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私がHTC Viveを購入した理由 ~ Oculus Riftとの比較 ~

Photo by BagoGames on Flickr

(2017年8月13日 一部内容を更新しました)
VR(バーチャルリアリティ)とは?〜3大必要条件と必要な機材のコスト〜で紹介したように、現在VRコンテンツを体験するため様々なデバイスが発売されています。今回は、PCを用いたVR機器であるHTC Viveを購入してみたので、購入に至った経緯とHTC Viveについての簡単な説明をしてみたいと思います。

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1. なぜHTC Viveを購入したのか

HTCは、スマートフォンで有名な台湾のメーカーです。そんなHTCが、Valve Corporationと共同で開発を進め、2016年の4月に発売したVR用のヘッドマウントディスプレイがこのHTC Viveです。Valve Corporationと聞いてピンと来る方はあまり多くないかもしれませんが、このValveはPCゲーマー向けのゲーム配信サービスであるSteamの運営会社です。Steamの低価格で幅広いコンテンツの取り揃えは、PCゲーマーにとっては欠かせない存在となっており、大きな存在感を放っています。

筆者は5年以上に渡ってSteamを利用しているPCゲーマーであるため、Valveが開発に携わっているHTC Viveには大きな期待を持っていました。しかし、HTC Viveと並んで本命VRデバイスと言われるOculus Riftと比較せずに購入する訳にはいかないと思い、2つを比べてみました。以下が2つの製品の主なスペックをまとめた表です。

 

HTC Vive Oculus Rift
解像度 2160×1200 2160×1200
リフレッシュレート 90hz 90hz
視野角 約110度 約110度
価格 107,784円 公式サイトからの購入で
83,800円(2017年1月5日現在)
ルームスケール 標準で対応 対応可能

 

このように表にして比較してみると、2つの製品のスペックはほぼ同じであるということがわかって頂けると思います。画面の精細さを表す解像度は、2製品とも全く同じ数値です。リフレッシュレートと視野角の2つは、ヘッドマウントディスプレイを装着した際の没入感に大きく影響します。そのため筆者は特にこの2つについてはこだわっていたのですが、この2つも全く同じスペックでした。

ちなみに、リフレッシュレートとは1秒間に何回画面を切り替えられるかを表す値です。VR体験をする際は、1秒間に最低でも60回の切り替えが無いと、VR酔いが発生してしまうと言われています。
スペックにほぼ差はないということが分かったため、結局はルームスケールへ対応しているかどうかが決め手となりました。

2. ルームスケールって?

ルームスケールとは、簡単に説明するとVR空間を歩き回れる機能のことです。HTC Viveを購入すると、ヘッドマウントディスプレイとコントローラー以外にも、大きな四角いセンサーが2つ付いてきます。このセンサーはベースステーションと呼ばれ、プレイヤーが装着しているヘッドマウントディスプレイとコントローラーの位置を算出します。部屋の対角線上にこの2つを設置することで、ベースステーションが設置された部屋をプレイヤーが自由に歩き回ることができるようになります。世界を見回すだけでなく、実際に歩いて回れるとなると、没入感は更に大きくなることが期待できます。

Oculus Riftはもともと、プレイヤーが広い範囲を歩き回ることを想定して作られたデバイスではありません。そのため1つ付属してくるセンサーによって、プレイヤーの位置を検出することはできますが、広範囲・高精度のトラッキングは望めないのです。筆者はHTC Viveのデモに参加した際、バーチャル世界を足で歩き回る楽しさに病みつきになってしまい、これが決め手となってHTC Viveを購入することとなりました。

ちなみに、Oculus Riftもセンサーの数を増やすことでルームスケールに対応しています。2016年の7月のファームウェアアップデート以降、トラッキングセンサーを最大4つ設置できるようになったのです。が、センサーを別途購入しなければならず、出費はかさみます。最初からセンサーがついてくるほうが、お得に感じますよね。

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Photo by Marco Verch on Flickr

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3. まとめ

以上のような理由で筆者はHTC Viveを購入しましたが、VRデバイスを購入する際には自分で体験して比較することが一番大切だと思います。2つのヘッドマウントディスプレイは、似ているようで素材も大きさも異なるため、どちらがよりフィットするかは個人差が大きいところです。眼鏡をかけている方は、今使っている眼鏡がそのまま使えるかどうかも確かめる必要があるでしょう。

HTC Viveに関しては、首都圏であれば殆どの場所で体験会を行っており、公式サイトから簡単に予約して体験することができます。Oculus Riftに関しては日本国内に代理店が無いため少し面倒になってしまいますが、秋葉原の一部店舗などで体験することが出来ます。興味があれば是非お試しいただきたいと思います。

また、どのようなコンテンツを楽しみたいかによっても購入すべきデバイスは変わってきます。ルームスケールを使ったゲームコンテンツなどに興味がない場合、センサーが付属しない分割安なOculus Riftを購入したほうがお得です。
うまく比較して、自分の目的に合ったVRデバイスを購入することができるといいでしょう。

ちなみに、これらのハイエンドVRデバイスを動作させるには、ある程度のスペックのパソコンが必要になります。筆者がViveを動かしている環境について興味がある方は、VRゲームを楽しむために必要なPCのスペック、部屋の広さ ー 筆者のHTC Viveのケースをご覧になってみて下さい。

いかがだったでしょうか。VRデバイスを購入する際、参考になれば幸いです。

参考リンク:
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