ダイナミックレンジ(撮影するシーンの明暗差)が大きい環境において、白飛びや、黒つぶれを防いで綺麗な写真を残すための合成機能です。

日中の空室撮影は、ダイナミックレンジが広く、白飛びしがちなため、HDR合成に適した環境と言えるでしょう。

HDR合成後(左)と合成前(右)

リコーシータVによるHDR合成後(左)と合成前(右)。床の白飛びが、見事になくなっている。

HDR合成を使えば、明るさの設定の異なる写真を複数撮影し、綺麗に撮れているところを自然に見えるように自動的に合成処理するため、白飛びのない綺麗な写真を撮影することができます。

HDR合成のデメリット

HDR合成は、処理時間が問題になってきます。

リコーシータSおよびSCを使用している場合、HDR合成モードで撮影すると処理するのに時間がかかるため、1枚あたり10秒程度時間がかかります。したがって、撮影物件が多い場合などは気になるかもしれません。

一方で、最新機種のリコーシータVであれば1−2秒程度で気にならない程度に処理時間が短縮されています。また、Gear360の場合は処理時間は早いですが、シータの方がより広いダイナミックレンジに対応しています。

さらに、機種によってはHDR合成を行うと色合いが不自然になる場合があります。

リコーシータVによるHDR合成(左)と、リコーシータSによるHDR合成(右)

リコーシータVによるHDR合成(左)と、リコーシータSによるHDR合成(右)。どちらも白飛びが消えているが、シータSで撮影したほうが、壁に若干青くなっていることが分かる。

リコーシータSおよびSCを使用している場合、HDR合成モードで撮影すると白色が若干青っぽくなる、赤色がオレンジっぽくなるなど、色合いに若干の不自然さが生じます。

しかし、リコーシータVでは改善されています。また、Gear360の場合もさほど気になりません。

まとめ

処理時間や色合いなど、ちょっとしたデメリットはあるものの、それでも白飛びを抑えられるHDR合成は不動産物件を紹介するうえで、とても助かる機能です。

実際、弊社ソフトのユーザー様向けには基本設定をHDR合成にすることを推奨しています。

HDR合成を有効に活用して、より画質の良い360度写真を撮影しましょう!

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