リコーシータSやGear 360などの360度カメラはかんたんに操作することができますが、地味に難しいのがちゃんと水平・垂直をとることです。せっかく設定をしっかり行って上手に撮れたとしても、そもそも写真が斜めに傾いてしまっていてはもったいないというものです。
そこで今回は斜めに傾いてしまった360度写真をかんたんに補正する方法についてまとめます。
リコーシータSやSCをスマホで操作するにはリコーシータSのスマホアプリを使用しますが、スマホアプリで撮影した直後に確認しても、なかなか傾いているかどうかはわからないものです。
撮影現場を後にして、オフィスに戻ってから、あるいは自宅などで、撮影した写真が傾いていることに気づくとがっかりしてしまいますよね。
でもそんな場合でも、後から傾きを補正する方法があります。それは、以前ファームウェアアップデートの記事でも紹介させていただきましたPC版リコーシータアプリの天頂補正書き出しです。
https://theta360.com/ja/about/application/pc.html
RICOH THETA パソコン用アプリケーション
PC版アプリでの傾き補正の手順は以下の通りです。
①PC版アプリで傾きを補正したい画像を開く
②メニューバーの「ファイル」 -> 「天頂補正書き出し」 -> 「XMP付きJPEGデータ」をクリック
③保存したいフォルダに元々のファイル名の末尾にxmpがついた、傾き補正済みの360度写真が保存される
傾きを補正する前と、補正した後を比較したのが下のコンテンツになります。
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上記手順に従って天頂補正書き出しをしても、傾きが直らないことがあります。
それは、撮影のときにカメラの中に搭載されている電子コンパスに誤差が生じているケースです。電子コンパスに誤差が生じている場合、カメラ状態ランプが赤く点灯します。
そもそも電子コンパスに誤差が生じている場合は、カメラが水平を正しく認識できていないため、天頂補正書き出しをしても、おかしな方向に傾いてしまったりします。
写真:電子コンパスの誤差があるときのカメラ状態ランプ
実際に天頂補正書き出しを行っても傾きが直らなかったケースが以下のコンテンツです。
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PC版リコーシータアプリで天頂補正書き出しができるのは、あくまでもリコーシータシリーズの360度カメラで撮影した写真のみになります。
試しにサムスンのGear 360で撮影した写真で天頂補正書き出しをしてみましたが、エラーとなりました。
また、スマホからPCに送る過程などで、サイズの圧縮が行われたりして、ファイルのデータが変わってしまった場合にも、天頂補正書き出しの機能が使えなくなることがあります。
リコーシータSやSCで撮影された360度写真は通常3-4MB程度のサイズですが、上記の天頂補正書き出しをして傾きを補正した画像ファイルは7-9MB程度と2倍強の重さになってしまうようです。
SpacelyなどのVRコンテンツの制作編集ソフトを使う際に画像が重いと読み込みに時間がかかるといったことや、ファイルを共有するにも重くなると不便なことも多いです。したがって傾き補正をする必要がないファイルはしない方が良いと言えます。
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リコーシータシリーズの場合は事後に傾きを補正することができる一方で、サムスンのGear 360の場合は、より便利な方法があります。
それは、スマホアプリの設定の「アングルを自動補正」です。アングル自動補正をオンにすることで、自動的に傾きが補正され、きちんと水平のとれた写真を撮影することができます。
写真:Gear 360のアプリの画面
また、Gear 360の場合はアングル自動補正をしても、特にファイルサイズが大きくなったりはしませんので、本当に便利です。
不動産の撮影など、傾いた状態での撮影をすることがないのであれば、常にアングル自動補正をオンにしておいても良いかと思います。
傾いている写真は見栄えが悪いだけでなく、VRモードで閲覧する場合には、VR酔いの原因にもなりうるので注意が必要です。
リコーシータSやSCの場合は、撮影後に一手間増えますが、PC版天頂補正書き出しをすることできれいに直すことができます。
Gear 360の場合はより便利で、撮影時に「アングルを自動補正」の設定をしておくことで、傾きのない360度写真を撮影することができます。
傾き自動補正は非常に便利なので、リコーシータシリーズも今後のファームウェアアップデートで機能追加されることが期待されます。
参考リンク:
360度カメラ撮影後の処理についての記事一覧
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