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360度カメラ入門。光によるトラブル対処法。

きれいな写真を撮るために、太陽や照明などの光にどう対処するかというのは、360度写真に限らず重要なテクニックです。
通常のカメラでの撮影であれば単純に撮影の向きや角度を変えて、逆光を避けたり、レンズフードやハレ切りといったアクセサリを活用すれば解決できることも多いです。しかし、360度カメラは全周囲を撮影するために、そんなにシンプルにはいかないことも多いでしょう。
今回の記事では、360度カメラを使って撮影するときに、しばしば発生する光にまつわるトラブルと、その対処法についてお伝えしていきたいと思います。

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トラブルその1 白飛び

明るいところと暗いところのコントラストが強い、つまりダイナミックレンジが広い環境では、しばしば明るいところの白飛びが発生します。
これまでの記事でもお伝えしてきましたが、リコーシータSやSCを使っている場合、そのような場面ではオートのDR補正HDR合成を活用しましょう。日中の室内での撮影であれば、多くの場合はDR補正で対応できると思います。
参考:リコーシータのオート撮影モードでの撮り方のコツ

ダイナミックレンジがかなり広く、DR補正でも対応が難しい場合は、HDR合成の出番です。ただ、HDR合成の場合は、色合いが不自然になることがあるので、できるだけDR補正で対応することをおすすめします。

トラブルその2 光の筋

室内での撮影時などに、光の筋のしましまが出てしまうことがあります。
照明が細長い蛍光灯のオフィスや、小さいLEDランプなどの間接照明のみの暗い飲食店などでの撮影時に発生することが多い傾向があります。
光の筋のしましまはかなり目立つので、せっかくの360度写真がイマイチなものになってしまいますし、全体的に発生するため、フォトショップなどによる修正も難しいです。
このような場合には、リコーシータSおよびSCのHDR合成を使うと、光の筋を消すことができたりします。
以下のコンテンツは、1枚目はマニュアルで撮影、2枚目はオートのHDR合成で撮影したものです。1枚目は光の筋が放射線のようになってしまっていますが、2枚目は光の筋が無くなっていることがわかるかと思います。

新しいタブで開く>

繰り返しになりますが、リコーシータのHDR合成は色合いが変わりますので、撮影後にフォトショップやSpacelyのフォトエディター機能を使って適宜色合いの修正をする必要が出てきたりもします。

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トラブルその3 赤いゴースト

晴天の屋外や、照明の明るい室内での撮影時に、赤い光の点が発生して、困ったことがある方も少なくないかもしれません。これは輝度の高い光がレンズ内で乱反射することで発生する、いわゆるゴーストと呼ばれる現象です。一眼レフカメラの撮影の場合は、レンズフードやハレ切りといったアクセサリを使用することで対処できたりもしますが、360度カメラの場合はそうもいきません。そのような場面ではどう対処するのが良いのでしょうか。

Tulip_Lens_Hood
写真:一眼レフ用のレンズフード

直射日光やライトの直射を避ける

まず第一に試してみるべき対処法は、撮影ポイントをずらして直射日光やライトの真下などを避けることです。
これだけでゴーストが発生しなくなることもありますが、撮影ポイントがある程度決まっていたり、晴天時の屋外の撮影だったり、照明の関係などでどうしても発生を避けるのが難しいケースもあります。

Spacelyの赤目補正などの撮影後の修正

上で述べた通り、ゴーストの発生を完全に防ぐことはできません。したがって、発生したゴーストに修正を加えて目立たなくするのは、一つの有効な対処法となります。
例えば360度写真の編集管理クラウドソフトのSpacelyでは、ぼかしなどの画像編集機能と並んで、赤目補正という機能があります。
赤いゴーストが発生している部分に赤目補正をほどこすと、完全にゴーストを消せるわけではありませんが、気にならない程度にゴーストの赤を薄めることができます。
以下のコンテンツは、室内での撮影時に赤いゴーストが正面に2点発生しているケースです。1枚目は補正なし、2枚目はゴーストの部分に赤目補正を施しています。

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まとめ

きれいな360度写真を撮るためには、撮影時の光の環境にうまく対処することが、最も重要といっても過言ではありません。
撮影環境における光が原因でうまく撮るのが難しい場面では、以下の順番で対処するようにしましょう。

1. 直射日光やライトの真下など、強い光が直接当たる撮影ポイントはできるだけ避ける。
2. ダイナミックレンジが広く、白飛びが発生する環境では、DR補正やHDR合成を活用して対処する。
3. 蛍光灯やLEDランプの光の筋のしましまが発生するときは、HDR合成を試してみる。
4. 赤いゴーストなど、完全に防ぐことができないときは、赤目補正などの修正機能で撮影後に対処する。

以上のポイントを頭に入れて撮影ができれば、今まで以上にきれいな360度写真が撮れることでしょう!

参考リンク:
360度カメラでの撮影についての記事一覧
360度カメラでの写真・動画撮影について興味がある方はこちら

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