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不動産業務に使えるVRコンテンツ制作ソフトの徹底比較

この記事では、不動産業務で使われている代表的なVRコンテンツの制作編集ソフトウェアである、Spacely(スペースリー、旧3D Stylee)、ナーブのVR内見、theta 360.biz、Panocloud VR(パノクラウドVR)、ZENKEI360(ゼンケイ360)を公開されている情報に基づいて、異なる点や特長を主に抽出して比較します。(2018年10月15日更新

1. VRコンテンツの制作編集ソフトの基本

1-1. VRコンテンツの制作編集ソフトとは?

その場にいないのにあたかもその物件の中にいるように感じさせるのが、VRコンテンツです。リコーシータやサムソンのギアー360といった市販の360度カメラで撮影したデータを使いますが、それを内見用やオンラインで活用するVRコンテンツにするために、別のソフトウェアを使用します。それがVRコンテンツの制作編集ツール(ソフトウェア)です。

新たにインストールを必要としないクラウドのソフトウェアが一般的になりつつあるので、今回はクラウドのソフトウェアを中心に比較します。ナーブのVR内見はスマホアプリで編集なので、別途インストールが必要なものとなります。
参考:
不動産分野でVRの導入がすすむ理由と具体的な導入方法

1-2. 導入が増えている背景

VR内見などVRコンテンツの活用が進み、そのためにVRコンテンツの制作編集ツールを導入する事業者が増えています。この背景には、VR元年と言われる2016年に、2〜3万円で十分な質と手軽さを実現した市販の360度カメラが多く出てきたことと、VRコンテンツの閲覧には一般にスマホを用いた仕組みが多く採用されていますが、VRコンテンツが普通に見れるようなスマホ自体の割合が増えたことの2つが大きいでしょう。

現在はほぼ全てのスマホが対応しています。
参考:
スマホVRに必要な機種やブラウザについて〜2016年の国内普及率は98%〜

2. 導入コストと運用コスト

導入するにあたってどれくらいのコストがかかるのか、運用で毎月かかる費用はどのくらいなのかというのは、最も重要なポイントといえるでしょう。

2-1. 導入コスト

まず導入コストは全くかからないというサービスが多いです。Zenkei 360以外は,初期導入費用はすべて無料です。
Zenkei 360は月額1万円のスタンダードプランでは初期導入費用が10万円となっています。

不動産事業者のVRの導入に必要な機材とコスト

VRの導入に必要な機材とコスト

VRを不動産業務に導入する場合、システム導入以外の部分で、360°カメラや、スマートフォン、タブレットなどの端末導入にコストがかかるため、トータルでどのくらいの初期導入費用がかかるのかを把握しておくことが重要です。
いずれのサービスにおいても最低限必要になる機材は、➀撮影用の360°カメラ、➁カメラスタンド➂スマートフォン(撮影用、VR接客用)です。

2-2. 運用コスト

いずれのサービスも月額で使用料がかかります。以下の表にまとめました。

初期導入
費用
月額料金 公開可能物件数
/シーン枚数
独自の
撮影アプリ
備考
Spacely
Proプラン
0円 12,980円 物件数の制限無し
/1500枚
あり
月額10,000円
10アカウントまで
3アカウント
設定可
VR内見
ナーブ
0円 21,000円 500物件 あり
月額5,000円
3アカウントまで
1店舗ごと
課金
Zenkei
360
100,000円 10,000円 20物件/400枚 あり
無料
(シータ用撮影アプリを使用)
3アカウント
設定可
panocloud
VR
0円 14,000円 15物件/75枚 なし 1アカウント
THETA
360.biz
0円 30,000円 200物件 なし PV上限あり
Spacely(1/5)
初期導入費用
0円
月額料金
12,980円
公開可能物件数/シーン枚数
物件数の制限無し/1500枚
独自の撮影アプリ
あり、月額10,000円で10アカウントまで
備考
3アカウント設定可

 

VR内見 ナーブ(2/5)
初期導入費用
0円
月額料金
21,000円
公開可能物件数/シーン枚数
500物件
独自の撮影アプリ
あり、月額5,000円で3アカウントまで
備考
1店舗ごと課金

 

Zenkei 360(3/5)
初期導入費用
100,000円
月額料金
10,000円
公開可能物件数/シーン枚数
20物件/400枚
独自の撮影アプリ
あり、無料(シータ用撮影アプリを使用)
備考
3アカウント設定可

 

panocloud VR(4/5)
初期導入費用
0円
月額料金
14,000円
公開可能物件数/シーン枚数
15物件/75枚
独自の撮影アプリ
なし
備考
1アカウント

 

THETA 360.biz(5/5)
初期導入費用
0円
月額料金
30,000円
公開可能物件数/シーン枚数
200物件
独自の撮影アプリ
なし
備考
PV上限あり

公開可能な物件ツアー数、シーン枚数のコストパフォーマンスで比較すると、

Spacely > THETA 360.biz >> Zenkei360 > panocloudVR
(VR内見・ナーブは保管可能枚数等は非公開)

という順序になります。Zenkei360やpanocloudVRの費用感の場合、賃貸仲介や売買仲介で、多くの物件をVR化するというのには合わないと言えるでしょう。
どちらかというと取扱物件数の限られているディベロッパーなどを想定したプランかもしれません。

2-3. 運用コストの注意点

➀VR内見・ナーブは店舗ごとで課金

VR内見・ナーブは店舗ごとの課金のため、店舗数が多くなると運用コストが比例して大きくなります。
他のサービスは店舗ごとの課金ではなく、アカウントごとの課金になりますので、利用の実態に応じてアカウントを使い分けることができます。

店舗数が増えれば、扱う物件ツアー数が増えるという観点での比較は可能かと思うので、そう言った切り口でプランを比較することは可能かと思います。

店舗ごとにアカウントを分けた場合、SpacelyのProプランは3アカウントついていますので、1店舗あたり月額4,000円ちょっとで運用できることになります。
保管可能な360度写真の枚数は1500枚ですので、3店舗で分け合って使ってもそれなりに十分使うことができます。

Zenkei 360も3アカウントついていますが、月額10,000円のプランだと20物件しか公開できず、10物件追加すると月額5,000円の追加費用が発生します。

なお、SpacelyとZenkei 360は追加料金でアカウントの追加ができます。Spacelyは月額5,000円の追加料金で1アカウントと1000枚の保管可能枚数が追加されます。Zenkei 360は月額1,000円の追加料金で、1アカウントが追加になりますが、元々の保管可能枚数が少ないため、保管可能枚数の追加を合わせてする必要があるでしょう。

➁VR内見・ナーブの料金にはVR用端末のレンタル料金が含まれる

VR内見・ナーブの月額21,000円の料金の中には、VR用端末クルール1台分のレンタル料金が含まれています。
クルールのレンタル料は公表されていませんが、例えばスマートフォンと2,000円以下で購入できるVRゴーグル・VRグラスがあれば、専用の端末は不要になりますので、業務用のスマートフォンを既に導入されている場合は重複するコストになります。
また、世界的に普及が進むスタンドアローンVRの最新機、オキュラスゴーが約2.5万円で購入できますので、今後のアップデートなどを見据えると、こちらに対応しているSpacelyなどのソフトを利用するのもアリでしょう。
さらに、Spacelyではビジネス用途を見据えた、衛生面や女性、メガネをかけている方などでも利用しやすい、手のひらサイズのVRグラス「カセット」を開発し、1,800円/個で提供をしています。
参考:
VRグラス「カセット」(外部ページ)

➂THETA 360.bizはPV上限やPV課金のあるプラン

リコーの提供するTHETA 360.bizは、他のサービスと異なり、プランにPVの上限がついている定額プラン、またはPVごとに課金する従量プランを選ぶ形になっています。
ここでいうPVというのは、シーンを見る回数のことであり、コンテンツを開いた後、ツアー内の別のシーンに移動した場合なども、1PVとカウントされるようです。

サーバーの負担などを反映させた料金体系ということになりますが、利用者である不動産会社からしてみると、コントロールが難しいPVという要素が入ってくるということになります。オンラインでの利用と店舗での利用でもこの影響は違うので、利用実態に合わせてPV課金の場合にどの程度を想定するかはあらかじめ考えておく必要があるでしょう。

④サービス独自の撮影アプリ

リコーの提供するシータ用撮影アプリが一般的ではありますが、ビジネス向けに開発された独自の撮影アプリを利用できるサービスもあります。
VR内見・ナーブに関しては月額5,000円で3アカウントまでアプリを利用でき、撮影からコンテンツ制作までを簡略化することができます。人消し機能などの独自機能もあるようです。

一方、Spacelyでは、クラウド上で物件撮影の指示から納品までをワンストップで行うことができます。撮影した360度写真をアップロードするだけでVRコンテンツが完成するため、業務の大幅な効率化が図れます。また、納品された360度写真、通常の写真、採寸データなどは、クラウド上で保存・管理でき、いつでもダウンロードすることができるので、データを集約して管理する場所としても活用いただけます。

3. VRコンテンツの画質と動き

各社サービスで作成されるVRコンテンツの質の比較をするために、各社ウェブサイトなどで公開されている以下のサンプルを含めたいくつかを確認しました。VR内見・ナーブサンプルはホームページでは確認できなかったので、プレスリリースから公開されている実際に使われているものを確認しました。

Spacelyサンプル
VR内見・ナーブサンプル
Zenkei 360サンプル
panocloudVRサンプル
THETA 360.bizサンプル

3-1. 画質

物件の印象を左右する画質は、不動産物件のVRコンテンツにおいても非常に重要です。VRコンテンツにした後、コンテンツをスムーズに動かすためにも、各社サービスともに360度写真を圧縮していると思われますが、画質に関しても違いが出てきます。より綺麗に見えるように、かつ軽量化にも配慮して圧縮処理をする必要があり、この点でも特長が出てきます。

SpacelyサンプルVRスクリーンショット

SpacelyのサンプルコンテンツのVRモード。リコーシータで撮影。画質を損なわないようファイルを軽量化している。

パノクラウドVRのサンプルは、一眼レフで撮影したものと思われますので、他のサービス間で比較した結果は以下のような順序になります。

[検証結果]
Spacely > THETA 360.biz > Zenkei 360 > VR内見・ナーブ

 

3-2. 動きの滑らかさ

コンテンツが滑らかに動くかどうかは、お客様がVRモードで閲覧して頂く場合にとても重要です。動きが滑らかでない場合、車酔いのような、時に気分を害することになる、いわゆる「VR酔い」になりやすくなります。

上記のサンプル間で比較したところ、以下のような結果となりました。

[検証結果]
Spacely > THETA 360.biz > パノクラウドVR* > VR内見・ナーブ > Zenkei 360

Spacelyのコンテンツに比べると、他のサービスのコンテンツの動きはカクカクしているように見えました。
*パノクラウドVRのサンプルは一眼レフで撮影していると思われるため、他社のリコーシータ撮影のコンテンツに比べて画像のファイルサイズが重くなってしまっているため、一概に比較できない部分もあります。

4. VRコンテンツの編集管理の機能

4-1. 機能比較表

VRコンテンツに追加できる機能 その他特長
Spacely
Proプラン
マップ(視点連動)、シーン移動、画像、コメント、外部リンク、Youtubeリンク、シーン切替、iframe埋込など PV等分析機能、URLのみでの遠隔接客及びミラーリング機能
VR内見
ナーブ
マップ(視点連動なし)、シーン移動 接客用ミラーリング
Zenkei
360
マップ(視点連動)、シーン移動、画像、コメント、外部リンク埋め込み なし
panocloud
VR
マップ(視点連動)、シーン移動、画像、コメント、外部リンク、Youtubeリンク、シーン切替 PV等分析機能
THETA
360.biz
マップ(視点連動)、シーン移動、画像、コメント なし

 

Spacely(1/5)
VRコンテンツに追加できる機能
マップ(視点連動)、シーン移動、画像、コメント、外部リンク、Youtubeリンク、シーン切替、iframe埋込など
その他特長
PV等分析機能、URLのみでの遠隔接客及びミラーリング機能

 

VR内見 ナーブ(2/5)
VRコンテンツに追加できる機能
マップ(視点連動なし)、シーン移動
その他特長
接客用ミラーリング

 

Zenkei 360(3/5)
VRコンテンツに追加できる機能
マップ(視点連動)、シーン移動、画像、コメント、外部リンク
その他特長
なし

 

panocloud VR(4/5)
VRコンテンツに追加できる機能
マップ(視点連動)、シーン移動、画像、コメント、外部リンク、Youtubeリンク、シーン切替
その他特長
PV等分析機能

 

THETA 360.biz(5/5)
VRコンテンツに追加できる機能
マップ(視点連動)、シーン移動、画像、コメント
その他特長
なし

各社共通して使える機能としては、マップの機能とシーン移動のリンクで、いずれも不動産物件の紹介では効果的な機能です。ただし、VR内見・ナーブのみは、マップ上のどの位置にいるかはわかるものの、どの方向を向いているかは分からない仕様でした。他のサービスではいずれも、どの方向を向いているかがマップ上に表示されていました。

Spacelyシーン切替機能

Spacelyシーン切替機能。足下のスイッチボタンで、昼夜などのシーンの切替が可能。

その他に各社で見られる機能としては、物件の魅力やアピールポイントを伝えるために効果的な画像やテキストによる追加説明、外部リンク埋め込み、Youtubeリンク埋め込み、シーン切替(クローゼットの開閉、日中・夜景のシーン切替など)などがあります。これらすべての機能が使えるのはSpacelyとpanocloudVRです。逆にVR内見・ナーブは、これらの機能は全くありません。

また、Spacelyでは、写真の明るさの補正や、ぼかしなどの編集機能が含まれているのも、他のサービスには無い特長です。

4-2. VRモードのときの機能

上記の機能に関しても、VRモード時には機能が使えなくなるというケースも多いです。VR内見・ナーブに関しては、数少ないインタラクションであるシーン移動もマップ機能も無いので、単純な360度写真をVRモードで見るような感じになります。

一方、Spacelyは外部リンク、Youtubeリンク以外の機能は、VRモード時でも同じように機能しており、VRモード時にキャプションが同じように開く、マップが同じように機能するというのはSpacelyの特長といえるでしょう。(外部リンク、Youtubeリンクの場合、VR非対応のページに飛んでしまうため、あえて機能しないようになっています)

Zenkei 360、panocloudVR、THETA 360.bizに関しては、VRモードの場合にできるインタラクションはシーン移動に限られてしまうようです。

SpacelyのVRモードスクリーンショット

SpacelyコンテンツはVRモードでも豊富なインタラクションが機能する

4-3. ミラーリング、接客機能

お客様がVRモードで見ているときに、どのシーンを見ているかがわかる、接客用のミラーリング機能は、SpacelyとVR内見・ナーブにあります。Spacelyは、URLを発行しそれにアクセスすることで遅延の無いミラーリングが可能です。また、お客様側、不動産会社側どちらでも操作し同期することも可能ですし、どちらかだけにすることも可能です。

他方、VR内見・ナーブでは、アプリを利用したもので、また、VRモード時に機能やインタラクションはなく、不動産会社の営業担当者が操作する形です。考え方として、お客様に操作させないようにするという目的なのかもしれません。

Spacelyのシステムは、接客時のみならず、遠隔の全く違う場所、回線、違うデバイスでも発行されたURLにアクセスするだけで可能です。360度パノラマでもVRモードでもどちらでも可能です。これまでとは違った独自開発技術を用いた方式で、URLにアクセスするだけで誰もすぐに全くの遅延の無い同期ができるようになります。親子やカップルを相手とした複数人のグループでの利用も可能です。また、お客様が自由にVRモードで見る形にするか、営業担当者がコンテンツの操作を行うかを選べることになります。IT重説などの環境変化とともに、オンラインのみでの不動産成約を後押しするためのシステムになっています。

4-4. PVなどの分析機能

店頭での利用だけを想定した場合は重要では無いですが、オンラインでの発信を想定するなら重要になります。SpacelyとpanocloudVRはグーグルアナリティクス(Google Analytics)の機能を組み込んでおり、作成したコンテンツのPV、滞在時間などを把握することができます。

さらにSpacelyには、それぞれの顧客ごとにリアルタイムで「いつ」「何を」見たのか瞬時に把握する分析機能があります。顧客の興味関心を知ることで、営業の成功率上昇に繋げることができます。

一方で他のサービスでは同様の機能があるかどうかは確認できておりません。

5. 制作・編集・管理のしやすさ

5-1. 制作・編集などの操作のかんたんさ

PCでの制作・編集・管理 PC・スマホ・タブレットでの制作・編集・管理
Spacely
VR内見
ナーブ
Zenkei
360
×
panocloud
VR
×
THETA
360.biz
×

 

制作、編集、管理に関する操作がかんたんかというのも、導入を検討する上で重要な要素になるでしょう。Spacely、panocloud VR、Zenkei 360に関しては、実際にフリーアカウントで操作もしてみましたが、いずれも直感的な操作でかんたんにコンテンツ制作をすることができました。
THETA 360.bizに関しては、HPに公開されているデモ動画で確認しましたが、こちらも直感的な操作で、かんたんに使えそうな印象でした。
VR内見・ナーブに関しては、デモ動画からは操作の詳細は確認できませんでしたが、機能が少ない分、かんたんに操作できるのではないかと思われます。

5-2. スマホやタブレットでも制作・編集・管理はできるか

撮影からコンテンツ制作を効率的に行おうとすると、撮影の後、360度写真が転送保管されるスマホやタブレットで移動中にアップロードや編集ができた方が便利です。また物件によっては作り込みをする場合は、事務所の別の人が作業するなどPCやグループでの利用もあります。Spacelyは、コンテンツの制作、編集、管理がPCと同じようにスマホもタブレットでも、グループで利用することができます。
VR内見・ナーブはスマホアプリを用いての編集で、機能が少ない分、シンプルな制作編集となっています。スマホやタブレットなどそれぞれアプリをインストールする形になり、PCでの編集作業は不要です。他のサービスは、制作、編集、管理はPCからのみで、スマホやタブレットからはできない仕様になっているようです。

キャプション編集

Spacelyはスマホでコメント埋め込みなどの編集が可能

6. カスタマーサポート

新しいサービスを導入するときには、困ったときにどんなサポートが受けられるか、どのような周辺サービスがあるかもチェックしておきたいものです。
各社のサポート内容、付帯サービスの内容について、以下の表にまとめました。

導入支援 運用サポート 撮影・コンテンツ
作成代行
Spacely
Proプラン
メール、電話、マニュアル配布、無料撮影レクチャー メール、電話 基本料金1コンテンツ2万円〜、低価格のパッケージもあり
VR内見
ナーブ
メール、電話 メール、電話 プランに応じた価格で提供、詳細は問合せ
Zenkei
360
初期導入費用10万円があるが、詳細は不明 メール、電話 なし
panocloud
VR
不明 メールのみ 20万円以上の高価格サービスのみ
THETA
360.biz
不明 不明 有料プランユーザー向けに34800円〜のプラン
Spacely(1/5)
導入支援
メール、電話、マニュアル配布、無料撮影レクチャー
運用サポート
メール、電話
撮影・コンテンツ作成代行
基本料金1コンテンツ2万円〜、低価格のパッケージもあり

 

VR内見 ナーブ(2/5)
導入支援
メール、電話
運用サポート
メール、電話
撮影・コンテンツ作成代行
プランに応じた価格で提供、詳細は問合せ

 

Zenkei 360(3/5)
導入支援
初期導入費用10万円があるが、詳細は不明
運用サポート
メール、電話
撮影・コンテンツ作成代行
なし

 

panocloud VR(4/5)
導入支援
不明
運用サポート
メールのみ
撮影・コンテンツ作成代行
20万円以上の高価格サービスのみ

 

THETA 360.biz(5/5)
導入支援
不明
運用サポート
不明
撮影・コンテンツ作成代行
有料プランユーザー向けに34800円〜のプラン

6-1. 導入支援

Spacelyは、導入時に360°カメラでの撮影レクチャーを無料で行っているほか、電話や訪問によるサポートも行っています。
VR内見・ナーブは初期導入電話サポートの対応をしています。
Zenkei 360は初期導入費用として10万円がかかるため、手厚いサポートがあるのではないかと思われますが、詳細は不明です。
THETA 360.biz、panocloudVRに関しては、初期導入サポートがあるかどうか分かりませんでした。

6-2. 電話やメールサポート

Spacely、VR内見・ナーブ、Zenkei 360はメールだけでなく、電話でのサポートもあります。
Theta360.bizは不明ですが、panocloudVRはメールでのサポートのみのようです。

6-3. 撮影代行とVRグラスなどの周辺サポート

撮影・コンテンツ制作代行サービスについては、Spacelyは、間取り図、画像キャプション、機能をフルに盛り込んだ撮影コンテンツ制作を1コンテンツ2万円から対応しているほか、撮影件数の多い不動産会社向けには、編集内容を画一化した低価格の撮影パッケージも用意しています。
panocloudVRは価格帯から判断すると、リコーシータ等の360°カメラではなく、一眼レフカメラを使用して撮影を行うものと思われます。
THETA 360.bizは、Googleストリートビューの撮影サービスを提供するLife Style社と提携しており、同社が撮影サービスを提供します。したがって、コンテンツ制作のみのサービスはやっていないようです。

VRゴーグルやVRグラスに関しては、VR内見・ナーブは、「クルール」という専用VR端末を用意しています。1店舗あたり21,000円の月額料金の中には1セットのクルールが含まれています。クルールをもう1台追加する場合には、さらに月額のコストが追加でかかるようです。
大きさ的にはかさばるものにはなってしまうのですが、デジタルサイネージとして使えるそうなので、店頭のカウンターにデジタルサイネージを設置したいと考えていた方には、大きさはあまり問題にならないかもしれません。

Spacelyは、大きなVRゴーグルではなく、コンパクトな折りたたみ式VRグラスの使用を推奨しており、新製品の手のひらサイズの折りたたみ式VRグラスSpacely「カセット」は1個1,800円で提供しています。

折りたたみ式のコンパクトなVRグラス「カセット」

折りたたみ式のコンパクトなVRグラス「カセット」

実際にVRを導入した店舗からは、VRゴーグルが大きくてかさばる、女性のお客様やメガネをかけているお客様を中心に抵抗がある場合もあるという声があったことを踏まえ、開発しています。
カセットは胸ポケットにも入れられるサイズなので、店舗外に持ち運ぶ場合でも便利で、顔に密着しないので衛生的です。

500個以上のロットであればオリジナルのロゴなどをプリントしたものを単価1000円以下でオーダーできるため、ノベルティグッズとしても使うことができます。

7. 運営会社の業歴・規模

運営会社の業歴・規模という観点では、THETA 360.bizの運営会社であるリコーが、言うまでもなくトップでしょう。

リコーは代表的な360°カメラであるリコーシータも開発しているという点からも信頼できるかもしれません。
ただどちらかというとハードウェアのメーカーというイメージが強いですし、撮影などのサービスもLife STyle社に委託しており、ソフトウェア開発、運営のどこまでを自社で行っているかは不明です。

また、panocloudVRを運営しているGMOも上場企業で、本サービス以外にも様々なインターネット関連事業を展開しています。ただし、panocloudVRに関しては名古屋のベンチャー企業であるアジェンシアという会社がソフトウェア開発及び技術サポートを行っているようです。

Zenkei 360の運営会社である全景は石川県発のベンチャー企業で、大手企業ではありませんが、パノラマ画像関連のソフトウェア開発においては老舗で、20年以上の業歴があるようです。

VR内見・ナーブを展開しているナーブは2015年10月設立のVR関連のサービスにフォーカスしたスタートアップ企業で、今回比較したサービスの運営会社の中でも最も新しい会社ですが、2016年2月にベンチャーキャピタルのジャフコから2.5億円の資金調達をしており、業界紙への広告などを始め、積極的に営業やプロモーションを行っているようです。

Spacely運営会社の株式会社スペースリーは2013年設立のスタートアップ企業で、VR事業以外に、絵画などのアート作品のレンタル・販売のオンラインプラットフォーム「club Fm」を運営しています。

サービスを選ぶときは、必ずしも大企業のサービスだから良いというわけではありません。
もちろん大企業の方が従業員数も多く、サービスを安定的に提供する体力があるということは言えるかもしれませんが、ベンチャー企業の方が経営のスピードが早いとも言えます。
特に全て自社開発をしているベンチャー企業であれば、サービスの改善や、ユーザーからの要望をソフトに反映させるスピードも早くなります。

8. その他ハイエンドなサービス

市販の2−3万円で買える360°カメラを使用するサービスを上記では紹介してきましたが、専用の機材を使用するよりハイエンドなサービスもあります。
ここでは、アメリカ発の2つのサービス、「Matterport(マターポート)」と「Insidemaps(インサイドマップス)」を紹介したいと思います。

8-1. Matterport

Matterportはサンフランシスコのスタートアップ企業が提供しているサービスで、専用のカメラを使用して撮影すると、空間が3Dのモデル化され、奥行きのある立体的な空間を再現できるというものです。以下の画像は、MatterportのHPに公開されているサンプルコンテンツのスクリーンショットになります。
Matterportサンプル
専用のカメラであるPRO 2 3D CAMERAは日本ではまだ売っておらず、アメリカで3,995ドルで販売されており、それを輸入する必要があるようです。
また、操作には128GB以上のストレージのあるiPadが必要で、プロ用の三脚なども必要になります。
また、月額利用料としては、プロフェッショナルプランの場合で月額99ドルかかり、月間にコンテンツ制作できる物件数は7物件まで、保管できる物件数は200物件。

8-2. Insidemaps

Insidemapsは、iPhoneを使って撮影することで、リコーシータなどの360°カメラよりも高画質な360°写真を素材にツアーを作成することができるサービスです。以下の画像は、InsidemapsのHPに公開されているサンプルコンテンツのスクリーンショットになります。
Insidemapsサンプル
専用の約2万円のローテーター(回転機)にiPhoneを装着することで、きれいに360°パノラマの撮影ができます。
コストとしては、1物件のツアーコンテンツの制作にHDR写真撮影、間取り図作成のパッケージで49.95ドルです。
日本ではGREE社が取り扱っており、コストとしては1物件あたり6,800円からとなっています。(制作費のみで、撮影料金は含まれません)

9. 各社ソフト総合評価の比較表

Spacely 総合評価
VR内見 ナーブ 総合評価
theta.biz 360 総合評価
ZENKEI360 ナーブ 総合評価
panocloudVR 総合評価

まだまだこれから拡がることが期待される不動産業務に使えるVRコンテンツの制作ソフトウェアの分野。随時サービスはアップデートされるので適宜チェックが必要です。また、今後も新たな特長を持ったサービスも出てくるかと思います。

実際に導入を検討する際は、いくつかのサービスを試してみたり、ウェブページをよくチェックすることをおすすめします。事業者は効果的な利用方法のイメージを持った上で、実態に合わせて自分たちにあったサービスを採用することが大事になるでしょう。

参考リンク:
不動産でVR?導入がすすむ理由と具体的な活用事例

最後までお読みいただいてありがとうございます。セールス・マーケ向け限定資料を以下のフォームに入力して入手することができます。

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